日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022 NHKみんなのうたミュージカル「リトル・ゾンビガール」髙橋ひかるインタビュー

日生劇場とNHKエンタープライズ、東宝がお届けするオリジナル・ミュージカル、NHKみんなのうたミュージカル「リトル・ゾンビガール」が2022年8月に上演される。別の場所で別々に暮らしていたゾンビの女の子と人間の男の子。2人が出会い、仲良くなっていく中、人間とゾンビの対立は深くなっていき――。ゾンビの女の子・ノノを髙橋ひかると熊谷彩春が、人間の男の子・ショウを石井杏奈と伊藤理々杏(乃木坂46)が、それぞれダブルキャストで演じる。本作でミュージカルに初挑戦する髙橋は、どのように作品に挑むのか。話を聞いた。

――まずは出演が決まったとき、どんなお気持ちでしたか?

私にとって、ミュージカルって縁遠いものだって勝手に思っていたんです。 歌もダンスも好きだけど、レッスンしてきたわけではなくて。だから、完全に観る側だと思っていたので、こうしてお声かけいただいて嬉しかった半面、すごく不安も大きかったです。すぐマネージャーに「大丈夫ですか?」って聞いちゃいましたもん(笑)。先日の歌唱発表の際も、直前まで本当に不安でした。稽古はまだなんですが、ボイストレーニングはさせていただいていて、先生と話し合いながら頑張っています。

ミュージカル自体にはすごく興味もありましたし、憧れもありました。だから、お話をいただいたときはすごく嬉しくて、でもそのすぐ後にそれを上回る不安が押し寄せてきました。こんなに貴重な機会をいただいたので、しっかりとつかみ取りたいというか、みなさんに素敵なミュージカルをお届けできるよう、準備しています。

――憧れが大きかったからこそ、不安も感じてしまったのかも知れないですね。演じる役どころはどんな印象ですか?

ノノちゃんというゾンビの女の子なんですけど、すごくまっすぐな少女です。いつも天真爛漫で思ったことをすぐに言葉にしちゃうような行動力もあって、元気いっぱいな理想的な女の子ですね。だからこそ、喜怒哀楽もすごく激しいし、まっすぐさや素直さがあるからこそ、引っ込み思案な子や周りの大人たちの心を溶かしていける。そんなノノちゃんの天真爛漫さを、舞台中を駆け巡って共有できたらなと思っています。

今回の舞台は、セットもすごく明るくてキラキラしたものになるって聞いているので、そのセットを思う存分走り回って、子どもに戻ったような気持ちでお芝居できたらと思います。

――今回は熊谷彩春さんとのダブルキャストですね。

ダブルキャストということ自体が初めてなので、熊谷さんとコミュニケーションを取りつつ…でも演じたときにはきっと違う良さが出るんじゃないかなと。2人で話し合いながら、ノノちゃんにについて深めていけたらと思っています。物語を突き動かしていく存在がノノちゃんなので、そのキーポイントとなる存在がちょっと違う表現になったら、物語自体も違って見え方になるかもしれない。私が演じるノノも、熊谷さんが演じるノノも、それぞれにいいよねって、違うものが見つけられたら。そういう表現にもチャレンジできたらな、と思いますね。

もちろん、大切なところや主軸は変えず、それでもちょっとした動きや表現の仕方はどんどん変わっていくんじゃないかな。そういうアクセントや個性をつけられたらいいなと思います。

――共演の方々の印象はいかがですか

もう、コング桑田さんが親方!っていう感じです。本当にみなさんをまとめてくださるし、力強く鼓舞してくださる。本当にカッコよかったですね。歌唱発表の日、舞台裏でみんな緊張していたんですよ。そんな中で、コングさんが「大丈夫、大丈夫」と安心させてくれて、「俺、もうカンペ見ちゃうよ?」って冗談も言ってくれて、みんなを和ませてくれました。

そのほかのみなさんも、本当に歌うことが大好きなんだなと感じました。歌唱披露の前にみんなで合わせて歌ったんですけど、表情から大好きな気持ちがすごく伝わってきたので、みなさんとなら楽しい舞台ができそうだなと思いました。私自身、みなさんを見ていてすでに楽しい気持ちになっていますから、来てくださったお客さんも笑顔になってくれるはずだと思いながら歌いました。

――このミュージカルはNHK「みんなのうた」の楽曲がたくさん登場します。「みんなのうた」にまつわる思い出のエピソードなどはありますか?

「WAになっておどろう~イレ アイエ~」とか、これも「みんなのうた」だったんだ!って驚いた歌もあったんですが、もともと「みんなのうた」は大好きで、お母さんと一緒に聴いていました。中でも「しあわせだいふく」という歌がすごく好きで、ずっと歌っていましたね。中学生とかになってからもふとした時に口ずさんでしまうくらい(笑)。「みんなのうた」は、つい口ずさんでしまうようなメロディの温かさがあって、そういうところがすごく好きです。

来てくださるお客さんは、親子だったりいろいろな世代の方がいらっしゃると思うんですけど、世代を超えて愛される歌として、バトンを渡すような舞台になったらと思います。お母さんが好きだった歌が、お子さんにも受け継がれるような、そんな舞台にしたいですね。

――稽古や本番のステージについて、今、楽しみにしていることは?

私、セットがだんだんと出来上がっていくところとか、そういうのをまだ経験したことがないんです。そういうところも楽しみですし、大きな会場なのでバンドの演奏とかがどんなふうに会場に響き渡るんだろう、とか、本当に何もかもが楽しみです。今回のお話をいただいたときに、日生劇場にお邪魔させていただいたんですけど、天井に貝殻がたくさん貼ってあって、きっと照明でこの貝殻が反射してキラキラした景色が見えるんじゃないかな、とか想像して。きっと、今回初めて舞台を観る子もきっといると思うので、そういう子たちにすごくワクワクした体験をしてもらいたいです。そして、そんな子が自分も舞台に立ってみたいとか、歌を歌いたいとか、そういう楽しい気持ちを共有できたらいいですね。

――現在、ドラマ「村井の恋」では高校教師の田中彩乃を熱演されていますが、映像での演技と舞台での演技はどのように違うと思いますか?

ドラマは同じシーンをやったとしても、2時間とか、短い時は30分とかで終わってしまうシーンもあるんです。映像のお仕事では、画面越しに見たときにどんなふうに見えるんだろう?とかを考えたり工夫したりするのがとても楽しいですし、そこが難しい部分だったりもするんですが、編集や音楽で、実際にお芝居したときのものが映像になった時に違ったニュアンスが入ってきたりもするんです。そこはすごくワクワクします。

そして、舞台は何度も何度も繰り返しを重ねて、作り上げていきます。そういう調整を重ねていくものなんじゃないか、と今は思っています。舞台って、どこを見られているかもわからないじゃないですか。舞台の端から端まで、どこを見ていただいても楽しんでもらえるように、濃度の濃い舞台にしたいです。セットも結構立体的に作られると聞いていますし、歌だけじゃなくダンスとか、そういうところも楽しんで欲しいですね。

いろいろな方から、映像と舞台は全然違うよ!っていう話を聞くんですよ。でも、どっちも楽しいから、絶対に舞台はやったほうがいい、やってほしいって結構言われてきたので、みなさんが言っていた舞台の楽しさを経験できるのがすごく楽しみです。

先日、公開されていた「あの夜を覚えてる」は、ちょうど映像と舞台を組み合わせたような作品だったんです。そこまで多く稽古をしたわけではないんですが、ちょっと舞台っぽいところもあって。今度、ミュージカルをやらせていただくんです、と話したら、勉強になるかもね、と言って頂いて、みなさんと一緒に同じものを作り上げていく感覚を味あわせていただきました。ドラマとはまた違った感覚でしたね。

舞台は、期間も長くなるので演者の距離もグッと近くなる。それも良さだと思うので、チームワークをしっかり作り上げていきたいです!

――ドラマに舞台にとお忙しい中ですが、生活の中で大切にしている時間やルーティンはありますか?

友人や家族と話す時間はすごく大切にしています。特に友人とは、コロナ禍になってからずっと会えていなくて、電話やゲームのボイスチャットでの声の交流をよくしていますね。最近のことを話したり、そうでなくとも声を聞くだけですごく安心します。そういう時間があると、明日も頑張ろうって思えますね。ゲームは時間があれば、夕方から翌朝とか翌日の昼くらいまでやることもあります(笑)。気が付いたら、あっという間に時間が過ぎてしまいますね。でも最近はできていないので、久しぶりにやりたいです。

あと、最近ルームフレグランスを部屋に導入したんです。今までは使っていなかったんですが、部屋によって香りを変えたりして楽しんでいます。フルーツの香りが好きですね。今はイチゴの香りにハマっていて、それを使っています。

――友達や家族との何気ない会話や素敵な香りが日々の癒しと活力になっているんですね。最後に、公演を楽しみにしている方にメッセージをお願いします!

私は、仕事以外ではすごくインドアなので、今回の公演でいろいろな地方に行くことができるのもすごく楽しみです。やっぱり地元の方が多くいらっしゃると思うので、地域性とかお客さんから感じ取れたら楽しそうだな、と思っています。もちろんその土地の食べ物や、時間があれば名所とかその土地ならではのものを感じられたらいいですね。

残念ながら、最近は暗い話題もあるし、悲しい話題もあります。「リトル・ゾンビガール」がそんな世の中に少しでも光を与えてくれるようなものになれたら。そして、“正しい”ってなんだろうということを考えさせてくれるような舞台でもあるので、お子さまから大人まで幅広い世代の方に来ていただいて、「お母さんはこう思うよ」とか、みんなで考えるきっかけになればと思います。 もちろん、考えるだけじゃなくて、ワクワクしてとにかく笑顔になれる舞台なので、みなさんに少しでも楽しい時間、笑顔になれる時間をお届けしたいです!

TBS『村井の恋』紹介

髙橋ひかるがTBSドラマ初主演!
電子コミックサービス「LINEマンガ」限定レーベル「ジーンLINE」にて好評連載中で「次にくるマンガ大賞2019」Webマンガ部門で2位に輝いた同名漫画を原作とする実写化ドラマ『村井の恋』。
主人公の教師・田中をTBSドラマ初主演となる髙橋ひかるが演じます!
詳しくは番組公式HPまで。
https://www.tbs.co.jp/murainokoi_tbs/

[タイトル]ドラマストリーム『村井の恋』
[放送・配信日時]TBS系 毎週火曜深夜24:58~25:28(一部地域を除く)
「Paravi」「U-NEXT」にて地上波放送の一週間前、毎週火曜正午に先行有料配信
(地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」「GYAO!」にて無料1週間見逃し配信)