4月8日(日)より日生劇場で上演されるミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』の稽古場が公開された。
本作は20世紀初頭のスウェーデンを舞台に求め合いながら滑稽にすれ違う様々な男女の愛の行方を描いたミュージカル・ラブ・コメディ。初演以来トニー賞7部門、グラミー賞2部門の栄冠に輝いた名作です。作詞・作曲は歌うのがとても難しい楽曲で知られるスティーヴン・ソンドハイム(『ウェストサイド物語』作詞、『スウィーニー・トッド』作詞・作曲)が務めており「リトル・ナイト・ミュージック」はとても美しくメロディアスな楽曲に仕上がっている。
<ストーリー>
20世紀初頭のスウェーデン。18歳のアン(蓮佛美沙子)と再婚した中年の弁護士フレデリック(風間杜夫)はなかなか妻に手が出せず、結婚して11ヶ月経った今もアンは処女。フレデリックと前妻の息子、ヘンリック(ウエンツ瑛士)も密かに義母アンに恋心を抱いていた。
ある日、芝居を観に行くことになったフレデリックとアン。主演女優のデジレ・アームフェルト(大竹しのぶ)は実はフレデリックの昔の恋人なのだが、何も知らないアンは無邪気に喜ぶ。しかしフレデリックが寝言で「デジレ…」と言ったことで不信感を抱く。観劇当日、スポットライトを浴びるデジレの顔を見た瞬間、アンはフレデックとデジレの関係を疑い、泣きながら席を立つ。帰宅後、なんとかアンをなだめ、寝かしつけたフレデリックはデジレに会いに行く決心をする。
デジレの下宿で14年ぶりに再会を果たした二人は、互いの近況を語り合う。そして昔を懐かしむように寝室に向かったところで、デジレの現在の恋人で女房持ちのカールマグナス伯爵(栗原英雄)が突然来訪。デジレとフレデリックはなんとかその場を取り繕うが、伯爵は二人の仲を怪しみ、自分の妻、シャーロット(安蘭けい)にフレデリックのことを調べるよう命令。
早速アンを尋ねたシャーロットは全てを暴露。二人は互いの夫をデジレに取られたことを慰め合う。
一方フレデリックのことが気になるデジレは自分の母親と娘が住む田舎の屋敷に、フレデリック一家を招待することを計画。伯爵夫妻もこの件を嗅ぎつけ、強引に田舎へ向かう。
ついに顔を合わせることになった三組の家族。フレデリックと二人きりになるチャンスをうかがうデジレ、デジレを独占しようとする伯爵、伯爵を取り戻そうと一計を案じるシャーロット、シャーロットに協力するアン、アンへの想いを押さえきれないヘンリック……それぞれがさまざまな思惑を抱きながら、一夜を共にすることになるが……
稽古で公開されたのは一幕のラストシーン「田舎でウィークエンド」
デジレ(大竹)が元恋人のフレデリック(風間)一家を自分の母親であるマダム・アームフェルト(木野)と娘のフレデリカ(トミタ栞)が住む田舎のお屋敷に招待するが登場人物それぞれの思惑があり、最終的に全員がお屋敷に集合!
登場人物全員の歌唱で締めくくるラストを観て二幕への期待が一気に高まった。
【稽古場写真はこちら】
公開稽古後に囲み取材が行われ出演者が意気込みを語った。
大竹しのぶ
本当に素晴らしいミュージカルで、可愛らしいし夢があるし、でもなおかつ、寂しさや人生を考えさせられるミュージカルです。マリアが表現したい世界、ソンドハイムが表現したい世界を、私たちが必死になって、あと3週間しかありませんが、光に向かってみんなで手を取り合って頑張っていきたいなと思います。
風間杜夫
ミュージカルは初めてです。悪戦苦闘の日々です。
安崎さんに歌を教えてもらい、しのぶちゃんに励まされて、マリアさんに叱咤激励というかリップサービスで「すごい!グレイト! 素晴らしい!」と。でも、信じてません。出来ていないのは自分が1番わかっています。今日は初めて大勢の人の前で演じてみて「そうだ。笑ってればいいんだ!」ということが分かりました(笑)
ウエンツ瑛士
コメディとして面白いセリフ、その場の空気感がたくさんあるんですが、それぞれの年代の恋愛模様があって、そこに人生観もあって、刺さる言葉がたくさん出てくるので楽しめるのですが何かちょっと胸が痛くなるようなこともあるお芝居になると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
蓮佛美沙子
私は舞台初挑戦でミュージカルも初めてですが、今日の時点でけっこう緊張したので、本番はどうなるんだろうなと。自分の中で未知数な部分がたくさんあるんですけど、とにかく先輩方が優しくて色々なことをたくさん教えてくださるので、振り落とされないように食らいついて、楽しんでアンを生きていけたらいいなと思っています。
安蘭けい
久々のコメディなので皆さんに笑っていただけるようなキャラクターを作りたいと頑張っています。
栗原英雄
ソンドハイムの曲がすごくフィーチャーされますが、大人のユーモアがたくさん詰まった物語ですので楽しみにしていてください。
木野花
本格的なミュージカルに出るのは初めてで、命を削って練習している感じです。とにかく誰よりもパワフルにと演出のマリアに言われているので汗かいてやっています。
安崎求
今回スタッフと俳優を兼ねて出演します。皆さんの素敵な歌を聴いていて、トチらないように頑張っています(笑)楽しい舞台になります。よろしくお願いします
トミタ栞
ミュージカルが初めてなのですごく緊張すると思いますが皆さんに勉強させてもらいながら楽しみたいと思います。
瀬戸たかの
最も自由なメイドです。色々な男性とキスできるのが楽しみです(笑)
春風を吹かせたいと思います!
取材・文/ローチケ演劇部員(川)