爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』│佐久間麻由&萩田頌豊与 インタビュー

間抜けさと感動が調和すれば最高の作品になる!

俳優の佐久間麻由が立ち上げた企画ソロユニット「爍綽と」。第一弾で劇団アンパサンドの安藤奎を作・演出に招いて注目を集めたこの団体の第二弾公演が2025年1月に上演。劇団・東京にこにこちゃんの萩田頌豊与を迎え、人気作品『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』をリメイクする。

佐久間 第一弾を終えた後に燃え尽きてしまって、演劇から少し距離を置いていたほどだったんです。そんな中、初めて観た東京にこにこちゃんが衝撃的に面白くて、頌豊与さんにお声がけしました。

萩田 僕は安藤奎さんが好きすぎて、面識がない頃に一方的に『ライバルだと思ってます』と伝えたくらい。だから第一弾の安藤さんに続くことができるのは本当に嬉しいことで、ぜひとお答えしました。

『ワンス・アポン~』の再演を希望したのは萩田からだったという。

萩田 僕らはハッピーエンドを謳っている劇団なんですが、実はこの作品は厳密にいうと世間一般のハッピーエンドとは違う。だからこそ、劇団から離れた別の枠組みでこそのびのびと上演できるんじゃないかと。それと、これはロミオとジュリエットをモチーフにした作品なんですが、佐久間さんがジュリエットという役柄にぴったりだと思いました。

佐久間 初演とは違い、キャストの年齢層がバラバラなんです。そのせいか、頌豊与さんは『脚本を99%書き直す』と言っています(笑)。

萩田 僕、これまで再演は一度しかやったことがないんですが、その時に初演ですごくウケた箇所を残したら、全然ウケなかったんです。笑いって気づかないうちに進んでいたり変わっていたりするから、やっぱり書き直さないと。ましてやこのキャストの前でスベりたくないから。

佐久間 今回、笑わせてくれる方が多いですもんね。内田紅多さんは人間横丁というコンビでお笑いをやっている方ですが、絶対に合いそうだなと思って。

萩田 ブルー&スカイさんにも出てもらいますが、僕らの公演を観てくれて『よかった』と言ってくださって、すごく嬉しかったです。絶対に褒めない人だと思っていたから(笑)。

再演とはいえ、今回のキャストにあわせてほとんどを書き直す今作に、萩田は自信を覗かせる。

萩田 間抜けさと感動が調和すれば、最高の作品になります。本当、この作品って超面白いんですよ。めちゃくちゃ自信作です。

佐久間 私が言わなきゃいけないところを本人に言わせてしまってすみません(笑)。今作のファンの方にも、そうじゃない方にも、もちろん観たことがない方にもぜひ見に来ていただきたいです。

インタビュー&文/釣木文恵
Photo/明田川志保

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
佐久間 舞台には初日に合わせて飲み物を贈る文化がありますが、公演後に余ってしまうことも多くて。そのことに気づいてからは、なるべく小屋入りに合わせて送るようになりました。お水を贈られる方が多いので、最近はフルーツジュースやコーヒーといった嗜好品を選ぶようになりました。もらって嬉しい手土産はちょっといい梅干しやフルーツ。疲れているときにしみわたります。

萩田 差し入れって甘いものがどうしても多いんですよね。それもすごくありがたいんですが、そんな中でしょっぱいものをいただくと嬉しいですね。おにぎりをいただいたときはすごく嬉しかったです。

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

萩田頌豊与
■ハギタ ツグトヨ
脚本家。大学在学中に「東京にこにこちゃん」を旗揚げ。作品全てを手がける。

佐久間麻由
■サクマ マユ
映画、舞台などを中心に活躍。企画ソロユニット「爍綽と」をスタートさせた。