悲劇の政治家・ホワイトリーがついに登場!
ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.4 -犯人は二人-が上演される。平等な社会の実現を目指す若手議員・ホワイトリーを演じるのは、新キャストの川原一馬。ワトソン役の鎌苅健太とは15年以上の仲となる。
鎌苅 「出会った頃の一馬は本当に可愛くて。それが今では立派な役者さん。ホワイトリーを一馬が演じると聞いて、プロデューサーさんと『間違いないね』と話したのを覚えています」
川原 「ケンケンさんは僕の中でお兄さん。出会った頃はそれこそ本当に弟みたいに可愛がってもらって。そこから僕も年齢を重ねて、お酒も飲めるようになって、同じ役者同士として芝居の話ができるようになったのが感慨深かったですね。原作も以前から知っていて、すごく面白い漫画だと思っていたので、自分がその世界に入れることが本当に嬉しいです」
その清廉潔白な人間性から「白い騎士」と親しまれたホワイトリー。だが、ミルヴァートンの策略によって追いつめられていく。
川原 「ホワイトリーの葛藤が原作でもしっかりと描かれているので、そこはすごく演じやすいんじゃないかなと思っています。僕、悲惨な役をやることが結構多くて(笑)。カロリーを使う芝居をやるのは大好き。自分がどこまで舞台上で生ききれるのかをテーマに置きつつ、自己中心的な表現にならないようバランスに気をつけて演じたいです」
鎌苅 「一馬のエネルギーを発する芝居は僕も大好き。演劇「ハイキュー!!」のときも一馬が演じた縁下力の『サッ、来ォォオい!!!』というシーンが忘れられなくて。僕はDVDで観たんですけど、画面から圧されるような感覚を味わいました。ホワイトリーのあの場面は、物語としても大きく動く箇所。どう演じるのか楽しみです」
一方、ワトソンはシャーロックとの絆がこれまで以上に色濃く描かれることとなる。
鎌苅 「今までシャーロックとウィリアムの関係性に焦点が当てられることが多かったので、そのたびに実はヤキモチを焼いていました( 笑) 。今回のエピソードに向けて、シャーロックとの関係性を積み上げてきたと思っているので、(平野)良と2人作り上げてきたものの一つの集大成を見せられたら」
心通じ合うバディ的な絆も本作の見どころ。では、2人の相棒といえば?
鎌苅 「僕はビリヤードですね。もう20年近くやってるんですけど、去年からビリヤードとの向き合い方を改めて、フォームから何から全部見直したんです。めっちゃしんどかったけど、そうやって自分の技術を磨くためにとことん向き合った経験は歌や芝居にもつながる気がして。一見別々のものですけど、点と点が線になるように、一生懸命やったすべてのことが役者としての自分を豊かにしてくれるんだなと実感しました」
川原 「僕は昔飼っていた犬ですね。本当に大好きだったので、もう相棒と聞いたらその子しか浮かばないです」
鎌苅 「へえ。名前は何て言うの?」
川原 「ジョンです」
鎌苅 「え! 僕の役名、ジョン・H・ワトソンだから一緒じゃん。シャーロックがいつも僕のことを『ジョン』と呼ぶから、じゃあそのたびに思い出してください(笑)」
インタビュー&文/横川良明
Photo/中田智章
※構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
鎌苅健太(写真左)
■ カマカリ ケンタ
’84年生まれ。大阪府出身。アニメ『僕のヒーローアカデミア』でエッジショットのCVを務める。2021年よりTVK「猫のひたいほどワイド」の火曜メインMCを務めている。
川原一馬(写真右)
■カワハラ カズマ
’90年生まれ。静岡県出身。近作にミュージカル『シンデレラストーリー』、ミュージカル『りんご』など。