甲斐翔真&阿部顕嵐&井澤巧麻&福崎那由他 インタビュー|ミュージカル「October Sky-遠い空の向こうに-」

【左から】福崎那由他、甲斐翔真、阿部顕嵐、井澤巧麻

全米でベストセラーとなった元NASAの技術者による感動の自伝小説「ロケットボーイズ」を原作にジェイク・ギレンホール、クリス・クーパーら出演で、アメリカの小さな炭鉱を舞台に、厳しい現実に直面しながらもロケットに夢を賭ける高校生の姿を描いた1999年公開の青春映画の決定版がミュージカル化。今回が日本での初演となる。

6月某日。ビジュアル撮影のためロケットボーイズを演じる4名が集結。初の顔合わせとなったこの日、作品への意気込みを聞いた。

 

夢が持つパワーを伝えられる作品

 

――原作小説や映画版をご覧になって、作品の見どころはどういうところでしょうか。

甲斐:夢を持つことがどれだけの人の心を動かすことができるのか。一人だけの夢ではなくて、周囲の人を巻き込んでいけるような夢の力を感じます。コロナ禍で前に進みづらい環境ですが、どんな逆境の中でも「自分はこれがやりたい」という、夢が持つパワーを伝えられる作品です。

阿部:仲間、父親、先生との関係性とか誰でも共感できるポイント、登場人物がいる作品です。観てくださる人がどんな立場であっても共感してもらい、「自分も夢を持ちたい」と思ってもらえる作品にしたいです。

井澤:炭鉱夫の息子は炭鉱夫であることが当然の時代。周囲に反対されながらも、憧れのロケット制作に向かって、一生懸命に研究していたロケットボーイズたちってすごくキラキラしていたと思うんですよ。そういう部分をお客様にも観ていただきたいし、もう一つの大きなテーマである、父と子の絆は現代にも通じる部分ですね。

福崎:映画版を観て、少年たちがひとつの目標に向かっていく勇気とか、目の前の壁に立ち向かうパワーを感じました。勇気やパワーという部分が舞台で印象に残る作品にしたいですね。

 

――ご自身の役柄との共通点はありますか。

甲斐:ホーマーはロケットに出会うまでは夢がなくて、炭鉱の町に生まれ、なんとなく親父のいうことを聞いて、育ってきたと思うんですね。僕も芸能界に出会うまでは明確な夢はなかったんですけど、芸能界に出会って突き進めているのは、そこに夢を抱けたから。その気持ちを忘れずに、ホーマーに投影していけたらいいですね。

阿部:ロケットボーイズが「ロケットを飛ばしたい」と思うような少年心は自分も持っていると思っています。周りから無理と言われても、夢に向かって進むところは共感できますし、共通点ですかね。

井澤:オデルはムードメーカーでやんちゃっぽい役どころです。僕も小さい頃はやんちゃで、地元が自然豊かなところもあって境遇が似ていますね。僕は中学生くらいから芸能界に興味を持ち始めて、田舎でくすぶってないで憧れていたものに近づきたいという思いがあったので、今回の役にも共通する部分はありますね。

福崎:クエンティンは内向的な性格。一つのことに対して、自分で止められないくらいのめり込むところとかが似ていますね。クエンティンはその性格を自分の夢に生かせているんですけど、僕はまだそこまで達していないので、見習いたいです。

 

――反対に、ご自身と似ていない部分はありますか。

甲斐:ホーマーほどの行動力はないかもしれないです。周囲の人たち全体を巻き込んで行動はできないですね。自分だったら遠慮してしまうので、他人を巻き込んでいけるところは強いなと思います。

井澤:実際のオデルは身長が低いらしいです。自分は高いので、似ていないですね(笑)あと、オデルはカっとなりやすいタイプですが、僕はけんかはしないタイプでしたね。

 

――ロケットボーイズのようにロケットや宇宙に憧れた経験はありますか。

甲斐:昔からテレビで宇宙の話をしているとのめり込むようにみています。学校の授業でも宇宙はすきでしたし、ロケットボーイズがロケット好きなのは共感できますね。

阿部:小さいころから宇宙とか空が大好きです。今でも好きなので毎日星空をみますし、旅先で夜空を2時間くらいみることもあります。生きているうちにどれだけお金払ってでも宇宙はいきたいですね!

井澤:ビックバンは時空がゆがんできたとか、わからない話を聞くのが楽しくて、百科事典をみて調べていた時期もありましたね。最近、月の土地が買えることを知ったんです。意外と安くて自分でも買えそうな値段だったので、買っておこうかなと思ったことがありました。行けなくても土地だけでも(笑)

福崎:小学校の理科の授業で、天体観測で星をみるのはすごく好きでしたね。田舎だったので明かりもなく、とても星がきれいにみえるので、宇宙人とかいるのかな、と思いをはせていました(笑)

 

前例がない作品を作り上げる楽しさを共有したい

 

――今回は日本初演になりますが、初演作品をシアターコクーンで演じることはどう思われますか。

甲斐:日本初演の作品に関わることは初めてです。今までは再演やダブルキャストで出演させて頂いていたので、シングルキャストとして演じるのも初めてなんです。頼れるものがなにもない、白紙の状態で自分たちが作品を作り上げるのは楽しみですが、原作小説や映画はとてもいい作品で、舞台版がどうなるかは僕たち次第なので責任を感じています。でも(過去がない分)自由にやれるのは役者としては楽しみですね。シアターコクーンは昔オーディション受験で一度行ったことがありますが、今回はコクーンに爪痕を残します!

阿部:日本語で上演するのははじめてで、前例がない作品なのでプレッシャーもありますが、楽しみです。その楽しみをみなさんと共有したいです。コクーンは「いつかこの舞台に立ちたい」と思っていたので楽しみです。シアターコクーンは格式高いイメージなので、そのイメージに見合った作品にしたいです。

井澤:原作小説や映画版ではオデルのキャラクターはそこまで描かれてなくて。今回の舞台版ではどう描かれるのかが楽しみです。

福崎:日本初演として今回が作品の根っこになっていくと思います。また由緒あるコクーンで演じる重みもあるので、しっかりと受け止めていきたいです。

 

――最後に、みなさんの現時点での夢をお聞かせください。

井澤:映画で主演をやってみたいです。海外に行くのも好きで、いま中国語を勉強しているので海外で仕事をするのも夢ですね。

阿部:仕事面では(井澤さんと)似てますね。仕事以外だと、歳をとったら、自然の中に家を作りたいです。滝の横とかに家を作って、ベッドルームから自然が見える生活がしたいですね。窓開けっぱなしで寝たいです(笑)

甲斐:世界中に家作りたい。そこら中に家があるのが夢です。

阿部:自然の中はどうですか(笑)

甲斐:自然の中もだし、ビルの高いところとかにも作りたい。世界中に行きたいですね。今一番家を作りたいのは韓国です。近くていいじゃないですか(笑)韓国で暮らしてみたいですね。

福崎:僕は家具が作りたいですね。自分が作った家具だけの家で生活したいです。父親が建築関係なのもあって、自分がつくったものが形として残るのがいいなと思いますね。

 

――いまはDIYとか?

福崎:まだないです(笑)気持ちはあるんですけど。

 

みなさん、ありがとうございました!!