ストスパ 5th 『キロキロ』ついに開幕!作・演出の白鳥雄介のコメント到着

2025.02.14

2月12日(水)に東京・下北沢「劇」小劇場にて、白鳥雄介主宰の演劇ユニットストスパの第5回公演『キロキロ』が開幕。

“窓のない小さな部屋で生まれる、友情と恋と夢”を描いた今作は、35歳を迎えた高校の同級生11人が『今思えば岐路だったあの日』の話を、『まだ岐路ではない今日という日』に語り合う群像劇となっている。

お笑い芸人として大成する夢を捨てきれずにいる35歳の主人公・加藤幹人を阿久津京介(もあダム)が、その元相方・奥本隼人を小口隼也が好演。結婚式の主役である花嫁・藤永優佳を西澤香夏(ソラカメ)が、幹人を長年応援し密かな恋心を募らせる小石真衣を安齋彩音が演じる。
さらに、奥本隼人の妻・成美を演じる菊地歩(扉座)、ダブルワーカーで訳アリの通信販売事業を営むハーブを演じる藤綾近が物語をより多層的な問題へと昇華させているのが今作の魅力の一つ。

そして、脇を固める役者たちは一癖も二癖もある。タワマン暮らしの金持ち・秋岡を演じる山科連太郎(きっとろんどん)、家族愛に満ち自己を犠牲にするカラオケ店・店長を演じる志賀耕太郎、ナチュラル失礼系マウントを取る女・葛西を演じる武藤友祈子、職業不明の愛の戦士・榎田を演じる田中達也が存分に持ち味を発揮し、舞台に笑いを届ける。また今作、重要な要素を任されている中島千尋の存在も、頭から離れない。

他人から見ればとても小さく見える、それぞれの人生の岐路が交錯し始めた時、手からすり抜けていきそうだった友情と恋と夢が、優しさを増して会場を包み込んでいく。
本公演は2月16日(日)まで、下北沢・「劇」小劇場にて上演中。上演時間は1時間30分。

白鳥雄介コメント

夢を追う、恋をする、大切な友達と会う、そんな日常の煌めきを失いかけている人間たちを描きました。人生折り返しの少し手前、引き返すなら今しかないという絶妙な年齢に差し掛かった同級生たち。その中には、きっと“あなた”がいるかもしれません。突然やってきた岐路を前に、人生で大切なものは何かを訴えかける作品になっていると思います。
登場人物とこの作品を観てくれた方の帰路がいつもよりちょっと優しい風に吹かれるよう、想いを込めて書き上げた作品です。
【それでも前を向いていく】、ストスパのテーマとして掲げた言葉を体現する第5回公演『キロキロ』、あのとき「お前は何がしたいんだよ」と言った大人たちと、「これから何者かになる」若い世代と、「今、岐路に立つ」同世代、それぞれへ捧げる僕なりのカウンターパンチ。是非、劇場へお越しください。帰路に着く前には、下北沢の美味しいお店へお立ち寄り頂きたいです。