劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』製作発表会見レポート

2025.04.11

オフィシャル写真 撮影:撮影 田中亜紀

劇団☆新感線の最新舞台は“45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective”との冠がつく新作『紅鬼物語(あかおにものがたり)』。日本の伝承、昔話に頻繁に登場する“鬼”をモチーフに劇作家、演出家でもある青木豪が書き下ろし、劇団主宰のいのうえひでのりが演出する。主演は、昨年5月に宝塚歌劇団を退団したばかりで、演劇への出演はこれが退団後初となる元花組トップスターの柚香光。共演にはゴールデンボンバーの喜矢武豊、若手俳優の注目株である一ノ瀬颯、元乃木坂46の樋口日奈が新感線に初参加、新感線には共に6度目の出演となる“準劇団員”の早乙女友貴と千葉哲也、さらに『髑髏城の七人~Season月《下弦の月》』以来7年ぶり2度目の参加となる鈴木拡樹、という豪華な顔合わせが実現することになった。もちろん粟根まことを筆頭に個性派劇団員たちも揃って登場し、賑やかにカラフルにステージを盛り上げる。
本格的な稽古がスタートする直前の3月上旬、製作発表会見が行われ、青木、いのうえ、キャストの面々が登壇し、それぞれが作品への想いや意気込みを語った。その模様をレポートする。

まずは脚本を手掛けた青木豪、演出を担当するいのうえひでのりから、ご挨拶。

青木豪<脚本>

「今回はいのうえさんから「昔話みたいな話を、いつもとはちょっと毛色の違う感じでやりたいんだよね」というご提案をいただきまして。僕としては5、6年前に、実は鬼退治の話を書いてみたいなと思ったことがあったんです。だけどその頃、ちょうど『鬼滅の刃』という作品が流行り始めた時期だったので、まるで乗っかったみたいに思われそうだから良くないなと思ってやめていたんですね。だけどもう、ぼちぼち鬼退治の話を書いてもいい頃合いかと思うので、ここでまたいろいろと昔話を調べ直したりもしながら、ずっと温めていた鬼の物語を書こうということになった次第です」

 

いのうえひでのり<演出>

「鬼をモチーフにした話だと、新感線では『阿修羅城の瞳』や『朧の森に棲む鬼』などがありますが、大体は鬼が征服者や敵国のメタファーになっていることが多く、鬼そのものの存在を怪物として扱っている昔話みたいな作品は、実はあまりやっていなかったんです。それで、そういった民話であったり、伝承を由来にするようなファンタジーを一度やってみたいなと思っていました。そうしたら今回、柚香さんが出てくださることになり、これはいい機会だ、ここで新しいことに挑戦したいということで、この方向性となりました。ですから少し、今までの新感線が扱ってきたものよりも、民話とか昔話が持つ独特の生々しさや怖さ、ちょっと北欧系ホラーみたいなニュアンスなども出せたらいいなと思っています。民話には少しエロティックだったり、多少エグかったりするものがありますからね。つまり、いつもの新感線がやってるものよりはトーンが違うものになると思います。あと今回は、若手俳優さんたちがメインになりますので、そういう意味ではイケメン祭りとして、お客さんに大喜びしていただけるよう、大いに盛り上げたいなと思っております」

 

次に、各キャストの役柄の紹介もしつつ、それぞれから出演が決まった時の気持ちや、先日行われた本読みの感想、意気込みなどのコメントが寄せられた。

柚香光<紅子:夫である源蒼の前から忽然と姿を消す謎多き妻>

「出演が決まった時は、もう心臓がドキドキバクバクといたしました(笑)。でも本当に嬉しくて、こんな光栄なことがあるのかと嬉しくも思いました。私は宝塚歌劇団を卒業してから9ヶ月になりましたけれども、先日、初めての顔合わせの直後に、初対面の皆さまと台本の読み合わせがありまして、そこで私は初めて男性の方と一緒に本読みをさせていただいたわけですので、何もかもが新鮮で刺激的でした。この皆さまと一緒に、これから作品づくりをさせていただきますのですごくワクワクし、そして気合が入っております!」

 

早乙女友貴<栃ノ木:鬼>

「4年ぶりに人間ではない役で、今回は鬼を演じます! その4年前の時は『狐晴明九尾狩』という作品で僕は狐役だったんですが、大ぶりな尻尾がついていたり、耳を手動で動かすというような小ネタがいっぱいありまして。果たして今回はどういったヴィジュアルで、どういった小ネタが増えるのかも楽しみにしていただけたらなと思います」

 

喜矢武豊<坂上金之助:蒼の家臣。鬼の片腕を斬り落とす>

「大好きな、憧れの新感線に出演できるということになりましたが、正直、なんで僕が呼んでもらえたんだろうと思うこともあります。だって普通は、ヘンなエアバンドのエアギタリストは呼ばないでしょ(笑)。いつの間にか、うちの事務所がワイロでも送ったのかなとも思いましたが、もちろんありがたいお話ですからね。せっかく出させていただけるので、120%の力で頑張りたいと思います。もしも皆さんの足を引っ張ることになったら、ギャラは返金したいなと思っています。頑張ります!」

 

一ノ瀬颯<桃千代:蒼の家臣。鬼に連れ去られてしまうことになる>

「僕にとっては、これが初舞台となります。多くの皆さんから愛されている劇団☆新感線の作品に参加させていただくことで、その大事な初舞台の場を迎えられるということをすごく嬉しく思っています。それと同時に、これだけ活躍されている方々と一緒にやらせていただくということにはまだ少し不安もありますので、とにかく必死に喰らいついていきたいです。だけど皆さまがすごくお優しい方々だということが、最初の本読みの日に完全に確信できましたので、先輩方にいろいろなことを教わりながら、足を引っ張らないようにとにかく必死で乗り切りたいと思っております」

 

樋口日奈<藤:紅子と蒼の娘>

「私は以前から新感線さんの舞台を拝見させていただいていて、もう本当に圧巻といいますか、終演後の世界に陶酔してしまうような魅力に圧倒されていまして。今回45周年という記念イヤーの舞台に出させてもらえるということを聞いたときは、もう嬉しさと高揚感から夢が叶ったような心地でした。本読みも先日終えて、これからお稽古が本格的になっていくと思うんですけれども、この幸せに浸りつつ、気を引き締めて最後まで頑張っていきたいなと思います」

 

粟根まこと<八十八:紅子を助けるとある村の村長>

「今回は鬼とか武士とか偉い方とかがたくさん出てくる舞台の中、私は、とある村の村長として庶民代表として頑張りたいと思います。そしてイケメン祭りの一角をきちんと担いたいとも思っております! よろしくお願いいたします」

 

千葉哲也<碓井四万:蒼の家臣で何事にも一言多い>

「イケメン祭りでも若者チームでもなく、たぶん、このカンパニーのキャストの中では一番年上になると思われます。なんとか、皆さんの足を引っ張らないように頑張ります」

 

鈴木拡樹<源蒼:10年前に失踪してしまった妻・紅子と娘・藤を探し続ける貴族>

「自身としては、新感線には7年ぶりの出演となりますので今回出演できることを非常に楽しみにしておりました。また、この45周年という素晴らしいイヤーに呼んでいただけたことも、本当に嬉しく思います。劇団員の皆さま、そして劇団ファンの皆さま、45周年おめでとうございます。その気持ちをちゃんと背負って舞台に立ちたいと思いますし、次の50周年に向かってもらうためのいいスタートにしたいと思っています」

 

続いて、会見MCの中井美穂の進行で、質疑応答が行われた。


――柚香さんは男性とお芝居をするのも、本読みをするのも初めてとのことですが。

柚香 本読みは、本当に皆さまのやりとりが軽快で笑いが絶えず、とても刺激的で楽しかったです。お客さまに喜んでいただける舞台を作りたいという思いが、さらに湧いてきました。


――新感線には、どのような印象をお持ちですか?

柚香 華やか、迫力、そして立ち回りの数々。一度見たら心がグッとつかまれるような、そんなエネルギーに溢れた劇団だと思っております。


――今回は鈴木拡樹さんとご夫婦のお役になりますが。

柚香 妻です、よろしくお願いします。

鈴木 夫になります。よろしくお願いします。まだ本読みをしただけですので、このくらいの距離感ではあるんですけれども(笑)

柚香 そうですよね、まだちょっとギクシャクしてますね(笑)。

鈴木 柚香さんは、本読みの時もちゃんと相手を見てくださる方で。僕も、もっとちゃんとセリフを入れてくればよかったって後悔しました。

柚香 ちょうど真正面の席で本読みをさせていただいたので。見ていることに、気づいてくださっていたんですか?

鈴木 はい。本当なら、僕のほうも目を合わせて本読みしたかったんですが、まだちょっと台本に頼らないと無理だったので……(笑)。

柚香 それは私も、ほとんど同じ状態だったんですけどね。でも本読みの段階からも、一緒にお芝居をさせていただけるのが楽しかったので、これからよろしくお願いします!という気持ちがより強くなりました。


――鈴木さんは7年ぶりの新感線となりますが、前回の思い出や、初心者の方へのアドバイスなどがありましたら教えてください。

鈴木 7年前はもちろん今よりも課題がたくさんあり、その課題を一つ一つクリアしていった現場だったように思います。ですのであの時にクリアした分にプラスして、今回はもっと成長できるように頑張りたいです。前回、僕は『髑髏城の七人~Season月』の《下弦の月》に出させていただいたのですがダブルキャストだったので、実は稽古時間も実質は半分だったんですね。だけど今回はフルに使わせていただけるわけなので、前回よりもさらに頑張るつもりです。ただし、いのうえさんからの“千本ノック”だけはちょっと勘弁していただきたいので、どうにかそこは抗いつつ、とにかく負けない気持ちで稽古から臨んでいきたいなと考えています。


――いのうえさん、その“千本ノック”の件に関しては?

いのうえ そうですねえ、あるかもしれませんね(笑)。ちなみに、柚香さんにはこれまでおそらく一度も演じられたことがない母性であるとか、女性らしく包み込むような感じを出していただきたいと思っています。そして、実は鬼ではあるのですが、その鬼の部分を抑え込んで生きているような女性でもあって。故に儚く、弱い部分もあるわけです。これまでカッコイイ男性の役をずっと演じてこられたことを考えると、それとは真逆のものを要求されることになるだろうとも思います。ましてやそれを受け止める拡樹は、より大きな愛を持って受け止めなければならなくなるので。その点では前回の『髑髏城』の時とは全然違う役柄になりますから、そこで“千本ノック”があるかもしれませんね(笑)

鈴木 頑張ります!(笑)。


――一ノ瀬さんはこれが初舞台ですが、劇団☆新感線の印象はいかがでしょうか。

一ノ瀬 今までの作品を拝見したり、昨年は『バサラオ』を直接この目で観劇させていただきまして感激いたしました!すごく素敵で、瞬きを一回も出来なかったんじゃないかというくらいに世界観にすごく引き込まれて。その新感線の舞台で、自分が演じられるのはすごく嬉しいなと思っています。殺陣や、歌も新感線の大きな魅力の一つだと思いますし、僕自身も挑戦してみたいと常々思っていたところでしたので、この機会に全力で頑張りたいと思っています。


――喜矢武さんも新感線初参加ですが、大ファンでいらして出演は念願だったとお聞きしています。

喜矢武 いや、本当に念願でございました。だからやはり「いいんですか?」と思ってしまって。


――お隣にお座りの早乙女友貴さんとも仲がよろしいそうですね。

喜矢武 そうですね。早乙女ブラザーズが揃って仲良くしてくださっているんで、今回も頼りに頼って、背中にくっついて歩こうと思います。

早乙女 いや、別にそこまで仲良くはないです。

喜矢武 おーいおーい! なんてこと言うんだよ、うわべの関係か?ってネットに書かれちゃうよ。

早乙女 (笑)。でも本当に喜矢武さんが新感線に憧れてるということはずっと前から聞いていたので。今回出ると聞いた時、最初は僕もビックリしました。しかもどうやら緊張してたみたいで、この間の本読みでも第一声が震えまくってて……。

喜矢武 言うなよ、言うな! そんなことはない!!

早乙女 僕、笑いを堪えるのが大変でしたよ。


――今回は殺陣もかなりあるのでは、と思いますが?

早乙女 そうですね。喜矢武さんともおそらく戦うことになると思うので、コテンパンにしたいなと思っています。

喜矢武 僕のほうも友貴をコテンパンにしなきゃいけないんでしょうけど。先日、事前に友貴に稽古をしてもらったんですが、予想よりもまったく次元が違ってて……たぶん、コテンパンにされるんだと思います。


――樋口さんは舞台経験も豊富ですが、新感線に抱いている印象は。

樋口 新感線の舞台にはやっぱりド派手でかっこいいアクションのイメージがありますので、私も出ると決まってからは絶対的に体力が必要だと感じまして、さらに鍛えるという意味でマスクをしながら全力で3キロ、4キロ、5キロくらい走ったりしているんですが。千葉さん、どうでしょう、私もアクション、あると思われますか?

千葉 うーん、ないんじゃないかなあ(笑)

樋口 本読みの時点で、皆さんはすごく動かれるんだろうなと思いながら聞いていたんですけれど。私が演じさせていただく藤はどうなるのか、一応体力を鍛えて準備してはいますが、そこは本番のお楽しみにという感じです。

千葉 じゃ、僕も若手に負けないくらい頑張って動きますよ!

樋口 おお? 本当ですか?(笑)


――今、いのうえさんの目がキラッとしましたね(笑)。

いのうえ まあ、今回はいつもと比べると、劇場が狭めなので。とはいえ、その分客席通路を使う予定です。そういう意味では、お客さんにとってはすごく間近で柚香さんを観られる機会もあるかもしれません。


――また、樋口さんは柚香さんと鈴木さんのお嬢さんになるわけですね。

樋口 とてもとても光栄でございます。きっとこんなことは二度とないでしょうから、この幸せを噛みしめたいと思っています。それと、今回は一ノ瀬さんと私が最年少だと伺っていますので、全力で甘えさせていただこうかなとも思っております。よろしくお願いします!


――その一方で最年長になられる千葉さん、若い初参加の方々にアドバイスなどありますでしょうか。

千葉 どうなんですかね(笑)。本番の期間が長いので、今や世の中いろいろな病気がありますから、とにかく身体を壊さずに長いスパンで緩やかに最後まで走り続けるということが、まずは大事なんじゃないかなと思います。舞台上の失敗なんて、もういいんです。最後、立ってさえいられれば大丈夫ですよ(笑)


――粟根さんは、今回久しぶりに新鮮な初参加の方が多い座組になったことをどう思われていますか。

粟根 とにかく新しい風を感じたい気持ちもありますが、その中でも友貴くんと千葉さんは共に6回目の参加ですから、ゲストの皆さんをぜひリードしていただければなと期待しています。何しろ今回のゲストは皆さんルーツが違う方々ばかりですので、異種格闘技戦のような様相も呈しておりまして。それが舞台上でどんな化学反応を起こすのか、そこはお客さまにもぜひ楽しみにしていただきたいと思っております。

 

また、今回重要なモチーフとなっている“鬼”にちなんで“鬼に金棒”という言葉から連想し、「自分にはここをお任せください」というアピールポイントをそれぞれが語ることに。

鈴木 1日に2公演ある日もありますので、きっと持ち回りになるかもしれないですが、僕がお弁当を出す日は皆さんに大丈夫だと思っていただきたいです。できるだけ美味しいご飯を用意するつもりです。

柚香 私も、まったく同じことを考えていました! 私のオススメの美味しいものを皆さまに差し入れさせていただきます、お任せください!

千葉 俺は……自分がいれば大丈夫なことって、なんだろうな。

粟根 千葉さんは、みんなの癒しの存在ですから。特にいのうえさんにとっては稽古場でも、稽古後も心の支えになってくださっていますからね。

いのうえ 千葉さんは、いい俳優さんなんですけど、実はものすごく優れた演出家さんでもあるので。そういう目線からも俳優のことを見ていて、稽古場での居方をこっそりアドバイスしてくださっているので、非常に頼りがいのある方だと思っています。

樋口 私は、朝にすごく強いので、私がいれば朝寝坊することはありません、大丈夫です!ということだけは自信を持って言えます(笑)。人生で、まだ一度も寝坊が原因で遅刻したことがないんです。大阪公演も東京公演も長いですので、寝坊が心配な方は私にお任せください(笑)

喜矢武 いやー、僕はそんな風に言えるところがまったくないんです。多少、預金に余裕があるので、もし困っていたら貸せます。その他に、何かありますかね? 僕に、何か頼ってください。

早乙女 喜矢武さんにですか? いや、大丈夫です(笑)

喜矢武 やっぱり、ないみたいです(笑)

早乙女 でも、僕もないんですよ。僕がいれば大丈夫なんてこと、一つもないので。殺陣は、まあ、そうですけど今回に関しては台本を読むと、それこそ先ほどいのうえさんがおっしゃっていたようなリアル感があり、生々しい印象が、いつもの新感線の色味と混ざるとどうなるか、すごく楽しみではあるのですが。でも新感線の色味が強い場合は僕、いつもトムとジェリーみたいな動きをさせられるので(笑)。今の台本のイメージだと、そうはならなそうな気もしますけどね。だからまあ、強いて言うなら僕の場合は動くことは任せてください、という感じでしょうか。

一ノ瀬 僕も、言えることが何もなくてですね(笑)。強いて言うとしたら、体力だけはあるほうだとは思います。身体を動かすことはわりとやってきた人生ではあるので。もう、とにかく迷惑をかけないように必死に頑張ります!ってことしか、今は言えないです。

粟根 とりあえず、台本で漢字の読み方がわからないとか、このセリフの意味合いは?みたいな疑問が湧きましたら、すぐ聞いてくだされば、なんでも答えます。劇団員ですのでカンパニーのことは大概把握していますから、何か困ったことがあれば私に聞いてください。

そして会見の締めとして、各自が改めて公演に向けての意気込みを語った。

青木 いつもの新感線の作品とは少し毛色の違うものになると思いますけれども、力を込めて書きました。どうぞ皆さん、お楽しみにお越しくださいませ、お待ちしております。

柚香 こうして、周年記念公演にあたる素晴らしい年に主演させていただきますこと、心から感謝しております。そして鬼の役をさせていただきますことが私は本当に嬉しく、今からもう、やるぞ!という気合に満ち満ちております。書き下ろしてくださいました青木さん、演出のいのうえさん、キャストの皆さま、スタッフの皆さま、そしてお客さまの期待にお応えできるような役づくりができればと思っております。今日は紅子のイメージということで赤のお衣裳なのですけれど、赤には魔除けであるとか、情熱や生命力という意味もございますが、私はこの赤に血潮が燃えるという意味を込めて作品と向き合い、自分にしかできない役づくりをしていきたいなと思っております。皆さんと一緒に、一丸となってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

早乙女 今回は初めましての方も多くいらっしゃいますし、公演期間も長いですから体調には気をつけて、最後まで一緒にこの作品をより良くできるように頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

喜矢武 稽古も本番も非常に楽しみにしておりますし、やるからには全力でやらせていただいて足を引っ張らないように、そして新感線ファンに叩かれないようにしたいと思います。あと、これはさっき気づいたんですけどそういえば僕、よく見ると誰よりもセンターに座っているなと思って(笑)。これは誰か、僕に期待しているのかもしれないので、その期待を一身に背負って頑張りたいと思います。

一ノ瀬 僕にとってこれが初舞台で歌も殺陣も本格的にやるのは初めてで、初めて尽くしなんですけれども、本当に頼れる先輩方に囲まれて大変安心しております。皆さんにたくさんご指導をいただきながら、この役が僕で良かったと新感線ファンの方々そして、キャストの皆さん、スタッフの方々に思っていただけるよう、必死で頑張ります。

樋口 私も初めての参加ということで、素敵なキャストの皆さま、スタッフさんからいろいろなことを教えていただき、たくさんのことを吸収できるように喰らい付く思いで、大千穐楽まで藤という役を全うしたいと思います。

粟根 今回もまた、とても豪華なゲストの皆さまにお越しいただきましたので、私を始め劇団員全員でがっちりとバックアップいたします。皆さまには、思いっきり暴れ回っていただきたいと思います。

千葉 とにかく、最後まで舞台に立っていたいということと、あとはいのうえさんが「何とかなる」とおっしゃっていますのでその言葉に乗っかって自分も楽しませていただこうと思っています。よろしくお願いいたします。

鈴木 稽古本番を通して、この劇団☆新感線というものを楽しみたいなと思っています。僕自身もまだ2回目の参加ですから、前回感じ取れなかったものもあると思いますので、劇団のカラーをしっかりと感じて公演を務めたいと思います。また初参加のキャストも多いですし、それぞれを応援してくださっているファンの皆さんが初めて新感線の舞台をご覧になる可能性も大いにあるなと感じています。ですから、現在は45周年ですけれども、ここから先も劇団☆新感線のファンになっていただいて先々の公演も観続けていただけたら嬉しいです。周年イヤーの情報は、SNS等もチェックしていただきつつ、楽しみにお待ちいただけたらと思います。では、劇場で待っています!

いのうえ 青木くんに書いてもらったので、いつものいのうえ歌舞伎とは一味違う、生々しさのあるファンタジーのお芝居です。特に東京公演は、いつも使っている劇場より一回り小さいので客席も全部使って走り回るような、おそらく出演者がとても身近に感じられるような、舞台になるんではないかと思います。それと今年は年末の秋冬公演がOG会のような、OB会のようなキャスティングですので、それと比べてもこの初夏公演は本当にフレッシュな、若い方たち中心の舞台になると思います。その点もどうぞ楽しんでください!

新感線ならではのゴージャスさはありつつも、いつもとは空気感の違う、新鮮かつ刺激的な演劇体験ができそうな予感大。ぜひとも、劇場へ!

 

 

取材・文/田中里津子