
2025 年2 月21 日(金)~3 月2 日(日)まで新国立劇場 小劇場で上演するMMJ プロデュース公演『しばしとてこそ』。いよいよ本日2月1 日(土)より開始となるチケット一般発売に寄せて、まるで本当の同級生のように笑いの絶えない熱い稽古場から出演キャストのコメントが到着。また、一部の公演回にてアフタートークの実施も決定した。
本作は、「卒業するタイミングは自由に自分で決めることができる」という世界を軸に、コミカルかつ挑戦的に描き出す意欲作。
3 年で卒業せずに〈N 学年〉に進級することを自ら選択する3人組の高校生役を、注目の若手実力派俳優=阿久津仁愛、押田 岳、坪倉康晴が演じる。
そして進級したクラスで彼らを待ち受けるクラスメイトや教師には、小島梨里杏、富山えり子、中川晴樹、安西慎太郎、池津祥子、大鷹明良という、またとない豪華な顔合わせが実現した。
脚本は、オリジナリティ溢れる発想・展開・台詞が魅力、ノンストップコメディの鬼才=大歳倫弘(ヨーロッパ企画)、演出・美術は、第31回読売演劇大賞3部門受賞、どのような空間でも想像を超えたアイデアで劇世界を創造していく新時代の総合芸術の旗手=小沢道成が手がける。
次世代の演劇界を担う二人が初めてタッグを組み、この精鋭ぞろいのキャスト陣とともに、にぎやかで次々と様相を変えてゆく新感覚のディープコメディを新国立劇場 小劇場ならではの空間と演出でお届けする。
キャストコメント
阿久津仁愛 <あくつ にちか>/ダイチ役
物語の設定にとても魅力を感じました。台本を読んで、”青春”を感じました。
ダイチの気持ちにも共感できる部分が多く、登場人物それぞれの想いとすれ違いに、まさに青春のひとコマが詰まっていると感じました。
幅広い世代のキャストが集まっているので、稽古場では日々新しい発見があり、とても楽しく刺激的な時間を過ごしています。小沢さんの演出や、共演者の皆さんのお芝居を間近で見ることで、学びの毎日が続いています。センターにステージが配置されているため、役の立ち位置や動きにかなり悩みながら稽古を重ねていますが、それがまた面白く、発見の連続です。毎回同じシーンでも微妙に変化があり、その度に新たな気づきがあります。考えさせられたり、感じることができるような作品をお届けできればと思っています。
さまざまな角度から楽しめる舞台ですので、何度でも観たくなるような作品を作り上げていきたいと思います。
押田 岳 <おしだ がく>/ミツル役
多くの決断が迫られる社会の中で、本当の意味で自分の選択をできている人間が何人いるでしょうか。
「高校卒業」というタイミングを通して、それぞれのキャラクターの人生観が浮き彫りになるとても興味深い内容だと思いました。毎稽古気づきがたくさんあり、日々流動的に変わっていくみなさんのお芝居や演出に勉強させて頂いてます。作品って、役とおなじく生きているんだなと感じる日々です。
僕もこの物語の世界の1人として役割を果たしたいと思います。何かこの作品のテーマみたいなものを受け取って楽しんでもらうこともできると思いますが、純粋に個性豊かなキャラクター達の生活を楽しく盗み見していただけたら嬉しいです。楽しい作品を作って劇場でお待ちしております。
坪倉康晴 <つぼくら こうせい>/タクロウ役
コメディ要素だけでなく、それぞれにある目標や目的が個々にピックアップされているとても面白い作品になっていると思います。
自分自身も、タクロウという役を通してこの高校生活を全力で楽しみたいと思います!
本当にそれぞれ個性豊かな高校生ですよ!
360 度舞台は演じる側も緊張感がありますが、皆様が楽しめるよう自分も楽しみながらこの作品をお届けします。どうぞ四方八方からお楽しみ下さい!
小島梨里杏 <こじま りりあ>/チヒロ役
にやにやしましたし、涙もしました。
稽古でもにやにやしていますし、首と心を少しばかり傾けながら、答え探しをしています。
人間をこれからもやっていく上で、私たちにいろんなヒントを与え、また、だれかの心を解き放つきっかけになれたらなぁ、なんて今はそう思っています。
劇場でお会いできること、楽しみにしております。
富山えり子 <とみやま えり子>/ユメ役
十数年前、役者として初めてオファーをくれたのが当時劇団の先輩だった小沢さんでした。時を経て、またこうしてご一緒できるのをとても嬉しく思います。しかも、お芝居を始めたときの欲望のひとつだった”学園もの”で、また制服を着ることができるなんて、人生は面白いものです。
稽古場は、ひとつのクラスのような不思議な一体感が生まれています。人生最後かもしれない”学校生活”を楽しみぬきたいと思います。
中川晴樹 <なかがわ はるき>/ワタナベ役
僕の所属するヨーロッパ企画がまだ同志社大学の学生団体だった頃、メンバーがほぼ卒業して、それでも大学の稽古場や備品を使わせてもらう為には新入生を入れねばならず、そこで我々は入学式に潜り込み、イベントサークルと偽って新入生を勧誘。その時に入団したのが、今回の脚本家である大歳君です。彼の脚本で新国立の舞台に立つことになるとは。感慨深いです。
安西慎太郎 <あんざい しんたろう>/スズキ役
最高に面白い本と最上の演出家・素晴らしいキャスト・スタッフの元、日々稽古をしております。
没入しやすい世界の中で、いつの日かこぼれ落ちてしまった”あの時の何か”を再び拾い上げられるような、それは懐かしいような、新しいような、はたまた笑えるような、そんな作品になるのではないかと思っています。
ライトに見える世界の中で沢山笑って、沢山持ち帰って頂けたらと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
池津祥子 <いけづ しょうこ>/セワ役
今、ワクワクしながら猛稽古の毎日です。大歳さんが描かれた、面倒ながらも愛おしい登場人物達を、明快なビジョンとハッピーオーラで演出していく小沢さん。カラフルで魅力的な芝居を繰り出す共演者の皆さん。そして頼もしく温かなスタッフ陣。この心強いチームで「青春」を駆け抜けます!
劇場でお待ちしております!
大鷹明良 <おおたか あきら>/アサオカ役
台本を読んでみて=「枯れ木も山の賑わい」
稽古してみて=「枯れ木も山の賑わい」
この作品への意気込み=「年寄りの冷や水」
観に来てくださるお客様へ=「道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ」の心でご覧戴けますれば幸いです。
ストーリー
いつの頃か、学校制度における〈卒業〉は自分自身決断する行事となっていて、高校の3年制はもはや標準的なガイドラインでしかない時代。
ダイチ・ミツル・タクロウの仲の良い3人組は、いよいよ3年生の終わりが近づいたある日、卒業のタイミングを自由に選べる〈N学年〉にそろって進級し、「もう少しだけ……」と、〈やり残したこと〉に一緒に挑戦してから卒業することを決意する。
……恐る恐る足を踏み入れた〈N学年〉の教室にいたのは、年齢不詳の生徒から30代、40代、50代……最年長は60代の生徒。そして、混沌とする教室で翻弄される若い担任教師。ダイチたち3人だけでやり遂げるはずだった大切な〈卒業イベント〉に、なぜか次々と介入してくるこのクセ強なクラスメイトたち。
彼らはなぜ卒業しないのか?そして、それぞれの「卒業」への思いと選択とは―?