年齢不詳のお茶目なビジュアルとしゃべり出したら皆が思わず笑い出す人気者・小堺一機のライブ『小堺一機トーク&ソング SPECIAL~リハの気分で!~』が、8月14日(水)、15日(木)の二日間、東京・Bunkamura シアターコクーンにて開催される。
昨年4月に東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催した『小堺一機トーク&ソングショーVol.1』は、「テレビでは決して見られない小堺一機が今宵あなたにちょっぴりオトナの歌と笑いを届けます」と題し、大盛況のうちに終了した。
さて、今年の公演では“リハの気分で”リラックスしながら“トーク”と小堺のオリジナル曲や昭和歌謡ヒット、映画音楽などの“ソング”で最高のエンターテインメントを繰り広げるという。
その中身とはいったい!?また“リハの気分で”に込められた思いとは?小堺本人が語ります!
――今回初のシアターコクーンでの開催ですね!
小堺「ええ……大丈夫かな?毎回いつも「大丈夫か?」って思ってますが(笑)」
――前回のライブの時はいかがでしたか?
小堺「1回目のライブではいつもいらっしゃるファンの方も多かったですが、ライブを始めると「ああ、やっぱりそういうのがしたかったのね」って顔されました(笑)あたたかい顔をされていましたね」
――今回は、どんな曲を歌われるんですか?もう少し具体的に聞かせてください!
小堺「昭和の歌って皆が歌える曲が多いじゃないですか?ちゃんと歌うと全部で20曲くらいになるんですが、そうはいかないので、替え歌にしたり、「この人はこんな曲を歌わないでしょ?」という「もしも~」的な歌とかね」
――その時はやはりその人のモノマネをしながら歌うんですか?
小堺「ええ、「モノマネ」というと似ていないって声が上がるのでそこはモノマネです、と言わずにやります。雰囲気でね(笑)」
――今更ですが、お客さんの前で歌ったり、しゃべったりする事って緊張しませんか? 毎日同じ観客ではないわけですから反応も毎日変わりますよね?
小堺「TVで僕の事を覚えてくださった方がほとんどだと思うんですが、僕はやっぱり客前でやることが好きなんです。子供の頃、NHKの合唱団に入った時もホールでお客さんがいらっしゃる前でした。『ぎんざNOW!』でも目の前にお客さんがいたし、「欽どこ」(『欽ちゃんのどこまでやるの』)に出る前は「紅白歌のベストテン」の前説をやっていて、やはりそこにはお客さんがいたんです。生のお客さんが目の前にいる方が緊張もするけれど楽しいんです。お客さんの前だと反応がすぐわかるんですよ。自分が投げた球が「あ、これ好きですね!」「こっちはあまりお好きではないと」って。「最後にお客さんが(ネタの)仕上げをしてくれる」そんな風に思うんです。今もスタッフだけでドラマや番組を作っている時、見ている人の反応が凄く気になるんです。
よく先輩方が話してましたが、自分でがっちりとネタを作りこんでいくもんじゃないって言われましたね。完璧にしていくのならドラマか映画をやればいい。この世界はパッとお客さんに投げてその時生まれるモノのほうが稽古をやるよりすごいモノをいただけるんです。もちろん稽古はちゃんとやった上ですが。また、今日ものすごくいい反応をいただいたので、明日同じようになぞろうとするとダメなんです。緊張もするし、楽しいところですね」
――いい反応をいただけたネタは何度も使いたいでしょうに、そこはそういかないものなんですか?
小堺「人間が持つレーダーって凄いんですよ。どこかで「これ、昨日ウケたんですよ」って顔を演者がしてしまうんですよ。なぞったネタをやってウケなかったとき、「これ、〇☆でやったネタなんですけどね」って言いながらやる演者さんもいますが、あれって本当なんですよ(笑)。演者としては嬉しかったからあの現場をもう一度再現したくてやるんですが、それは今日できるって事ではないんです。だからやる側としてはネタをがっちりキメこまず、稽古するところと、あえて稽古をしない部分……常に「余白」「のりしろ」を持って舞台に立てるように作っておく事とより楽しくなるんですよ」
――“リハの気分で”というのもそんなところからつけたサブタイトルなんでしょうか?
小堺「そうなんです。ちゃんとはやるんですが、以前、市村正親さんからは「いいか、小堺。リハーサルはどこを間違えたかを確認する場所なんだ。だから間違えなかったとホッとするなよ。本番で絶対間違えるから」って言われました。本当なんですよ、これ。だからリハの時に自分の中の「のりしろ」を今日は1㎝にしよう、今日は2㎝くらいとっといたほうがいいかな、って、その日その日のアンテナをお客さんの方に向かって立てながらやっています。
うちの萩本(欽一)が、言うんです。「お客さんの気持ちを言ってあげるとお客さんはそいつを信用する」って。「今日は緊張しているかもしれない」ってドキドキしているのがバレている時にあえて口にしてみるとお客さんが「あ、この人大丈夫」って許してくれたりね。そこを全部隠し通すのではなく、ステージ上で遊べるくらいリハをやって余裕を持ってやるといいよって言うんです。
そうそう「欽どこ!」の話ですが、あれ、1日8時間くらい稽古をするんですが、翌日になると「昨日のはナシ」でまた別の事をやるんです。「欽ちゃん・ブートキャンプ」です(笑)。一度がっちりやっているから、身体の中には入っている。その状態だと本番になって「あ、ここどうしよう」となった時にいちばん役に立つのが昨日までやっていた稽古だったりするんです。もう何を忘れていても口から台詞が出てきますからね」
――共演者の宇佐元恭一さん(ピアノ)と橋本歩さん(チェロ)の存在にも注目ですね。
小堺「宇佐元くんとはもう30年の付き合いになりますね。若い時、文化祭に呼ばれた時は宇佐元君も即興で弾いてくれるし、その場ですぐネタをパスすることができる。橋本さんもクラシック畑の方なので「私こんな事には付き合えないかも」って思われるのかな、と思ってたら、そんな事は全然なく楽しんでくれて嬉しいですね」
――当日はどのような感じで進めていこうとしていますか?
小堺「「トーク&ソング」という事でしゃべりの中に歌が散りばめられているんですが、なるべく「さあ、次はこんな歌謡曲を~」的な目次を言わず、しゃべっているうちにいいところから自然に歌に入るようにしたいと思っています。「次は何を歌うのかな?」「私の予想が当たるかしら」とお客様に思っていただきながら進めていくときっと面白いと思うんです」
――今の時点で見どころはどこになりそうですか?
小堺「あのね、宇佐元くんが曲を飛ばすところ!「皆何を間違えているんです?」って顔しているんですが、君が間違えているんだよ!って(笑)。僕もたまにやるんです。僕も飛ばしたりして「あれ、皆ちゃんとやろうよ」って顔をするんですが、「あなたが間違えているんですよ」って突っ込まれたり。そんな時に橋本さんが非常に冷静に構えているのが見どころです(笑)」