ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』|柿澤勇人&吉沢亮 インタビュー

トニー賞6部門受賞の傑作ミュージカルが日本初上陸!

トニー賞6部門受賞の傑作ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』がついに日本に初上陸する。主人公のエヴァン・ハンセンをダブルキャストで演じるのは柿澤勇人と吉沢亮

柿澤 10年前にこの作品の音楽を聴いて、すぐに英語の台本を取り寄せて読みました。自分もこの役を演じてみたいと強く思ったのを覚えています。この作品は、素敵な楽曲が多く、物語は非常に現代的です。SNSがあふれている今の時代に実は孤独を感じている人もたくさんいるのではないかと思います。そんな現代に生きる人々が観るからこそ共感できるところが多くあるのではないかと思います。(オファーをもらい)年齢的に自分が今、できるのかと悩みましたが、吉沢くんがダブルキャストだと聞いて、それなら頑張ろうと思いました。僕は『吉沢亮』という俳優の一ファンなので、どうやって役と接していくのかを一番近くで見てみたかったんです。そして魅力的な共演のキャストの皆さんを知って、迷っていた気持ちに後押しをしてもらいました。

吉沢 2016年にブロードウェイでこの作品を観た時、芝居がすごいという印象がありました。良い歌ばかりなのに、当時は歌の印象があまりなくて、芝居の延長線上に歌がある作品だと感じましたし、そうした作りのミュージカルを僕も目指したいと思っていました。それからずっとこの作品に出演したいという思いが残っていたので、オファーをいただいて『おお!』と。ただ改めて楽曲を聞いたらすごく難しくて。こんなにも難しかったのかと今、焦っています(笑)。実際に台本を読んでみると、残酷な内容や胸にグサグサ刺さるところも多いんですよ。嘘に対して肯定的なニュアンスを含む歌詞があったり、それが今っぽい。そうしたところに惹かれました。

2人が演じるエヴァンは、社会不安障害を抱え孤独な日々を送る青年。本作ではクラスメイトの死ととっさの嘘がきっかけになり、本当の自分に気づくまでの過程が描かれる

柿澤 エヴァンは優しいからこそ、いろいろなことを感じて不安になってしまう青年です。考えすぎてしまうところや人とコミュニケーションをうまく取れず不安になる気持ちには僕にも覚えがあります。ミュージカルは明るくハッピーな作品も多いですが、この作品は陰をテーマにしているからこそ共感できるところも多いのかなと思います。

吉沢 エヴァンは人との距離感や、SNSを通して見た世界との距離感が分からなくなっているのだと感じました。その感覚は多くの人が共感できるのではないかと思います。嘘をついたことで大変なことに巻き込まれていく姿にはどこか憎みきれない、人間らしさを感じます。

本作で初めて顔を合わせる柿澤と吉沢

柿澤 (吉沢は)無限の魅力がある方だと思っています。秘めているものが宇宙のように無限大にある。でも、きっと彼はそれをひけらかすこともない。当たり前のことはきちんとやるけれども、それ以上に無理をすることもない。とにかく芝居で見せたい方なのではないかなと思っています。そうした意味で、自分と似ているところがあるのかもしれません。

吉沢 柿澤さんが出演されていたミュージカル『ラディアント・ベイビー〜キース・ヘリングの生涯〜』を観て、これは自分には絶対にできないと思いました。本当にすばらしくて。僕にとっては雲の上の存在です。そうした方と同じ役を演じるというのはとてもプレッシャーではありますが、本番までにはどうにか隣に立てるように頑張りたいと思っています。

Text/嶋田真己
Photo/中田智章
スタイリスト/五十嵐堂寿(柿澤勇人)、荒木大輔(吉沢亮)

※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

柿澤勇人
■カキザワ ハヤト
舞台を中心に多くの話題作に出演。第31回読売演劇大賞 優秀男優賞、第49回菊田一夫演劇賞受賞。TBS系ドラマ『終のひと』では連続ドラマ初主演を務める。

吉沢亮
■ヨシザワ リョウ
映画『国宝』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、映画『キングダム』シリーズなど数多くの話題作に出演。