恋を読む「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」黒羽麻璃央 インタビュー

熱い要望に応え人気俳優・声優が再び恋を“読む”

 

昨年夏に上演され、大好評を得た朗読劇シリーズ〈恋を読む〉の第一弾『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が、早くも再演を果たす。七月隆文の人気小説を原作に、劇団「ロロ」主宰の三浦直之が脚本・演出を務め、俳優・声優の男女ペアによる朗読と、ひらのりょうのオリジナルアニメーション、そしてやさしい音楽で、30日間の“すれ違う”運命の恋を聴かせる作品だ。初演から引き続き出演する黒羽麻璃央は、この再演に「嬉しいです」と笑顔をみせた。

黒羽「僕自身がこの『ぼく明日』が好きだったこともあって、演じるのが楽しかったです。朗読劇は稽古回数が少ないぶん、舞台上で新鮮にドキドキしたり、キュンとしたりしました。恋っていいなと思いながらやっていましたね」

 

朗読劇には定期的に出演しているが「稽古も公演回数も少ないので、一瞬で終わっちゃう」と黒羽。

黒羽「前回、演出の三浦さんともっと一緒にやってみたかったと思っていたので、今回は新しい挑戦もしたいですね」

 

高寿と愛美、時間が逆方向に進むふたりが出会い、恋をして、時間軸が交差するたった30日間の物語。高寿を演じる黒羽の印象に残ったのは、30日目の感情だ。

黒羽「高寿にとって『愛美と会える最後の日』は、愛美にとっての『高寿と出会う最初の日』なんです。そんな日にワンワン泣くわけにいかないけど、悲しいに決まっていますから。心が痛くてたまりませんでした」

映画版も大ヒットした作品だが、朗読劇ならではの魅力を聞いてみた。

黒羽「最後にふたりが今までのことを振り返るようなシーンがあるのですが、それってつまりこの運命を知らない頃の高寿をもう一度やるということで。当然、実際に時間を巻き戻せるわけではないので、別れを目の前にしながら、恋を始めたばかりの高寿を演じるんです。全然感情が追いつかなくて、しんどかったなあ!だけど、生の芝居だからこそ生まれる切なさがあったんじゃないかと思います」

 

黒羽が「前回観た人もまた来てほしい」と言うのには理由がある。

黒羽「この作品って、結末を知ってもう一度観ると、また別の揺さぶられ方をする不思議な物語なんです。だからぜひ観てほしい。ペアごとに違う恋模様になると思いますし、何度でも、僕らが読む恋を“聴き”に来てください!」

 

インタビュー・文/中川實穗
Photo/山本倫子

 

※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
黒羽麻璃央

■クロバ マリオ ’93年7月6日、宮城県生まれ。これからの出演作は、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」など。