
名作戯曲の誕生に隠された抱腹絶倒のドタバタ幕内コメディ!2年ぶりの再演が開幕!
4月7日(月)に東京・PARCO劇場にて、加藤シゲアキ主演舞台 パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」が開幕しました。4月30日(水)までの東京公演の後、大阪・福岡・愛知と巡演いたします。
本作は、映画監督としても活躍するフランスの若手劇作家・演出家アレクシス・ミシャリクによって、2016年にパリで初演されました。上演されるやいなや大ヒット。上演回数700回を超えるロングランとなり、ミシャリクの出世作になりました。2017年のフランス演劇界最高の栄誉と言われるモリエール賞には7部門でノミネートされ、作品賞、脚本家賞、演出家賞など5冠を達成。2018年にはミシャリク自身の手によって映画化もされました。
1897年に初演され、当時のパリ中を興奮させた『シラノ・ド・ベルジュラック』は、その誕生から今日まで、フランスばかりでなく世界各国で上演されており、世界でもっとも上演されている戯曲と言われています。本作は、そんな17世紀に実在した大きな鼻の剣豪詩人の恋物語の誕生秘話をドタバタ幕内コメディ仕立てに描き、正統派のフランス喜劇の流れをくみながら、テンポの良い台詞運び、そして、サラ・ベルナールやチェーホフなど実在の人物も登場させるなど、約120年前の演劇人やクリエイターたちに向けた劇場愛にあふれた賛辞として、大人気を博しました。
日本では2023年に新国立劇場にて、マキノノゾミ演出、加藤シゲアキ主演で初演。ウェルメイドなフランス喜劇の雰囲気を残しつつ、そのテンポの良さとドタバタ具合に2万人の観客を笑いと感動の涙の渦に巻き込みました。
今回“書けない”劇作家エドモン・ロスタン役で再び主演を務めるのは、自身も作家としても活躍する加藤シゲアキ。村田雄浩、瀧七海、細田善彦、堀部圭亮、安蘭けいら豪華キャストが共演、総勢12名で約50役を演じ分けます。初演に続き演出を務めるのはマキノノゾミ。実在する人物を、ユーモアと人間味あふれるキャラクターとして現代に甦らせてきたマキノが、約2年ぶりのエドモンをどのように描くのか、ぜひご注目ください。
どんな名作にも「初演」の「初日」がある!今なお世界中で愛される名作誕生にまつわる紆余曲折と、苦悩、そして、なによりも熱い熱い劇場愛を、爆笑の渦に巻き込みながらお届けします。約2年ぶりのパワーアップしたエドモンにどうぞご期待ください。
開幕に先駆けて開催されたプレスコールより舞台写真とコメントが到着しましたので掲載します。
コメント
加藤シゲアキ
初演の東京公演千穐楽で再演の話を聞いて、「ウソだろ!」と思いました。すべてを出し尽くした日に、僕たちのモチベーションは一体どこに、と(笑)。初演時も内容さながらドタバタのカンパニーだったので、あのドタバタをまたやるのかという楽しさと不安が同時に押し寄せていますが、むしろこのドタバタの勢いがお客様に伝わり楽しんでもらえるんじゃないかと思います。前回と7割くらい同じチームなので同窓会のような雰囲気の中、今回から参加される方を「地獄へようこそ」と温かく迎え入れる空気がありました(笑)
劇作家のみならず観に来てくださるお客様も無茶ぶりの日々だと思いますので、この作品では憂さ晴らしもできると思いますしきっと励みにもなるんじゃないかと思います。初演よりパワーアップして、間違いなくチケット代以上の価値がある作品になっています。ぜひ劇場にお越しください!
村田雄浩
今回初めて『エドモン~』に参加させていただいたのですが、稽古初日の日に演出家のマキノ(ノゾミ)さんや主演の加藤(シゲアキ)くんに「地獄へようこそ」と言われました(笑)。この作品は映画の台本なんじゃないかと思うくらいテンポが早く場面が転換していくので、とにかくスピーディーで、マキノさんの思うとおりにきちんと演じられたらすごく面白いだろうなと思いますのでぜひたくさんの方に観ていただきたいです。
瀧七海
今回が初舞台ということもあり稽古前はお芝居も舞台の転換もきちんとできるかなと不安でいっぱいでしたが、稽古期間中に役と向き合ってきた時間があるので本番は共演者の皆さんと思い切り楽しみたいです!稽古中はカンパニーの皆さんと仲良くなれるかどうかなど不安もありましたが、ウォーミングアップをしながら手作りご飯やマッサージ器具の話をされている皆さんの賑やかな姿を見るのが密かな楽しみになっていました。その姿をみることによって気持ちが浄化されて楽しかったです(笑)。
安蘭けい
2年前の初演から新しいメンバーも加わってパワーアップしているので前回よりも笑いが多いですし、本当にたくさんの方に観ていただきたいです。初演にも出演しているメンバーは前回のことを覚えているかな、と少し不安でしたが動いてみると意外と覚えていることが多く、今回は芝居の部分でより入り込むことができました。初演時はコロナ禍で劇場も今回とは違って、お客様との間に壁があるような感じがしていたのですが、今回は私たちとお客様で一体となってエドモンという作品の質が上がり、分厚い良い作品になっていくように感じます。ぜひお客様も参加型で楽しんでいただきたいなと思います。
[上演台本・演出]マキノノゾミ
「出演者の地獄はお客様の天国」というか、エドモンがひどい目に合えば合うほど面白い作品だと思います。
僕は劇作家で同業者でもあるので、その苦悩と苦労をよくここまでコメディに仕立てたなと同情を禁じ得ません。誰か一人でも休んでいる人がいるとすぐ沈んでしまう船のような本当に大変な作品なので、出演者の皆さんは必然的にチームワークがよくなります。そのチームワークの良さがお客様に伝わったらいいなと思っています。あとは手作り感やアナログさが素敵で、映画のようなシナリオでありながら映画と違うのは、本来そんな転換無理だろうというようなところを生の人間の力で2時間お見せするところです。魅力のたくさんつまった珍しいコメディだと思います。
舞台写真