ねじれてほつれて結ぼれてむしろ逆にあかるい
令和のサバイバル・ティーンたちの青春奪還劇
岡本昌也が作・演出を務める演劇作品、キッズ・ノワールシリーズ番外編『心臓グミ』が、来年3月26日(水)~3月31日(月)東京・遊空間がざびぃにて上演されることが決定。その発表に際し、岡本昌也からのコメントも到着した。なお、出演者、チケット詳細などはまた続報で解禁される予定だ。
岡本昌也 コメント
キッズ・ノワールは、暗黒を生きる子どもたちの青春グラフィティです。これまでの作品群では、あくまでも彼らの刹那的な煌めきを描いて、その後の顛末は描かないようにしてきました。大人である私たちはいったいどうすればよかったか?これからどうすればよいのか?をお客様と共に考えたかったからです。しかし、今回の番外編では、暗黒の子どもたちが、刹那的で時に美しさすら内包するズタズタな青春のその後大人になって、何を抱えて生きていくのか?というところまで視点をぐんと伸ばして描いてみたいと思います。題材となるのは「放置子」という社会問題です。公園などで、見ず知らずの大人に過度にかまってもらおうとしたり、友達の家で遅い時間まで帰ろうとせず遊び続けたりする、大人に放置された子どもたちの、その後……幼児性や暴力性をきちんとコントロールする術を知らないまま大人になってしまった者たちが、社会に体当たりしながらどうにか青春を取り戻し、力強く幸せを獲得していく希望の物語になればと思っています。
「キッズ・ノワール」とは?
「キッズ・ノワール」とは、現代を生きる少年少女の心理や感覚をZ世代特有の独特な言語感覚を用いてつぶさに描写する岡本昌也が独自に定義した作品のジャンル。さまざまな「生きづらさ」に晒されながら現代社会をサバイブする少年少女たちの心情をあくまでもリアルスティックに描く。「トー横キッズ」を題材にした第一部、「闇バイト」をモチーフにした第二部に続き、今回の番外編では「放置子」をテーマに元・放置子の成長と里親との複雑な家族像を描く。かつて「社会の鏡」とも言われた演劇、その本来の特性を最大限に生かし、現実が乱反射する、鮮烈な観劇体験を作り出す。