舞台『華岡青洲の妻』取材会レポート│大竹しのぶ・田中哲司・波乃久里子・齋藤雅文(演出)らが登壇!

2025.05.20

写真左から)齋藤雅文、田中哲司、大竹しのぶ、波乃久里子

7月10日(木)~7月23日(水)京都・南座、7月26日(土)・7月27日(日)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、8月1日(金)~8月17日(日)東京・新橋演舞場で上演される舞台『華岡青洲の妻』。
世界で初めて全身麻酔による外科手術を成功させた医聖・華岡青洲。本作では青洲を支えた母・於継と妻・加恵の二人に焦点を当て、青洲の成功の裏にあった二人の熾烈な争いを主題に描き出す。
先日、7月からの舞台上演に先立ち取材会が行われ、演出を手掛ける齋藤雅文、出演者の大竹しのぶ、田中哲司、波乃久里子が登壇し、それぞれが次のような意気込みや見どころを語ってくれた。

大竹 私は、はじめは青洲の母の於(お)継(つぎ)役をやるつもりだったのですが、波乃さんが於継をやってくださるということで、それならばと妻の加恵役をさせていただくことになりました。田中さんとも久しぶりにお稽古できるのが楽しみです。この作品は、和歌山弁が本当に美しく、柔らかい響きなのですが、その言葉と裏腹に全く違うことを考えている、そんな人間らしさがすごく面白いなと思います。私は作品の舞台である和歌山県に先日伺って(こちらのレポートは下記にてご紹介)、青洲がいかに地元の方々に愛されているか、その時代の女性の立場というのを感じました。そのことも、舞台に生かしたいと思っています。

田中 尊敬する先輩である大竹さん、波乃さんとご一緒できるのが嬉しい反面、不安もありまして、とにかく頑張ろうという気持ちです。嫁と姑のバトルという、人間関係の怖さをテーマにしていますが、この作品には思わず笑ってしまうような、面白いところもあり、登場人物が生き生きと生きているのが魅力。そういったところもお客様に楽しんでいただきたいです。

波乃 杉村春子さんがずっとやられていたお役なので、このお役はできないと思っていたのですが、どうしてもと言ってくださって今回初めて於継役をすることになりました。とても不安ですが死ぬほど頑張りたいと思います。有吉先生の素晴らしい作品を、未来の若い方々にも演じたい、観たいと思ってもらえるように受け継ぎたいと思っています。

齋藤 『華岡青洲の妻』は、日本の近現代劇史の中でも特筆すべき上演回数の多い作品です。日本の素晴らしい作品の一つである本作を、大劇場で、そして最高の配役でお届けできることを大変嬉しく思います。息子を間に挟んだ嫁姑という人間の普遍的な問題や関係を確実に描いており、さらにエンターテインメントとして面白いというのがこの作品の素晴らしさだと思います。

和気あいあいと繰り広げられた取材会に、作品への期待が一層高まるひとときとなった。

また、会見でも話が出たように、「華岡青洲」ゆかりの地である和歌山県紀の川市を訪れた大竹しのぶ。その際のオフィシャルレポートを下記にて紹介する。

オフィシャルレポート

大竹しのぶが「華岡青洲」ゆかりの地を訪問

4月11日、タイトルロールである華岡青洲の妻・加恵役の大竹しのぶが、華岡青洲が生涯を過ごした和歌山県紀の川市の「青洲の里」を訪れた。

最初に「青洲の里」に隣接する和歌山県立高等看護学院を訪れた大竹は、新一年生を迎える入学式にサプライズ登場。全校生徒や保護者の歓声の中壇上に上がると、「入学された皆様本当におめでとうございます。私は皆さまよりちょっと若い時に女優になりましたが、10代で看護師を目指して、誰かの役に立ちたいと思えることは、それだけですごいなと思います」とお祝いの言葉を述べた。

その後は華岡家の墓地へ参り、そこからほど近い、華岡青洲が数々の偉業を成し遂げた青洲の住居兼診療所である「春林軒」を見学。当時のままの母屋や蔵、復元された建物や、手術の様子を再現した人形展示などを見学した。

そして、引き続き行われた取材会で大竹は「『華岡青洲の妻』は、小学生の頃にドラマを見たのを覚えています。すごくドキドキしながら、お嫁さんとお姑さんの戦いを見ていました。それから大人になって原作を読んで、こうやって青洲先生の生まれた地に訪れることができ、心してやらないと、という気持ちになりました。この作品には、「○○のし」といった紀州の方言が出てきますが、その柔らかい語尾の裏で嫁姑の戦いがあったりして、そういったところがとても面白いなと思います。人間のおかしさや愚かさ、優しさが詰まっていて、そこが有吉先生の作品の良さだと感じています。今日、初めて青洲の里に伺って、青洲先生が本当に人々のことを考えて生きていらっしゃった偉大な方だということが分かって、そしてそれを支えたのが加恵と於継なんだと改めて感じることができました。加恵と於継の戦いもですが、青洲先生のすごさ、加恵と於継のすばらしさの3本柱を、表現できればいいなと思っています」と、公演への意気込みを語った。

京都・南座と東京・新橋演舞場公演のチケットは6月9日(月)10:00より販売開始。福岡・久留米公演のチケットは好評販売中。詳細は、下記公演概要欄の「チケット情報はこちら」よりご確認ください。