左から YUKA・原田優一・愛加あゆ・田村良太
原田優一が構成、演出、出演の3役を兼ねる、一風変わったミュージカルレビュー『KAKAI 歌会』。2013年の初演以降、じわじわと人気を集め、来年2月には4度目の公演となる『KAKAI歌会2019』を行う。そこで原田に加え音楽監督のYUKA、今回が初参加となる愛加あゆ、田村良太の4人に話を聞いた。
――まずは『KAKAI歌会』のコンセプトから教えていただけますか。
原田「立ち上げの段階では、ミュージカル俳優たちがそれぞれの代表作や思い入れのある楽曲を歌う、という企画だったんです。でもそれがだんだん、笑えるところや面白みのあるところが売りになってきてしまって(笑)。“大人の音楽遊び”というテーマのもと、ミュージカルの王道のナンバーだけでなく、時にはCMソングのメドレーを歌ったり。欲張りなメンバーが多かったせいか、かなりバラエティ色の強い公演になったと思います」
YUKA「会ごとにまったく違う面白さがありますからね。毎回新たなバラエティ色が生まれていると思います」――初参加のおふたりは、出演が決まっての心境は?
愛加「いろいろ噂には聞いていたんですが(笑)、観るとやっぱり普通ではないコンサートなんですよね。でもその根底にはミュージカル愛が溢れていて、ゲストの方それぞれの個性をしっかり引き出していらっしゃる。自分もそこに参加出来ることはとても楽しみであり、すでに今からドキドキしています」
田村「インパクトはやっぱりすごいですよね。皆さんものすごくふざけているようで、実はクオリティが高い。クオリティの高いバカをやっているというか(笑)。ミュージカルって基本、上品なイメージなんですけど……」原田「これも品はありますよ!」
YUKA「あります、あります(笑)」
田村「そうですよね! ……ってあったかな?(笑) とにかくその独自のテイストが本当に面白いですし、自分も愛加さんと同じく今からドキドキですね」――『KAKAI歌会』では皆さん、普段のミュージカル公演では決してやらないようなことにも挑戦されます。
原田「最初はみんな“やらされてる感”満載なんですよ。でも千秋楽になったら、みんな率先してやっていますから。で、打ち上げの時には『次いつやるの?』って(笑)」
愛加「うわぁ、楽しみ~」
原田「やっぱり合う人とつくるって楽しいですよね。皆さんこちらの提案を面白がってくださいますし、さらにアクセルを踏んでくださる。つうと言えばかあみたいな方がそろっているんです」――音楽監督の立場から、『KAKAI歌会』で大切にされていることは?
YUKA「よく存じ上げている方ばかりなので、皆さんのよさが生きるもので、上品で、歌い甲斐があって、だけどふざけている。私としてはそんなものを目指していきたいなと思っています」
原田「また『KAKAI歌会』はものすごく楽曲数が多いですからね」
YUKA「前回は64曲ありました(笑)」愛加「ひえ~!」
田村「マジですか!?」
原田「しかも今回出演者が最多ですし。皆さんのバランスを見つつ、限られた時間内におさめるには、YUKAさんのアレンジにかかっているんです」
――毎回違った趣向で楽しませてくれる『KAKAI歌会』だけに、今回も期待は膨らみます。
田村「自分はまだまったく画が浮かんでこない状態ではあるんですが、逆にそれが楽しみでもあって。きっと今まで見せたことのない、田村良太の初めての顔をお見せ出来るんじゃないかと思います」
愛加「楽曲だけで魅せていくレビューということで、すごく音楽の力が発揮されるステージになると思います。ミュージカルファンの方はもちろん、初めての方も絶対に楽しんでいただけると思いますし、この素晴らしい皆さんの中で私も精一杯頑張ります!」YUKA「歌の面白さ、音楽の素晴らしさをぜひ感じていただけたらと思います。ふざけてるけどふざけてない(笑)、その絶妙な調理具合を楽しんでください」
原田「今回のメンバーもミュージカルの王道を知っている方ばかり。そんな人たちが邪道をやったらこんなに面白いんだよってところを(笑)、ぜひ味わっていただけたらなと。あと愛加さんが『楽曲だけ』とおっしゃっていましたが、実はある企画を考えていて……」
愛加「おっと!」
原田「今回も皆さんの予想を裏切ったものをお届けしたいと試行錯誤しておりますので、ぜひ楽しみに待っていていただけたらと思います」
取材・文/野上瑠美子