iaku『はぐらかしたり、もてなしたり』チラシビジュアル、主宰・横山拓也のコメント到着!

2025.04.25

先般、上演決定が発表されたiakuの新作公演『はぐらかしたり、もてなしたり』のチラシビジュアルが公開になりました。また、iaku主宰の横山拓也よりコメントが届きましたので掲載いたします。

 

【ごあいさつ】

前回2023年秋のiaku『モモンバのくくり罠』以降、起筆順で、世田谷パブリックシアター『う蝕』、シス・カンパニー『やなぎにツバメは』、パルコプロデュース『ワタシタチはモノガタリ』、可児市のala collectionシリーズ『ハハキのアミュレット』(今秋上演)と執筆を続けきて、ようやくiaku『はぐらかしたり、もてなしたり』に突入しました。あらためて、書くという作業はなかなか難儀でして、作品ごとにお題をもらったり、条件があったり、自分自身でチャレンジを設定したり、あと、年に1回は短編小説を発表する機会をつくってもらったり、飽きないような工夫をしています。『はぐらかしたり、もてなしたり』は、ここまで休まず書き続け、すっからかんになった僕が「楽しむこと」をガソリンにして書いていますので、とても勢いがあります。笑いながら全力疾走している人を想像してみてください。そんな危険な感じです。ですが、僕は性分が「ちゃんとしている」人ですし(自分で言う)、「本活動の企画意図および目標」はしっかりとありますので、勢い任せの意味不明なものにはなりません。ちゃんとしたものを書いています。
20〜40代の未婚者の7割に恋人がいない時代だそうです。「それでもドラマに恋愛は必要なのか?」と思ってしまいますが、むしろ、恋愛はフィクションとして楽しむモノという人が多いのかもしれません。「推し活」なんかもたぶんそういうことなのでしょうね。拙作でも、滑稽な色恋沙汰や、身につまされるような片想い、哀れな大人の失恋など、様々な「恋愛あるある」を描いてきたような気がしますが、今回、さらに掘り下げて、もっとザラザラした手触り、ギラギラした想いにフィーチャーしてみます。大胆にも「ラブコメディ」と銘打ち、これまでのiakuと少し違うアプローチで新奇な作品をお届けしたいと思います。どうぞご期待ください。

横山拓也

 

【あらすじ(イントロダクション)】

妻が2年ぶりに帰ってきた。ほとんど何も言わずに出ていった彼女。若い頃に良くしてくれた上司が大病を患ったと知り、その最期をお世話して、見届けてきたという。もうこの家には帰ってこないと思っていた。こちらも2年の間に色々とあって、その色々について話さなくてはならない。たとえば、猫のことや、家のこと。そして、愛のことも。
昨年から今年にかけて、第27回鶴屋南北戯曲賞、第59回紀伊國屋演劇賞(個人賞)を受賞した横山拓也が、これまでのiakuとは一風変わった趣向で作劇し、「愛情」の本質に迫る。

 

【iakuとは】
劇作家・横山拓也による大阪発の演劇ユニット。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表している。間口の広いエンタテインメントを意識しながら、大人の鑑賞に耐え得る作品づくり、繰り返しの上演が望まれる作品づくりを心掛け活動中。2024年に上演した「流れんな」の作・演出とPARCO PRODUCE「ワタシタチはモノガタリ」の作で、横山拓也が第59回紀伊國屋演劇賞(個人賞)受賞。
代表作:「エダニク」(第15回日本劇作家協会新人戯曲賞)、「人の気も知らないで」(第1回せんだい短編戯曲賞大賞)、「逢いにいくの、雨だけど」(第26回OMS戯曲賞佳作)、「あつい胸さわぎ」(2023年1月まつむらしんご監督によって映画化)、「モモンバのくくり罠」(第27回鶴屋南北戯曲賞)