2020年7月に上演予定だったミュージカル『四月は君の嘘』は開幕目前で全公演中止に。その悔しさを晴らすべく、メインキャスト6名全員が再集結し、ついに5月7日からは東京・日生劇場にて幕を開けた!6月からは群馬・愛知・兵庫・富山での公演を経て、7月1日~3日には福岡・博多座でも上演。博多の地で大千穐楽を迎える!
原作は新川直司が講談社「月刊少年マガジン」にて連載(全11巻)し、2012年度マンガ大賞ノミネート、2013年講談社漫画賞少年部門受賞、その後、フジテレビ「ノイタミナ」枠にてTVアニメ化、さらには実写映画としても大ヒットを記録するなど多くの人を惹きつけてやまない傑作コミック。青春ラブストーリーでありながら、音楽に引き合わされた若き音楽家の卵たちが、大切な人との出会いと別れを通してその才能を開花させていく、普遍的な人間愛と音楽の魅力が詰め込まれた名作だ。
出演には、ミュージカル界の将来を担う若き才能が集結!
神童・有馬公生をWキャストで演じるのは、小関裕太と木村達成。主人公の公生に影響を与える同じ年のヴァイオリニスト宮園かをり役には、昨年末、乃木坂46を卒業し今や日本ミュージカル界にかかせない存在となっている生田絵梨花。同じくあらゆるミュージカル作品で活躍をみせている唯月ふうかが澤部椿役で登場。他にも公生の友人で宮園かをりが思いを寄せる同級生・渡亮太役にはWキャストで水田航生と寺西拓人らが顔をそろえ、2022年初夏に相応しい爽やかな風を届ける。
東京での開幕を控えた4月某日、生田絵梨花を直撃!本作への思い、先日のキャスト座談会では語られなかった地方公演での意外な話や、好評につき7月1日に追加公演も決定した博多座公演への思いも語ってくれた。
ーー開幕直前(取材時)、今のお気持ちは?
2年前に、上演したかったとずっと思っていたので、念願叶ったという気持ちを嚙みしめながら稽古をしています。本番、お客様が目の前にいることでこの作品のエネルギーは何倍にも膨れ上がるだろうなと思ってワクワクしています。
ーー公演中止から2年、準備してきたことは?
私はヴァイオリンを弾くシーンがあるので、最初はレンタルのヴァイオリンで稽古をしていましたが、ついにマイ・ヴァイオリンを買いました!自宅にもありますけど、ピアノは持ち運び出来ないですが、ヴァイオリンは持ち運びできるし、それを練習も本番でも使えるので、愛着がわいてきたから買ってしまいました。ヴァイオリン弾くのって、とっても難しいんです。角度を間違えるだけで音がちゃんと出なかったりするので、そういう意味では、練習をする時間がとれたのはよかったかなと思います。演じている(宮園)かをりちゃんは、正確に弾くというよりは自由に、音楽を自分のものにして演奏するタイプなので、全身を使って演奏するというのがポイントで、そのあたりも難しく感じています。
ーー本作の見どころは?
とにかくワイルドホーンさんの音楽が素晴らしいんです!コンクールのシーンではクラシック曲から自然と楽曲に繋がっていくのですが、ジャンルの異なる楽曲とが入り混じっていく感じは聴きどころであり、そこの場面は見どころの一つですね。登場人物の心情や、ストーリーと楽曲の科学反応はとっても楽しんで頂けるんじゃないかなと思いますね。
ーー演じられる‟宮園かをり”について
自由奔放でいろんな人を巻き込んでいくようなキャラクターですが、自分の中で抱え込んでいたり、強い意志を持って輝いていたりする面があるんです。彼女の繊細なところを大事にしながら演じられたらいいなと。笑顔が印象的な子だと思うんですが、ただ楽しいから・明るい子だから笑っている・・・というのではなく、根底にある弱い部分・痛みなどとの気持ちの引っ張り合い…というところを大切にしています。
ーーおススメの場面は?
全部が見どころなんですが、一つあげるとしたら・・・音楽番組でも披露したことがある“♪speed of sound”という楽曲を歌っている場面でしょうか。漫画やアニメでいうと、公生君とかをりちゃんがコンクルールの会場に行くのに「急げ~!」って言いながら自転車で二人乗りしていく場面なんです。原作の中でも印象的な場面なので、「出た!あのシーンだ!!」って喜んで反応してもらえたらいいな~って思います。
ーー主人公・有馬公生をWキャストで演じらる小関裕太さんと木村達成さんについては?
小関さんも木村さんも全然タイプが違うんですが、二人とも「あ!有馬公生だな」と思えるところをお持ちで、その違いを見つけていただけたらおもしろいと思います。ぜひ見比べて欲しいですね。
ーー7月は博多座で千穐楽を迎えられますが、地方公演に行く時に持参するものってありますか?
小さな炊飯器を持っていきます。公演中はちゃんと食べないと身体がしぼんでいっちゃうタイプなので、意識して食べるようにしていて。特にコロナ禍では感染対策で外出ができないので、『レ・ミゼラブル』の時は鍋を持っていって楽屋でしゃぶしゃぶしたりしていました(笑)。
ーーでは、今回の博多座自炊プランはありますか?(笑)
博多だと水炊きですね。お米とお肉と野菜バランスを意識していつも食べているので、ぴったりです。
ーー博多座公演、楽しみなことは?
親戚が鹿児島にいるので、いつも博多公演は観に来てくれるんです。コロナ禍でなかなか会えないので、今回も来てくれたらうれしいなと思っています。
ーー最後に、博多座に来られるお客さまにメッセージを頂けますか?
私たちも博多座で公演が出来ることが嬉しいです。博多座はすごくいい劇場なので、お客さまにとっても、いい距離感・音響で見て頂けると思います。博多の地で最後まで走り抜けられることを楽しみに劇場で待っとるよ~(笑)。
撮影:岩村美佳