大好きな作品と真摯に向き合っていきたい
「喰種(グール)」と呼ばれる人喰い種が蠢く東京、そこで生きる人々と喰種を描いたダーク・ファンタジー『東京喰種トーキョーグール』。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載され、人気を博した石田スイの漫画を原作として2015年に初舞台化、大きな話題となった。そして今年、続編を描くにあたり、とある事故をキッカケに半喰種となってしまった主人公・金木を演じる役者は一般公募され、オーディションで決定した。
松田「多少でも舞台経験がある役者が受けるのはタブーなのではないかという躊躇いもあったのですが、受からなかったら自分より想いの強い人がいたのだと納得出来ると思い、挑みました」
そう語るのは、金木役を射止めた松田凌。数々の舞台・ドラマで活躍中だが、原作愛の強さからオーディションに参加。喰種が人と同様に摂取出来る唯一の食物である「珈琲と水」だけを口にして臨んだという。
松田「どうすれば原作に対する想いを言葉以外で伝えられるだろうかと考えた結果のアプローチでした。でも、そのせいで顔色が悪くて二日酔いだと勘違いされてしまい、必死で否定しました(笑)」
初演ではプロジェクションマッピングなどの効果で世界観を表現しつつ、役者が体当たりの演技で客席を圧倒した。松田も「嫉妬はありましたが、それは素晴らしい舞台だったからこそ。原作ファンとして嬉しさを感じました」と初演の印象を語る。
松田「前作で金木を演じた小越勇輝くんが、人と喰種の葛藤の狭間の部分をとても丁寧に演じていたので、受け継げる部分も持てたら。僕自身は金木の闇の部分に共感を覚えてしまって、ついその辺りが前に出てしまう。でも今作で描かれる部分のニュアンスを演じられないと選んで頂いた意味がないし、今後シリーズとして続くのであれば、原作に準じた調整をしていきたいので。ただ、熱量と本気度がないと『東京喰種トーキョーグール』という大きな世界は描けない。この容赦ない作品と向き合って、稽古場から出し惜しむことなくやっていこうと思っています」
意気込みから溢れ出る松田の気迫。板の上で解き放たれる日が、恐ろしくも楽しみだ。
インタビュー・文/片桐ユウ
Photo /倉田貴志
※構成/月刊ローチケHMV編集部 5月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
掲載誌面:月刊ローチケHMVは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
松田凌
■マツダ リョウ ’91年、兵庫県出身。’12年、ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇で初舞台、初主演デビュー。
日程・会場:
6/29(木)~7/4(火) 東京・シアター1010
7/8(土)・9(日) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
原作:石田スイ『東京喰種トーキョーグール』(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
出演:
松田凌、鈴木勝吾、田畑亜弥、
村田充、吉田友一、山谷花純、加藤忠可、
富田麻帆/佐々木喜英 他
受付期間:5/17(水)12:00〜21(日)23:59