
2006年に公開され、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した名作『フラガール』。2025年1月に日向坂46を卒業した丹生明里が、『フラガール – dance for smile -』でグループ卒業後初の主演舞台に挑む。
「再出発のタイミングで、主演舞台の機会をいただけて嬉しいです。今までは(日向坂46という)ホームがありましたが、これからは1人。環境がガラッと変わる不安や緊張もあります。舞台のお稽古はとても大変だった印象がありますが、公演を重ねるごとに自分の幅が広がるのを感じたのですごく楽しみ。演技の仕事がとても楽しいので、今後もチャンスがあればチャレンジしたいです」
本作は、福島県いわき市の常磐炭鉱を舞台に、町おこし事業として立ち上げた常磐ハワイアンセンターで新たな挑戦を始める少女たちを描いた物語だ。
「紀美子たちがフラダンスをいちから学ぶ姿は、これから新たなチャレンジを始める自分にも、アイドル研修期間の自分と重なる部分もある気がします。時代の変化、新たなことにチャレンジしていく過程で、いろいろな登場人物の葛藤を感じる物語。全員に共感できますし、見ている方にも元気を与えられるんじゃないかと思います」
丹生が演じるのは、全く経験のないフラダンスに挑戦する女子高生・紀美子。
「とても仲間思いな子だということが随所から伝わってきます。仲間との関係については日向坂時代のグループのみんなへの想いも持ちながら演じたいと思っています。まだお稽古前で自分が演じる紀美子の武器は想像でしかありませんが、私だからこそ伝わる何かを稽古期間に見つけ、伝えられたらいいなと思っています」
過去に同役を演じた元日向坂46・潮紗理菜からは、「大変なことも多いと思うけど、いつでも頼ってね」と頼もしい言葉をもらったという。
「出演を伝えたら、みんなびっくりしつつ喜んでくれました。潮さんに報告したら本当に喜んでくれて。大変な時は電話もするし駆けつけるよと言ってくださったのでとても安心しました」
繰り返し舞台化されている本作の舞台ならではの魅力、フラダンスに対する意気込みについても訊ねてみた。
「実際にフラダンスを見られるところがすごく魅力的ですし、カメラを通してではなく、空間全体を使って『フラガール』の魅力をダイレクトに伝えられるのが楽しみです。楽しみかつ不安なのは、紀美子がフラダンスを習得しソロで舞台に立つ大切なシーン。私はアイドル時代から踊ることが好きで、ライブが一番好きだったので、そこはとても楽しみです。ただ、ダンスのジャンルが全く違って身体の使い方も違う。大変だったと先輩からも聞いているので、体調を整えつつ、上達できたらいいなと思っています」
町おこしの物語にちなんで、丹生自身の地元エピソードを聞いてみると「埼玉県の地域グルメであるみそポテトが好きだといろいろなところで発信していたら、アイドルを卒業する時のイベントでキッチンカーを出店していただいたり、差し入れで出してくださったり。ファンの方にも〝食べたよ〟と言ってもらえて、埼玉の魅力の一つを伝えられたことが嬉しかったです」と笑顔で語ってくれた。
「初めての主演舞台でとても緊張していますが、私らしい明るさ、見ていて元気になれるような活動が今後できたらと思っています。そんな気持ちを、舞台を見てくださる皆様にも届けたいです!」
インタビュー&文/吉田沙奈
Photo/篠塚ようこ
※構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】
丹生明里
■ニブ アカリ
2017年に『日向坂46』の前進となる『けやき坂46』へ二期生として加入。その後、2025年1月に卒業。現在はタレントや俳優、ゲーム配信者として活動をしている。