麻生久美子と中村倫也による欲望のバトル
麻生久美子と中村倫也がW主演を務め、すべてを手に入れたい女と欲望まみれの絶対王子の戦いが描かれる『クラッシャー女中』。’17年に上演された『皆、シンデレラがやりたい。』に続く“根本宗子×M&Oplays 本多劇場公演”の第2弾となる本作について、作・演出・出演の根本に話を聞いた。
根本「『皆、シンデレラがやりたい。』では年上の女優さん3人をメインにして書かせてもらったので、今度はまた違う世代の人たちとやりたいと思いました。プロデューサーから“お屋敷ものがやりたい”というリクエストもあったので、だったら女中さんの話がやってみたいなということと、ちょうど“サークルクラッシャー”に興味があり、サークルクラッシャーみたいな女中がいて…というところから始まりました」
麻生と中村が根本の演出舞台に出演するのは初となる。
根本「麻生さんは大体の人が憧れるような女性ですが、だからこそ今回はみんなの中の“麻生久美子像”を崩したいと思っています。憧れられなくなる麻生さんを書いてみたいです。倫也さんはすごく器用でなんでもできる方ですよね。私は以前はそういうタイプの役者さんとご一緒することが少なかったのですが、近年は脚本の書き方が変わって、役者に委ねる部分が増えてきた。それで倫也さんのような柔軟な方とやってみたいな思いました」
すべてに貪欲でぶっ壊れた女中(麻生)と本性を隠し持った王子(中村)を中心に繰り広げられる悲喜劇。
根本「欲って誰もが持っているものだと思うのですが、それを実際に叶えられるのは、頭がよくて、手に入れるためのルートを間違えない人ですよね。でもこの作品の人たちはみんな間違えまくる(笑)。一見みんなが計算して、裏を読んで行動していそうなのに、誰の裏も読めてないっていう。私の本のウリは人が対立する様のはずだけど、一向に対立構造にならないんです(笑)。そういうところがうまくやれたらいいなと思っています」
今回は歌も入る予定なのだそう。
根本「麻生さんも倫也さんも歌が上手ですから私も楽しみです。物語のなかで、みんながどう戦うのか…台詞なのかアクションなのか、演出でいろんなことができたらと考えていますので、楽しみにしていてください」
インタビュー・文/中川實穂
Photo/倉田貴志
※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載
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【プロフィール】
根本宗子
■ネモト シュウコ ’89年、東京都出身。19歳で月刊「根本宗子」を旗揚げ。劇団公演では全作品の作・演出を手掛ける。