せたがやアートファーム 2025『キャプテン・アメイジング』初日開幕コメント&舞台写真到着!

2025.07.26

ファンタジーと現実が交差する、陽気で、胸が張り裂けるような冒険の物語

世田谷パブリックシアターがおとどけする夏のアートフェスティバル=“せたがやアートファーム”において英国出身の劇作家アリスター・マクドウォールによる、ある男と娘の物語を一人芝居で描く『キャプテン・アメイジング』が、田中麻衣子演出により 7 月 26 日(土)に開幕した。

本作は、2013 年に英国で初演されると多くのメディアが絶賛し、瞬く間に話題となった作品だ。登場人物同士の対話を中心に描かれ、いくつもの役を一人の俳優が演じて物語が進んでいく。
本作を演出する田中麻衣子は、日本近代戯曲から海外翻訳作品・ミュージカルなど多岐にわたる活躍で才能を発揮し、高い評価を得ている。
アリスター・マクドウォールは本作について、「記憶の芝居であり、ある種、ベッドで読み聞かせをする大人にとっての子どもの本」と表現しており、本作を、俳優が観客と深い関係性を作る「俳優の芝居」としてつくりあげている。

開幕コメント

●演出 田中麻衣子
せたがやアートファーム 2025 での夏の一人芝居、刺激に満ちた 75 分になるように皆で稽古を重ねてきました。
遂に、開幕です。
劇場で、公園さん・万里生さん・松尾さんそれぞれのマークとクリエイティブチームと共に、変幻自在な演劇の魅力を一緒に体験してください。ちょっと特別な体験になると思っています。心よりお待ちしています。

▼出演(トリプルキャスト・五十音順)

●近藤公園
稽古の約一ヶ月間、主人公マークと共に「キャプテン・アメイジング」の世界を冒険するような日々でした。
ずっと「やれるのか?」「やるっきゃない!」と自問自答を繰り返してきましたが、一緒に考え、励まし、笑い、闘ってくれた演出の田中麻衣子さんを始めとするスタッフの皆さんのお陰で、今ここに立てています。
みんなで創り上げたこの作品を、お客さまにも愛していただけますように。

●田代万里生
ついに!僕の人生で最初で最後になるかもしれない【一人芝居】が開幕します。
これはとんでもない作品を引き受けてしまったと日々感じながらも、カンパニーの皆さんのお力添えもあり、稽古場では孤独を感じることもなく、何とも言えないワクワク感で満ち溢れることが出来ました。
一度も舞台からはけず、約 75 分前後の一幕ものです。観客の皆さんも、物語のラストにはほんの少しだけフワリと宙に浮いているかもしれません。お楽しみに!

●松尾諭
一人芝居、と聞くと「大変だ」とか「挑戦だ」と皆口を揃えて言いますが、皆さんが仰るほど大変ではない、と稽古開始当初はそう思っていましたが、今の感想は、大変です!
ただ、この芝居をやれて良かったと今は思います。その気持ちを最後まで持ち続けられるよう、精一杯楽しもうと思います。

舞台写真

ストーリー

「名前は? パパの、スーパーヒーローとしての名前。」
「えっと、キャプテン…アメ…イジング。ミスター・アメ…キャプテン・アメイジング。」
「その名前めちゃくちゃダサい! そんなダサいヒーロー、聞いたことないよ! キャプテン・アメイジングは、何する人??」ガランとした部屋。
男が一人、汚れたマントを着て立っている。彼の名はマーク。キャプテン・アメイジングだ。ホームセンターで働く、世界で最も地味で不健康で冴えないスーパーヒーロー。
宿敵との戦いに娘の学校への送迎、燃え盛る炎に飛び込んでの人命救助。空を飛びながらスーパーマンと苦悩を語り合い、酔っ払ってパブでバットマンと喧嘩。娘の「なんで?どうして?」と質問攻めの日々。娘のためにスパイダーマン柄の布団を買い、寝かせるために物語を作って語る日々。そんな英雄的冒険の傍らで、男は逃れられない最後のミッションに立ち向かうことになる。そしてスーパーヒーローも、悲劇と無縁ではないことを思い知らされるのだった。これはマントを着た一人の男とその娘の、たった 6 年間の記憶の物語である。