昭和・平成を彩る歌謡ショーがシアタークリエにて開幕!「ノスタルジック キャバレー」|初日開幕コメント・オフィシャルレポート

6月2日(月)に『Nostalgic Cabaret』が開幕!!本作は昭和から平成にかけての日本が誇る邦楽ヒットソングをショーアップしてお届けするコンサート公演。レギュラーキャストのコメントとオフィシャルレポート・舞台写真が到着した。

キャストコメント

▼加藤和樹
いよいよ目眩くステージが幕を開けます。稽古が本当に楽しくて、毎日が贅沢な時間でした。昭和 100年という記念すべき年に、昭和を彩った様々な名曲たちを歌い繋ぎます。そしてそのステージをさらに華やかにしてくださる豪華な日替わりキャストの皆さん。ワクワクが止まりません!ご期待ください!

▼星風まどか
『nostalgic cabaret』初日を迎えられることに心から感謝しています!
わたし自身、宝塚歌劇団を卒業後初のコンサートになります!
お稽古中から楽しみながら楽曲と向き合う時間がとても幸せでした♡
レギュラーメンバーの皆さま、そしてゲストの皆さまと共に心を込めて歌わせていただきます!
時を超えて響く世界を、シアタークリエという特別な空間でお楽しみくださいませ!

▼内海啓貴
ノスタルジックキャバレーがいよいよ開幕!
祖父母がスナックを経営していた事もあり、子供の頃から歌謡曲を聴いてきました。
僕の音楽のルーツが沢山詰まった昔懐かしき名曲に心を寄せて
素敵なキャスト、バンドメンバー、そして豪華なゲストの皆様と共にお届けします。
昭和にタイムスリップした気持ちで一緒に楽しみましょう!

▼霧矢大夢
ノスタルジックで、そして新しいコンサートがいよいよ開幕します!
ミュージカル俳優が歌謡曲を歌うと、耳慣れた曲が一層ドラマチックに、一味違う彩りを放ちます!
最強のレギュラーメンバーと、豪華なゲストの皆さまが奏でる名曲に、たっぷり酔いしれて下さい!

▼ドリアン・ロロブリジーダ(MC)
皆様ごきげんよう。ドリアン・ロロブリジーダです。
シアタークリエは観客として何度も足を運んだ思い入れのある劇場です。そんな劇場での作品、そしてそれが昭和から平成の流行歌をフィーチャーしているなんて!お話をいただいた際は、とても嬉しくて小躍りしてしまいました。
懐かしいけれど、どこか新しさも感じる、そんな日本の名曲の数々を、素晴らしいキャスト&スタッフの皆様とお届けできるのが今からとても楽しみです。
さぁ、イッツショータイム!

開幕オフィシャルレポート

昭和~平成期の懐かしのヒットソングで綴るコンサート『Nostalgic Cabaret』が 6 月 2 日(月)、東京・シアタークリエにて開幕した。出演は加藤和樹、星風まどか、内海啓貴、霧矢大夢、MC にドリアン・ロロブリジーダ。

劇場に足を踏み入れると、開演前からバンドが生演奏をし、観客を迎え入れてくれる。品のあるグランドキャバレーにでも来たかのような、ちょっと大人の雰囲気。心地よい喧噪が身を包み、自然とリラックスしてしまう。そして幕が上がると、懐かしの名曲たちがたたみかけるように押し寄せる――。主にミュージカルで活躍している実力派キャストたちの歌声で聴く「あの頃、聴いた音楽」が、甘い陶酔と感傷を運んできてくれる、懐かしくも新しいエンターテインメントショーだ。

歌われる曲たちは、ざっくり 1 幕は 70 年代前後、2 幕は 80・90 年代という構成。1 幕は 4 人のレギュラーキャストが昭和歌謡の数々を、歌にダンスにとカッコよく決め、聴かせていく。昭和歌謡のドラマチックさは、ミュージカルを主戦場とするキャストの表現力とも相性が良い。新御三家、花の中三トリオといった時代を彩ったスターの名曲から、歌姫・美空ひばりの楽曲のジャズアレンジまで、多彩に聴かせていく。

2 幕はうって変わって、カラオケスナック「ノスキャバ」という設定だ。リバーブのかかったカラオケ風の音響もユニークで、別の人が歌っている姿をノリノリで、時に歓声もあげ聞いているキャスト陣の姿も楽しい。「あの時代」をテーマにした思い出トークも飛び出し、アットホームな雰囲気で音楽を楽しめる。

キャストの魅力についても触れておこう。加藤は西城秀樹のナンバーでパッショネイトなステージを見せたかと思えば、サザンオールスターズの「いとしのエリー」を情感たっぷりに熱唱。この人ならではの折り目正しさとカッコよさのバランスもどこか“昭和のスター”感があり、この懐メロたっぷりのステージに面白いほどハマっている。星風は松田聖子といったアイドルソングの可愛らしさはもちろんピッタリなのだが、ピンキーとキラーズ「恋の季節」など昭和歌謡の情感溢れる楽曲で見せる迫力も意外な魅力。内海は名曲「なごり雪」を語るようにしっとり優しく歌い、「ダンシング・オールナイト」のハイトーンをもんたよしのりばりに地声で歌い上げる。この人はこんな歌い方もできるのかと新鮮な驚きだったし、さらにサックスの演奏も聴かせ、八面六臂の活躍だ。霧矢は山本リンダの「どうにもとまらない」や山口百恵の「イミテイション・ゴールド」など華やかかつカッコいいナンバーを次々と歌い、元宝塚トップスターらしい圧巻のショースターっぷりで魅了した。ちなみにレギュラー4 人の衣裳は、チラシ画像の 4 種のカクテルをモチーフにしているそう。観客を酔わせるカクテル=俳優の歌声、という趣向だろう。またドリアンも、ショーの進行をしつつ、中島みゆきの「化粧」など“泣かせ”のナンバーをシンプルに歌いあげていたのが印象的だった。

ゲストも日替わりで登場、初日公演は遥海と吉田広大がそれぞれ思い入れのある平成の名曲を歌った。ソロ楽曲に加え、二人がデュエットで聴かせた「レイニー ブルー」の完成度の高さは特筆したい。なお日替わりゲストは回ごとに 1~3 名ずつ、計 16 人。出演者によって歌うナンバーは変わりそうなので、お楽しみに。

単純に懐メロのショーケースとして楽しいステージだが、ミュージカル『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』等の訳詞家である岩谷時子が作詞をした「恋の季節」、ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』『マリー・アントワネット』等の訳詞家である竜真知子が作詞を手掛けた「Mr.サマータイム」「あずさ 2 号」などもしっかり押さえ、劇場に来る観客にとってはおなじみの「東宝ミュージカル」と
歌謡曲のつながり、日比谷という街が演劇にとってだけではなく歌謡曲にとっても聖地であることも紹介した。

音楽はタイムマシンとはよく言ったもので、懐かしい曲を聴くと、それを聴いた状況やその時の空気、一緒に聴いた人のことを思い出すものだ。聴く人それぞれに、名曲が運んでくる思い出もあるだろう。邦楽の名曲に酔い、俳優たちの歌に酔う、珠玉の 3 時間。それは、懐かしい甘さに酔いしれるひとときでもある。そんな極上体験を、日比谷の劇場でぜひ味わってほしい。

(取材・文:平野祥恵)

舞台写真