【井頭愛海・鈴木梨央・伶美うらら編】ミュージカル『るろうに剣心 京都編』インタビュー企画【その2】

ミュージカル『るろうに剣心 京都編』が5月から6月にかけて上演される。

和月伸宏の剣劇漫画「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」を原作にした新作ミュージカルの脚本・演出を手掛けるのは、小池修一郎。原作の中でも特に人気の高い“京都編”のエピソードを、360°回転する客席の周囲をステージとスクリーンが囲む劇場・IHIステージアラウンド東京で上演するという注目の作品だ。音楽を手掛けるのは太田健と和田俊輔。主人公・緋村剣心を演じるのは小池徹平。

ローチケでは、本作の出演者たちに直撃取材を敢行! 第二弾は、神谷薫役の井頭愛海、巻町操役の鈴木梨央、駒形由美役の伶美うららの鼎談をお届けする。

エネルギッシュで温かな稽古場

――皆さんが演じる役について、現時点でどのように思われているかお聞かせください。
井頭「私が演じる神谷薫は、明るくて真っ直ぐな性格で、すごく負けず嫌いな部分と、剣心に恋している時のかわいらしさを持った人です。剣心とわかり合っていて、たとえば「好き」という言葉がなくても繋がっているような空気感があります。剣心の薫を想う気持ちが物語を動かすところもあるので、そういう存在として薫像をつくっていきたいです」

鈴木「私が演じる巻町操は、天真爛漫で素直で、言葉で伝えることは少し不器用だったりもする女の子です。操ちゃんの、周りの人を支えたり寄り添うことができる部分は素敵だし、蒼紫さま(四乃森蒼紫)への強い気持ちやピュアな恋心はとてもかわいいなと思うので、そこの気持ちも忘れずに稽古しています」

伶美「私が演じる駒形由美は、志々雄真実に添い遂げる人です。常に志々雄のそばから離れず、誰よりも志々雄を理解している存在なので、そういうふたりの距離感だったり、わかり合っている雰囲気、空気感は大事にしていきたいなと思っています。今回の「京都編」では由美の生き様も表現できると思うので、そこも大切に演じたいです」

――井頭さんは舞台出演自体が初めてですが、お稽古が始まっていかがですか?
井頭「いや~もう緊張しまくっていて(笑)」

鈴木「そんなふうには全然見えないです!」

井頭「薫の負けん気のようなものは自分の中にもあると思うので、最初の読み合わせの日は「気持ちだけは負けないように」という意気込みで向かいました(笑)。でも皆さんすごく温かい方ばかりなので楽しいです。稽古の中で、文字がどんどん立体化されて、登場人物たちが生きている感じがして、だんだん実感が湧いてきて……今は「もっとやってやるぞ」という気持ちでいます。」

――鈴木さんも舞台は2作目ですし、ミュージカル初挑戦ですよね。
鈴木「はい。やっぱり舞台の表現は映像の表現とも違う部分があるので、そこは改めて学ばせていただいています。お稽古が始まって一週間ちょっと経ちますが、皆さんの凄まじいパワーと熱量が素敵で、役ももう掴んでいらっしゃるなと感じていて。自分が足を引っ張らないように必死になってついていくしかない!という気持ちです」

伶美「本当に皆さんすごくエネルギッシュですよね。最低限の人数で稽古できるようにスケジュールが組まれているので、自分が参加しない稽古の様子は映像で共有されているのですが、その映像からでも伝わるエネルギーがあるんですよ。その中でも若い二人(井頭・鈴木)が生き生きしているのを感じていますよ。はつらつとしたエネルギーに、自分自身が宝塚歌劇団で初舞台を踏んだ時の真っ直ぐでピュアな気持ちを思い出しました」

――皆さんの役はパートナーとの関係性が大切に描かれますので、相手役の方の印象もうかがいたいのですが、まずは井頭さん、剣心役の小池徹平さんの印象をお聞かせください。
井頭「小池徹平さんは同じ大阪出身で、実は地元も近いんです。だからはじめから親近感を持てましたし、稽古場で関西弁で話しかけてくださるのでリラックスできます。今作は、剣心と薫が1年くらい一緒に過ごした頃から始まるお話なので、稽古でふたりの関係性もつくっていけたらと思っています。」

――鈴木さんは、蒼紫役の松下優也さんとお話しされましたか?
鈴木「実はまだ稽古場でほとんどお会いできていないんです。稽古初日にご挨拶させていただきましたが、お話しできていなくて……」

井頭・伶美「(笑)」

――松下さんは人見知りだとおっしゃっていました(笑)。
鈴木「そうなんですね。私もすごく人見知りです」

井頭「これからだよ!」

鈴木「まだ始まったばかりですし、これから徐々に打ち解けていけたらなって思います」

――伶美さん、志々雄役の黒羽麻璃央さんの印象はいかがですか?
伶美「お稽古場でもマスクをされていますし、役衣裳でも包帯姿なので、どんな表情をされているか知る機会が少ないのですが、それでもわかる、目のギラッとした感じ、存在感、ドンとした雰囲気、そして声の質が素晴らしいなと感じています。由美は志々雄に添い遂げる存在ですから、私自身も高めていきたいと思わせていただいています」

――演出の小池修一郎先生にはどんな印象がありますか?
井頭「まだ一対一でしっかりとお話をさせていただいたことはないのですが、すごく愛がある方だと感じています。未熟者の私にも時間を割いてくださって、例えば歌う時の口のカタチだったり基本的なことから親身になって教えてくださるんですよ。私は強いガラスのハートを持って、期待に応えられるようにがんばりたいです」

――強いけどガラスのハートなんですね(笑)。
井頭「強いけど実はガラスです(笑)。強化ガラスになろうと思っています!」

一同「(笑)」

鈴木「稽古場では、小池先生が一番稽古を楽しんでいらっしゃるような雰囲気があります。だからこそ、そのパワーに負けないくらいのパワーを持って稽古に臨んでいます。グッと一歩踏み出してがんばりたいです。

伶美「私は小池先生とは、宝塚歌劇団時代に何作かご一緒させていただいているのですが、当時と変わらず、すごくお稽古してくださる先生だと感じています。台詞があってもなくても、そのシーンにいる一人一人の動きと全体の動きをしっかり見て下さり、細かく演出をつけてくださるので、そこにしっかりついていくために、ガッツを持って稽古に挑みたいです」

――皆さんがこの作品で楽しみにしていることを教えてください。
鈴木「私は純粋に、IHIステージアラウンド東京の、あの舞台の上で動くことが本当に楽しみです。どんな風にして客席が動いて、自分自身も動くのか。わくわくしています。これから開幕するまでに、作品に携わる皆さんとの絆や団結力をさらに強めていって、素晴らしい作品にできるように全力を尽くしたいです!」

伶美「登場するキャラクターが皆さん個性豊かなので、そういうキャラクターたちがズラッと揃って、作り込まれたセットの中に立っているのを想像するだけでもワクワクします。その世界に自分も入り込めることが楽しみですし、皆さんの姿を見て自分がどんな風に感じるのか、楽しみにしています」

井頭「劇中に剣心と薫の楽曲があるんですけど、そこにふたりの想いがすごく乗っているので、とても楽しみにしています。観てくださった方が『よかったな』とか『あのふたりってわかちあってるよね』と感じられるお芝居や歌が届けられるようにがんばりたいです。皆さんぜひ劇場にお越しください!」

インタビュー・文/中川實穗
写真/山口真由子