『新・幕末純情伝』開幕直前舞台挨拶&取材レポート到着!

AKB48 を卒業した村山彩希が主演を務める舞台、革命ミュージカル『新・幕末純情伝』の開幕直前舞台挨拶と公開ゲネプロが行われた。

本作は、つかこうへいの代表作のひとつ。幕末の京都を舞台に、「沖田総司は実は女性だった」というユニークな着想のもと、1989 年 8 月に PARCO 劇場で初演されて以来、幾度も再演を重ねてきた。幕末の混沌とした時代に、一人の少女が“女であること”を武器に時代を駆け抜ける、壮絶で痛切な愛と革命の物語である。

今回、「新・幕末純情伝」が初めて“ミュージカル”として生まれ変わる。

演出は、つか作品を数多く演出してきた岡村俊一。振付は、演劇的な世界観をダンスと J-POP で構成するダンスエンターテインメント集団「梅棒」での活躍でも知られる多和田任益が担当。演劇とダンスが交差する、“新たなつかこうへいミュージカル”の誕生に期待が高まる。

これまでも数多くの女優が演じてきた、沖田総司役に今回抜擢されたのは、AKB48 卒業後初の舞台単独主演となる村山彩希。

主演は、 AKB48卒業後初・舞台単独初主演となる村山彩希が務め、混沌の幕末を女であることを武器に駆け抜けた少女・沖田総司を演じる。グループ在籍時から“劇場の女神”と称され、表現力に定評のあった彼女が、つか作品という最も熱量の高い世界で、可憐さ、強さ、そして命を燃やすような情熱を携え、沖田総司を新たに体現する。

沖田総司に恋をし、彼女の運命を大きく揺るがす存在、坂本龍馬を百名ヒロキ、総司を守り、龍馬と対立する、新撰組の鬼の副長・土方歳三を柳下大、総司を育て導いた、軍艦奉行・勝海舟を細貝圭、長州の知将・桂小五郎を青木瞭が演じる。

そして、時代の闇に生きる孤高の人斬り・岡田以蔵を嘉島陸。教師になるのを夢見る新撰組隊士 二宮を、映画『怒り』で注目を浴びた佐久本宝が演じる。

開幕直前取材会には、村山彩希をはじめ、百名ヒロキ、柳下大、細貝圭、青木瞭、嘉島陸、佐久本宝が登場。

村山は「右も左もわからない私をキャストの皆さんが言葉や背中で教えてくれて、今ここに立てている」と感謝を伝えつつ、「今できる沖田総司を全力で演じたい」と力強くコメント。稽古場のエピソードでは、「終盤になるにつれて出来ている人も居残って稽古を見てくれたことにすごく驚いて、仲間なんだなっていう意思を改めて感じました」と告白。

百名は「この1ヶ月毎日稽古してきたので、全力を出して1公演1公演出し切りたいと」と語り、「稽古場で2公演がある日のために2回通し稽古をするかの問題が発生したとき、“私一人でもやるんで”と言った村山さんのガッツがすごかった」と稽古場でのエピソードを明かした。

柳下は「この紀伊國屋ホールという劇場で、つかこうへいさんの作品をできるという意味を毎日噛みしめながら全力でぶつかっていきたい」と語り、「村山さんの集中力と体力がすごくて、そんな姿を見ていたいというか。そういう空気を作ってくださっている座長」とその姿を絶賛。これを受けた村山も「稽古初日に柳下さんだけ台本を持っていなかったのがさすがかっこいいなって思ったのが印象だった」とお互いを褒め合うかたちに。

7年ぶりの『新・幕末純情伝』で勝海舟を演じる細貝は、「キャストを新たにこの作でしか表現できない『新・幕末純情伝』を皆さんにお届けできたら」と意気込んだ。ダンスについて聞かれ、「バチバチにやってますよ!」と自信満々に答えるも「すみません!嘘をつきました!!でも皆さん頑張っています!」とノリツッコミで会場の笑いに誘った。

青木は「つかこうへい作品がはじめてとなりますが、とにかく熱量がすごいということをまず全面に押し出していきたいと思います。頑張ります!」と力強くアピール。

「この作品が殺陣初挑戦」という嘉島は「この1ヶ月頑張って稽古をしてきました。作品の熱量も最後の最後までお届けしたい」と語り、「勝海舟との殺陣シーンでは、(細貝)圭さんが大事なダンスがあるっていうことで全然(殺陣の)稽古をしてもらえなかった」と暴露し、「居残ってやってたよ!」と細貝が焦る姿に笑いが起きた。

沖縄公演(2017年)で急遽代役を務めたという佐久本は「新撰組隊士の二宮としてまた出演することができて本当に嬉しいです。新選組のみんなが個性豊かで稽古をしていくたびに好きになっていく。皆さんが役を膨らませてくれているところもあるので、稽古がめちゃくちゃ面白かったです」と思いを口にした。 上演に向けて村山は「どうやってより良いものにして届けるかを、稽古期間みんなでもがきながらたくさん汗をかいてきました。今回だからこその演出もたくさんあるので、本当にこのメンバーでしかできない『新・幕末純情伝』がお届けできると思っています。時間とお金をかけてきてよかったって絶対後悔させないので、ぜひ生で、皆さんの目で見ていただきたい」と観客にメッセージを送った。

撮影/柏井彰太