
戦後80年の今だからこそ語り継ぎたい
“真実の愛と絆”の物語
2022年にTBSで放映されたドキュメンタリー『War Bride 91歳の戦争花嫁』を原案に、劇団チョコレートケーキ主宰・日澤雄介が演出し、同劇団の脚本家・古川健が脚本を担当する舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』が戦後80年にあたるこの夏、上演される。“War Bride(戦争花嫁)”とは第二次世界大戦後、日本に駐留していた兵士と結婚して兵士の国へ渡った日本人女性のこと。その一人である桂子・ハーンと、彼女の夫となる米兵・フランクを中心に彼らの家族や周囲の人々の姿を描く物語となる。桂子とフランクを演じるのは、奈緒とウエンツ瑛士。奈緒は今年1月に渡米し、現在94歳になっている桂子本人に対面したという。
奈緒 桂子さんは本当に魅力に溢れていて、とても愛が深い方。直接お会いしたことで、愛というのは一人で育てていくものではないんだということを知りました。
ウエンツ 僕も、奈緒さんから桂子さんがいかに素敵な方か、お話をたくさん伺いまして。フランクは内気な方だったそうなんですが、もしかしたら桂子さんと一緒に過ごすことでフランクのさまざまな面が開花していったかもしれないし、次々と問題を乗り越えていく桂子さんの姿からフランクもたくさん勇気をもらって、より強い絆で夫婦として結ばれていったんだろうなと思いました。
本格的な稽古に入るのはまだ先だが、奈緒もウエンツも役への思い入れはすでにたっぷりの様子だ。
奈緒 今までも実在する方をモデルに演じたことはありましたが、今回のように実際にお名前もそのままで役として演じるというのは初めての経験です。ですので、責任をとても強く感じていますが、お会いした時に桂子さんが『ありがとう』と言って抱きしめてくださって。そのおかげで“きっと大丈夫!”と思えるようになりました。
ウエンツ ドキュメンタリーで、フランクがベッドに寝転がって『マッサージしてー』と言って桂子さんにやってもらっている映像がすごく印象に残っていて。あれは、本当にほのぼのする愛情表現の一つだなと思いました。あのフランクの存在感、立ち位置そのものが家族にとっても癒しだったんじゃないかな。ああいう、存在から滲み出るものをぜひ今回の舞台上で出していきたいと思っています。
奈緒 心から皆さんに届けたいと思う、愛の物語です。もちろん、さまざまな世代の方に実際に客席で感じていただきたいですし、観てくださった方からも感じたことを周りの方にどんどん伝えていただきたいなと思っています。多くのことを感じていただける舞台が作れるよう、みんなで一生懸命頑張ります!劇場でお待ちしています!!
インタビュー&文/田中里津子
Photo/中田智章
ヘアメイク/竹下あゆみ(奈緒)、松永香織(ウエンツ瑛士)
スタイリスト/岡本純子(奈緒)、上野真紀(ウエンツ瑛士)
※構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
奈緒
■ナオ
NHK連続テレビ小説「半分、青い。」で注目を集める。近作に「傲慢と善良」「東京サラダボウル」など。WOWOW主演ドラマ「塀の中の美容室」が8月22日(金)23:00~放送・配信スタート。
ウエンツ瑛士
■ウエンツ エイジ
子役から活動し「天才てれびくん」で人気を博す。バラエティ番組、ドラマ、舞台と幅広く活躍する。