8月19日(土)一般発売開始!宝塚歌劇星組公演 ミュージカル『ME AND MY GIRL』│水美舞斗×暁千星×舞空瞳 福岡合同取材会レポート

客席全体をハッピーな気分で包む、ミュージカルの大作『ME AND MY GIRL』が星組による上演で博多座に帰ってくる。今回は専科の水美舞斗と星組の暁千星がビルとジョン卿を役替わりで演じ、ヒロインのサリーを星組トップ娘役の舞空瞳が務める。この3名がそろっての共演は博多座が初めてということで、期待が高まる中、公演を前に3人が福岡で取材会を行った。

ーーまずは今回の博多座の出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください

水美 今年の4月末に専科に異動になってから初めての出演となります。星組の皆さんと一緒に出演させていただけることが何よりも嬉しくて、ワクワクと少し不安な気持ちもありますが、頼もしい2人と一緒にお仕事させていただけること、本当に嬉しく思っております。 また、博多座に出演させていただくことは昔からの憧れで、親戚が福岡におりまして、以前からよく来ていて大好きな街なのでとても嬉しいです。

 博多座には月組の時に、2度出演させていただきましたが、本当に住みたいって思うぐらい、福岡が大好きになりました。皆さんの温かさや、おいしいご飯も楽しみにしています。専科の水美さんとは、まさかこんなに早く共演させていただけるとは思ってもみなかったので、ご一緒できるのはとても嬉しいです。

舞空 私は初めて博多座での公演に参加させていただきます。博多座の客席から舞台を観させていただいたこともありますし、4月に全国ツアーで福岡公演に来させていただいたばかりで、私も福岡が大好きなので、この素晴らしい土地で、温かい皆様の元で公演をさせていただけることがすごく嬉しいです。水美さんともまた共演させていただけるご縁が夢のようです。

ーー上演作品が『ME AND MY GIRL』と知った時の心境や、作品、お役への思い入れなどございましたらお教えください

水美 私は2016年の花組の宝塚大劇場公演で『ME AND MY GIRL』に出演させていただき、貴族のジェラルドと、ランベス・クイーンの二役に挑戦させていただきました。巡り巡って今回またこの素晴らしい大作ミュージカルに出演させていただきます。お話を伺った時は驚きが1番大きかったですね。

星組はパワフルなイメージがとても強いので、花組とどのような違いがあるのか、お稽古場で作品を作り上げていく過程も今からとても楽しみです。

 私は2013年に月組に配属されてからの初めての公演が『ME AND MY GIRL』でした。まだ全然舞台経験がなかったので、苦戦したイメージがあって、必死についていくという感じでした。今回、ビルとジョン卿の二役させていただくので、コメディの世界観に自分も浸かって“子ども心”を忘れずにやっていけたらいいなと思ってます。

舞空 『ME AND MY GIRL』は大作ミュージカルですし、 宝塚でも歴史を紡がれてきた作品です。私もファン時代に、何回も何回も見させていただいて、このとびきり明るいハッピーなミュージカルが大好きだったので、出演させていただけることと知り、本当に嬉しかったです。同時にがんばろうという気持ちが湧き上がってきました。

ーー水美さんと暁さんは役替わりがありますが、今の段階でどのようにお稽古をしていこうと考えていらっしゃいますか?

水美 全然違う二役なので、互いにいい刺激や影響をもらったり、あたえたりという関係ができて、自分1人ではできないものを作っていけるんじゃないかなと思っています。

 二役あると以前は不完全燃焼になりがちな部分がありましたが、今回はとにかく、どちらの役も楽しみながら深めていきたいなと思います。役替わりのいいところは、 自分にないアイデアや発想を、自分と同じ役を演じる方から、たくさん見て学べるところです。今回は水美さんからたくさん学ばせていただきたいと思ってます。

ーー長年愛されているこのミュージカルの魅力を、どのように感じていらっしゃいますか。好きなシーンがあれば教えてください

水美 すごくハートフルな作品だというのは、観ていても、実際に舞台で演じてもすごく感じますし、お客様が本当に笑顔で楽しんでくださっている様子が舞台上からも分かるので、とても嬉しいです。1幕のラストでは“客席降り”もこの作品の魅力だと思います。

 観た後に思わず劇中のナンバーを口ずさみたくなってしまうところこそ、この作品の魅力だと思います。 私は特にあの幻想の2幕の場面が大好きなんです。ビルがサリーの面影を見て歌う場面では、ハッピーなビルの一面が見えてきたところに切ない面が重なって見える…。そこがビルの魅力でもあると思うので、あの場面がとても好きです。

舞空 愛が溢れている作品だと思います。皆さんがいい人というか、人間味に溢れるところがすごく素敵な作品だなと思います。好きなシーンはたくさんあるので、1つあげるのは難しいのですが、最初のビルとサリーの主題歌の場面でお屋敷の皆さんが歌うコメディのナンバーが大好きです。

ーー役を演じるにあたって、それぞれどういうところを意識しようと考えていらっしゃいますか?

水美 ビルはサリーを一途に思い続けられる愛情深さ、男気がすごくあります。本作はビルの成長物語でもあるので、下町からお屋敷にやってきた彼がマリア叔母さまから教育を受けて立派な紳士になっていく…この姿を自分にも重ね合わせて、自分自身も成長出来たらと思っています。一方、ジョン卿には元々紳士的な面があり、そこはビルと大きく異なる点。いかにダンディな英国紳士を演じられるか、演じ分けを意識したいです。

『ME AND MY GIRL』という作品には明るさの中に少し寂しさや憂いがあるので、そのあたりも表現出来たらいいなと思っています。

 サリーに対する一途な愛がビルにとっての大きな存在だと思うので、そこを大切に演じていきたいです。遊び心を忘れないというか、子供っぽさではないですが、自由な感覚を持っている役だなと感じているので、自分の持っている感性に蓋をせず、色々と飛び出させていけたらいいなと思っています。ジョン卿はビルとは違い、ダンディさがあるので、男役として成長できる部分になるかなと思っています。

舞空 サリーは明るい笑顔とまっすぐにビルを思う心をもった人物です。今までサリーを演じてこられた素晴らしい娘役の上級生の皆様を見てきて、そう思い描いてきました。いざ挑戦するとなると、きっと様々な壁が立ちはだかると思いますが、ビルと一緒に何でもやってみようという、サリーの飛び込んでいく勇気を自分自身に重ね合わせながら、私も思いっきり役に飛び込んでいきたいと思います。水美さんと暁さんそれぞれが作りあげるビルと、それぞれの皆様の気持ちを全身で感じながら、一緒に“役”を生きていきたいなと思います。

ーー福岡で行ってみたいところはありますか?

水美 実は宝塚歌劇の受験前に太宰府天満宮で合格祈願をしました。そのお礼参りにいきたいです。名物の梅ヶ枝餅も楽しみです。

 私は宗像大社がすごく好きです。初めて行った時に気持ちが落ち着く場所だなと感じましたので、また行きたいです。

舞空 行きたいところ…(ふたりに)ご一緒してもいいですか?(笑)。私は花組の全国ツアーで福岡に来させていただいた時に、人生初めてのもつ鍋を食べて大感動しました。またいただけたらいいなと思っています。

ーー最後に九州や全国からお越しになるお客様にメッセージを

水美 私も待ちに待った博多座での公演に出演させていただけること、このような機会をいただきましたことを光栄に思っております。精一杯、星組の皆さんと一緒に取り組んでより良い舞台をお客様にお楽しみいただけますように、お稽古を務めてまいります。客席でお会いできたら嬉しいです。

 大好きな博多座に立たせていただけることを本当に嬉しく思います。 大作に挑戦させていただき、そして、役替わりへの挑戦もありますが自分自身、成長できるように、頑張ってお稽古を重ねてまいりたいと思います。皆さんも楽しみにしてくださると嬉しいです。

舞空 博多座でこのような大作ミュージカルに挑戦させていただけること、本当に心から光栄に思っております。これから精一杯お稽古に励んでまいりますので、たくさんの方に喜んでいただける舞台になることを、心から願っています。

ーーありがとうございました

取材・文・撮影/山本陽子