【観劇レポート】宝塚歌劇 宙組公演 本朝妖綺譚-『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』/ミュージカル・プレイ『異人たちのルネサンス』—ダ・ヴィンチが描いた記憶—

10/5(金) 宙組20周年の締めくくりとなる公演、宝塚歌劇 宙組公演 本朝妖綺譚-『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』/ミュージカル・プレイ『異人たちのルネサンス』—ダ・ヴィンチが描いた記憶—が兵庫県・宝塚大劇場で開幕した。

第一幕『白鷺の城』は、千年に亘って転生を繰り返しながら、争い、そして魅かれ合う陰陽師・安倍泰成と妖狐・玉藻前の宿縁を、時に雅やかに、時に妖しく描く、宙組初の日本物レヴュー作品。

涼やかな目元と立ち姿。日本物の舞台化粧が映える真風涼帆が演じる凛々しく美しい陰陽師は、中国王朝時代、平安時代、戦国時代、江戸時代と、幾度も転生しながら妖狐との邂逅を繰り返す。束帯や戦国武将の甲冑等、それぞれの時代にあわせて移り変わる衣装も見どころだ。

一つ一つの場面で、安倍泰成と玉藻前の争い魅かれあう姿が艶やかに描かれ、千年の宿縁の物語が紡がれていく。

 

第二幕、『異人たちのルネサンス』は、その生涯に多くの謎を残すレオナルド・ダ・ヴィンチの創作の源が、ある女性への愛であったと仮定し、若きレオナルドと彼を取り巻く人々との愛憎を描くオリジナルミュージカル。

ルネサンス芸術を花開かせた時の統治者ロレンツォ・デ・メディチに創作を依頼されながらも、気ままな日々を送っていたレオナルド・ダ・ヴィンチ。かつて、同じ庶子という境遇から寂しさを分かち合った幼馴染のカテリーナが、ロレンツォの愛人と知り…。

 

猪突猛進な所はあるが、真っ直ぐに芸術を愛し、仲間を愛し、自由を愛する若きレオナルドを真風涼帆が、レオナルドと再会したことで、どこか浮世離れした“天使”のような雰囲気を纏った女性から、彼を愛する強い意志を持った女性へと変化を遂げるカテリーナを、星風まどかが演じる。

真風涼帆が先頭に立ち、娘役を率いて踊るフィナーレの群舞は、普段の宝塚とは一味違う大胆で個性的な振付が印象的だ。艶やかな日本物レヴュー、ドラマチックなお芝居、華やかなフィナーレと、様々な側面から宙組の魅力を感じることが出来る公演となっている。

兵庫公演は11/5(月)まで兵庫県・宝塚大劇場にて上演中。東京公演は11/23(金・祝)から12/24(月・休)まで東京宝塚劇場にて上演される。