
25歳の脚本家・演出家の海路が主宰を務める劇団papercraftがKAAT神奈川芸術劇場初進出
23歳の時に戯曲『檸檬』にて第29回劇作家協会新人戯曲賞を受賞し、今年の1月には、劇団papercraft第11回公演『昨日の月』にて彩の国さいたま芸術劇場進出を果たした、今若手で最も勢いに乗る25歳の脚本家・演出家の海路(みろ)。その海路が主宰を務める劇団papercraftの新作公演『旧体』が、2025年8月29日(金)~9月3日(水)にKAAT神奈川芸術劇場大スタジオにて上演されることが決定した。
リアルな台詞で紡むがれる現実と虚構が交錯した、幻想的で不条理な世界観の作品によって、これまでも観客を魅了し続け、ファンの心を掴んできた劇団papercraft。今回の新作公演は、「球体の出現とともに人類の進化が突如始まった話」が展開される。それまでごく一般的な暮らしをしていた主人公だったが、ある日を境に周囲が続々と進化し、全能な人間へと生まれ変わっていってしまう。そんな中である想いが肥大化していき……。た組。やロロなど、近年の人気劇団や話題の公演を多数上演してきたKAAT神奈川芸術劇場大スタジオで、一体どんな世界が創造されるのか、要注目である。
主演を土村芳が務めるほか、尾上寛之、佐久間麻由など実力派キャストが勢ぞろい

本作はドラマ『本気のしるし』や『二十四の瞳』など話題作への出演が続く土村芳が、「周囲の球体化に取り残されていく家庭教師」役として主演を務める。またその旦那役を、パルコ・プロデュース『最高の家出』(作・演出:三浦直之)やナイロン100℃『Don’t freak out』(作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)など数々の舞台に出演するほか、映像では『罪の声』『それぞれの花』などにも出演する実力派俳優の尾上寛之が務める。
そして、ハイバイや贅沢貧乏といった人気劇団の公演に数多く出演する一方で、近年では福原充則らと立ち上げた劇団スリーピルバーグスや、企画ソロユニット「爍綽と」などのプロデューサーとしても活躍している佐久間麻由のほか、昨年の劇団papercraft番外公演『ミタココロ』にて約60分間の語りを披露し観客を魅了したイトウハルヒ、M&Oplaysプロデュース「カモメよ、そこから銀座は見えるか?」(作・演出:岩松了)、演劇『ライチ☆光クラブ』(作・演出:谷碧仁)などに出演し、最近ではMOOSIC LAB 2025参加作品である短編映画『実家』で海路と組むなど、信頼の厚い櫻井健人、劇団papercraft第9回公演『人二人』から連続で劇団公演に出演し、その度に怪演で海路の世界観を体現してきた猫のホテルの村上航が名を連ねる。
コメント
海路(作・演出)

ここ何年か、作品づくりの中で、自分の創作の根幹とは、という自問に気づきながらも、答えを曖昧にしたままここまできてしまったのかもしれない、と、ふと前回公演が終わった後に思いました。見えなくなっていたのか、見ようとしないでいたのか、都合の良い解釈はいくらできるなと思いつつ、本作はその原点に戻るつもりで描いてみようと思っています。その結果創出されたものが、いつもと同じに見えるのか、別に見えるのかは、分かりません。ただ、そんな公演にしようと思っています。晩夏の横浜でお待ちしております。
土村 芳
今回、舞台『旧体』に出演させていただきます、土村芳です。私自身舞台経験は非常に少なく、今回出演させていただく事は自身の殻を破るとても大きな挑戦になると思っています。頭の中を覗きたくなるほど豊かな世界を持つ作・演出海路さんが思い描く『旧体』の世界を、素晴らしい出演者の皆さんと共に創り上げていける事が今からとても楽しみです。