市川「前回のインタビューの時、「稽古が始まるまでに勉強はもちろん、資料館や記念館など実際に足を運んで少しでも体感しようと思います」と話しましたが、先日、鹿児島にある知覧特攻平和会館に行ってきました。話には聞いていましたが、展示されている特攻隊の方の手紙を読むたびに自然と涙が出て止まらなくなってしまいました。実在した人たちの遺品や家族に宛てた遺書などを目の当たりにして、数十年前に起こった出来事が現実なんだということを僕自身あらためて実感しました。僕らよりも若い彼らがどんな想いでこの手紙を書いたのか、文字から伝わってくるものがありましたし、海に沈んでいたゼロ戦を引き上げて展示しているのを見て“これに乗って飛び立ったんだ”と思うと正直怖くなりました。自分がまさにその役を演じることになるので、以前にも増してこの作品に向き合う“責任”も強く感じました。」

山本「稽古が始まるまでの間、今は4人とも勉強はもちろん、資料館に足を運んだり戦争体験者の方のお話を伺ったり、みなさんに伝えるべきものが何なのかを探しながらそれぞれ準備をしている段階です。」

市川「僕はひと足先に資料館へ行きましたが、今の時代、”戦争“は遠い国で起こっていて自分たちからは遠いものだと思っている人が多いですよね。でも最近のニュースを見ていると、ひとつボタンを掛け違えたら戦争がいつ起こってもおかしくないのかもしれない、と考えるようになりました。あの時の日本は戦争に向かっていってしまいましたが、例えば、そうならないようにするには今の自分たちはどうすればいいのか。この作品がみなさんにとってもそういうことを考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。」

山本「そうですね。役を通じてそういうメッセージを届けることができたら一番嬉しいです。いつも僕らを応援してくれている方にも、今回お友達に誘われて初めて観に来ていただく方にも、僕ら自身というより、僕らが演じる4兄弟を通して”その時代を生きた人たちのこと“、”その歴史があったからこそ現在へ繋がっている“と何か一つでも感じてもらえるよう、しっかり演じたいと思います。」

市川「僕らが演じる4兄弟もそうですが、戦時中という過酷な状況のなかでも普通の日常があって、恋をしたり、元気に笑って日々の大変なことを乗り越えていく明るさもあったと思うんです。戦争という時代背景はありますが4兄弟を通して“一生懸命生きる”そのエネルギーを感じていただけたらと思います。」

山本「本当に構えず、ぜひ気楽な感じで観に来てくださいね。それが一番です！チケットは残りわずかですが、6月17日土曜日より一般発売です。みなさん、お待ちしております！」

【公演概要】
「大きな虹のあとで～不動四兄弟～」

日程：2017/8/29（火）～9/3（日）
会場：東京都 ザ・ポケット

演出：秦秀明
脚本：ニイボシアタル

出演：入江甚儀、市川知宏、竜星涼、山本涼介
大友花恋  桜田ひより 喜多乃愛  矢作穂香　津枝新平  肘井美佳  森山栄治　

★詳しいチケット情報は下記ボタンにて！