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©「Be with you」製作委員会
田中涼星の俳優活動10周年を記念した自身初のひとり芝居、田中涼星 10th anniversary ひとり芝居「Be with you」が、2月13日(木)に東京・池袋・Mixalive TOKYO 6F Theater Mixaにて開幕。初日を前に実施されたゲネプロの模様をお届けする。
企画プロデュースには荒牧慶彦、演出には植田圭輔、テーマソング・挿入歌には廣野凌大と、田中と親しい役者仲間が集結した本作。頼もしい製作陣の期待を一身に受け、田中が演じるのは年齢も職業も違う3人の男たち――「愛」に敗れた真面目な高校教師の十日口、「愛」を信じないロックシンガーのロ三生・ザ・ROCK、「愛」を捨ててしまった美容師の京一。
田中をよく知る三浦 香が手掛けた脚本は、「愛」という大きなテーマのもと、彼が持つ剛柔併せ持つしなやかな魅力を見事に浮かび上がらせた。観客は物語の中で描かれる様々な「愛」の形に触れると同時に、仲間やファンから俳優・田中涼星へと向けられる「愛」の大きさにも気づくことができるだろう。それほどに、「温かい」という言葉が似合う、実に田中らしい作品に仕上がっていた。
暗転後、中央に立った田中の深々としたお辞儀を合図に、彼ひとりで紡ぐ物語が動き出す。
最初に登場したのは、安定志向で真面目を絵に描いたような高校教師の十日口。真面目なのだが、堅物というわけではなく、真面目すぎるゆえに空回りしてしまう姿がなんとも魅力的な人物だ。野球のこととなれば熱く語りだし、失恋の傷を癒そうと酒を煽って愚痴をこぼす。抜群のスタイルで着こなすスーツ姿のかっこよさとは裏腹に、人間味あふれる先生像を短時間で一人きりの空間に生み出してみせた。
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ステージからはけることなく、舞台上に用意された衣裳&小道具を身に着け、田中は2人目の男へと姿を変える。2人目に登場するのは、どこかレトロな雰囲気漂うロックナンバーを歌いあげる、生粋のロックシンガーロ三生・ザ・ROCKだ。田中は持ち前の柔和な雰囲気を封印し、サングラスの奥にロック魂をギラつかせる。“漢”の字が似合いそうなこの人物が、果たしてどう「愛」と関わり合っていくのか。濃いキャラクターであるにも関わらず、リアルに実在していそうな自然体な芝居が、このロ三生・ザ・ROCKという男への興味を掻き立ててくれた。
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3人目の男は、田中の持つビジュアルの良さが存分に反映された、モテ系美容師の京一。美容師あるあるを凝縮したコミカルな仕草で笑いを誘うだけでなく、後半にかけての迫真の独白シーンで観客の心を波立たせる。爽やかで誰からも愛される笑顔の裏に、彼が抱えているものとは――。
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カーテンコールに登場した田中の姿を見て、不意に本作がひとり芝居であることを思い出した。舞台上には彼しかいないことを忘れてしまうほど、田中ののびやかな芝居と、想像力を刺激する植田の演出の掛け合いは、登場人物たちを色鮮やかに描き出していた。その表現力こそ、田中が10年間、懸命に走り続けてきたことの証なのだろう。
3人の男をめぐる数奇な運命は、どんな「愛」に帰結するのか。田中はインタビューで初めてのひとり芝居を「未知」と表現していたが、彼が歩む未知なる旅路を、愛を持って見届けてみてはどうだろうか。新たな挑戦を前に生き生きと芝居を楽しむ田中の姿に、ここから始まる次の10年が楽しみになるに違いない。
田中涼星 10th anniversary ひとり芝居「Be with you」は2月13日(木)から16日(日)までの全7公演。千穐楽日となる2月16日には2公演のライブ配信も決定している。約75分、ノンストップで役者・田中涼星のが創り上げる物語をお見逃しなく。
開幕コメント
こうして無事に開幕できていること嬉しく思います。
改めて日頃より応援してくださっている皆様、周りで支えてくれているスタッフの皆様に感謝申し上げます。
ひとり芝居ではありますが、1人では作り上げられなかった舞台。僕の俳優活動の10周年の想いをぶつけたいと思います。
稽古は体感1ヶ月以上していたのではないかというくらいの濃密さで、日々演出のうえちゃん(植田圭輔)やスタッフさんと作り上げることができました。
あとは純粋に楽しんでいただくのみです。是非楽しみ尽くしてください。
ゲネプロ舞台写真
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取材・撮影/双海しお