舞台写真撮影=宮川舞子
「かもめ」、「三人姉妹」、「ワーニャ伯父さん」
シス・カンパニー+ケラリーノ・サンドロヴィッチが挑んだ
チェーホフ四大戯曲上演シリーズ KERA meets CHEKHOV
遂に最終章『桜の園』の幕が上がった!
帝政ロシア末期を舞台に、没落してゆく貴族社会と人間たちをみつめた悲喜劇を世に遺した劇作家アントン・チェーホフ。
ある者は過去の栄華にしがみつき、ある者は新しい時代を夢見て前へ前へと歩み始める・・・。そんな人々の姿を描き、いつの時代にあっても観る者の心をざわつかせてきたのが、チェーホフ四大戯曲(「かもめ」「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」)。
その四大戯曲に、鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が独自の視点から上演台本と演出を手がけ、真っ向から取り組もうと2013年にスタートしたのが本シリーズ【KERA meets CHEKHOV】である。
それから足かけ11年。いよいよ、その最終章である『桜の園』東京公演が開幕の日を迎えた。
この最終章を彩る俳優陣は、天海祐希、井上芳雄、大原櫻子、荒川良々、池谷のぶえ、峯村リエ、藤田秀世、山中崇、鈴木浩介、緒川たまき、山崎一、浅野和之などの錚々たる顔ぶれ!
KERAと共に、充実の布陣が総力で、シリーズ集大成公演に臨む。
「ロシア文学」「名作古典」と聞いただけで、どこか高尚で暗くて難解な・・・というイメージを抱く方々もまだまだ多いようだが、このシリーズでの上演で、そんな先入観を払拭して、チェーホフが本来戯曲に描いてきた、どこか滑稽なほど愚かしくて、でもそれが愛おしくなってくるような人間たちの姿を、より身近に感じ、楽しんでいただける作品となっている。
開幕に際し、舞台写真、上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ、天海祐希、井上芳雄からのコメントが到着した。
舞台写真
コメント
上演台本・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント
11年かけてSISカンパニーとの共同作業を続けてきたチェーホフ四大戯曲の上演がついに完結する。
掉尾を飾るに相応しい舞台に仕上がってるはず。キャスト、スタッフと共に、そりゃもう、頑張りました。
天国のチェーホフを小躍りさせてみせましょう。
天海祐希 コメント(ラネーフスカヤ夫人)
チェーホフ戯曲を演じるのは初めてです。
以前は、もっと難解で高尚なイメージをもっていたのですが、ここに出てくるのは不完全で愛おしい人ばかり。
大きな時代の流れの中で、誰もが皆一生懸命生きているんだと思うと胸が熱くなります。
それにしても、ご一緒の皆さん、本当にすごいメンバーばかりで、どこを見ても面白いんですよ。
また、KERAさんに演出を受けるのも初めてなのですが、厳しくも優しい方で、毎日が楽しく勉強になることばかりです。
こんな受け取り方や表現の仕方があるんだなと、KERA版「桜の園」を楽しんでいただけたら嬉しいですね。
井上芳雄 コメント(トロフィーモフ)
派手な出来事は描かずに、その前後の状況や人々の変化を描いていくのがチェーホフ戯曲の作風ですが、そこにすべてのドラマがあるという見せ方は、自分にとって大きな発見でした。その周辺に何があるのかを探ることは、芝居でも人間を考える上でも重要だと思います。120年前に書かれた戯曲ですが、世の中のすべての人間のタイプが登場しているのでは、と思うくらい多種多様な人物が出てきます。それがチェーホフが世界中で上演され続けている理由かもしれません。これが喜劇なのか悲劇なのか、観客の皆さんも見終わった後に楽しく思いを巡らせてみてください。