村井良大が魅せる初の一人芝居 石井光三オフィスプロデュース「ザ・ポルターガイスト」詳細発表!

2025.06.21


村井良大が魅せる 初の一人芝居 登場人物11人の濃密でスリリングな会話劇

昨年、惜しくも上演中止となった『ポルターガイスト(The Poltergeist)』が、 新キャスト・村井良大を迎え、いよいよ再始動します。ミュージカルからストレートプレイまで、幅広く活躍する村井良大が、今回、初めて本格的な一人芝居に挑みます。本作は、一人の俳優が11人の登場人物を演じ分けることによって、主人公・サーシャと、彼を取り巻く家族や人々との微妙な距離感、心の揺れ、葛藤を、濃密でスリリングな会話劇として、繊細かつ色鮮やかに浮かび上がらせます。


繰り返し引き金となる、逃れられない過去の出来事。そして、ラストに差し込むひとすじの光。

フィリップ・リドリー作品といえば、残酷さと美しさが同居する独特の世界観が特徴ですが、本作は、芸術家を志す一人の青年の葛藤と再生を描いた、希望が見える物語として描かれています。“シニカルでユーモラスな物語”に潜む、痛みと希望のかけらを—— ぜひ、劇場でご体感ください。

 

[STORY]
10代で描いた大規模な壁画が話題を呼び、将来を期待された若き画家・サーシャ。アート界に旋風を巻き起こすはずだった。しかし今では世間から忘れ去られ、古びたアパートで俳優志望のパートナーと静かに暮らしている。輝かしい成功を手にするはずだったのに・・・ そんな思いを抱えたまま迎えた、姪の5歳の誕生日。久しぶりに顔を合わせた家族や旧知の人々との何気ない会話。記憶の食い違いや過去の栄光、無神経な言葉の数々が、封じ込めてきた感情を静かに揺り動かしていく。芸術、家族、記憶に翻弄されながら、本当の“自分”に気づく、ある1日の出来事。

 

ポルターガイスト 登場人物

サーシャ 主人公 ギャラリー書店で働く画家
チェット 主人公のパートナー 無名の俳優兼パーソナルトレーナー
フリン 主人公の異父兄
ネーヴ フリンの妻(三人目妊娠中28週目)
ロビン(7歳)サーシャの姪
ジャミラ(5歳)サーシャの姪
ニーアル ネーヴの父
ヴィニータ ネーヴの母
ダギー 近所に住んでいる配管工
ミセス・クルカルニ 昔馴染みのご近所さん
ジョヴィータ・ヴァンス ギャラリーのオーナー(回想シーン) ほか

 

プロフィール・コメント

出演:村井良大(むらいりょうた)

2007年ドラマ「風魔の小次郎」で主演デビュー。近年は、「RENT」「デスノート」「ファースト・デート」「生きる」「この世界の片隅に」「手紙 2025」といったミュージカルや、こまつ座「きらめく星座」、朗読劇「鳥ト踊る」、「白衛軍 The White Guard」などの舞台のほか、ドラマ「教場」「教場Ⅱ」(CX)、「邪神の天秤 公安分析班」(WOWOW)、「インビジブル」(TBS)、「あなたは私におとされたい」(MBS)、「御社の乱れ正します!」(BS-TBS)、映画「パティシエさんとお嬢さん」「中洲のこども」などに出演。

<コメント>
この仕事を始めてもうすぐ20年。『ザ・ポルターガイスト』という初めての一人芝居は、まさに“自分の芝居の総決算”のような感覚です。僕は一人芝居の元祖は落語だと思っているんですが、そういうものも勉強しながら、今回、演出の村井雄さんと一緒にしっかりとした一人芝居を作れることがすごく嬉しいです! 10人以上のキャラクターが登場する中、メインで演じるサーシャは天才肌であるが故に少しねじまがってしまっている状態…なのかな? まだまだ解読中ですが、演出の村井さんは一人芝居を作るのに慣れてらっしゃるので頼もしいですし、パフォーミングアーツ的な作り方をされているところもすごく勉強になっています。「いろんな役を演じるけど、全部村井良大でもいいよ」の言葉を信じ、本当に“一瞬の体験”のような…ある意味、想像力のテーマパークのような、そんなフレッシュな感覚で楽しめる作品にできたらいいですね。新しい世界、まさに自分との戦いです。


作家:フィリップ・リドリー

1960年ロンドンのイーストエンド生まれ。セントマーティンズ美術大学で絵画を学ぶ。ヴィジュアルアートの創作で世界的に活躍をするかたわら、実験的演劇活動にも取り組む。1991年、アメリカ映画「クレイズ」の脚本を執筆。さらに同年、脚本、監督をてがけた「柔らかい殻」は11の国際映画賞で受賞し、日本でもカルト映画として知られている。ほかに『聖なる狂気』(1995)などの作品がある。画家、小説家、劇作家としての作品は多数。最初の舞台作品である『ピッチフォークディズニー』(1991)は、英国演劇の流れを変えたとされている。最新作の1つである『ポルターガイスト』は、Off West End OnComm AwardのBest Live Streamed Playを受賞。各演劇誌、演劇サイトのレビューで数多くの好評価を受けている。


演出・上演台本:村井 雄(むらい ゆう)

KPR/開幕ペナントレース主宰/脚本家・演出家 その演出作品は国内のみならず海外でも高く評価され、最近では2019年5月にニューヨークのJapan Societyより『Ashita no Ma-Joe: Rocky Macbeth』が正式招聘され、最高評価である5つ星をはじめ、ニューヨークを代表する5つのレビューサイトからの高評価を得る。2024年1月には『HAMLET|TOILET』が再びJapan Societyより正式招聘され、Under The Radar Festivalへの正式参加を果たし、ニューヨークタイムズでも注目作品として紹介され、連日のソールドアウトを記録、多数の劇評から高評価を得る。東京2020パラリンピック閉会式ディレクター=AFTER THE GAMESパート担当。

<コメント>
コロナ禍で執筆された本作には、ソーシャルディスタンス等による他者との隔絶によって、より深く自らを見詰め始め、そして追い詰め始めた私たちの姿が描かれている。主人公サーシャのとある一日を客席で見詰めながら、追い詰めながら、退路を断たれた私たちもまた、サーシャ同様、その答えに辿り着くのかも知れない。