『Endless SHOCK』博多座初日通し稽古&囲み取材レポ

2015.10.14

堂本光一主演ミュージカル

『Endless  SHOCK』博多座公演 上演中!

すがすがしい秋晴れとなった2015年10月7日。2000年の初演から今年で15年目を迎えた堂本光一主演ミュージカル

『Endless SHOCK』が、今年の公演の締めくくりの地となる博多座で初日を迎えた。ローチケ演劇部では、その初日公演前に開かれた通し稽古と囲み取材の模様を少しだけお届け!

9月の大阪公演最終日から7日が過ぎ、博多座公演の 幕が開いた『Endless SHOCK』。初日公演前に行われた通し稽古では、華麗なるフライングやダンスナンバーはもちろんのこと、大阪公演終了から間もないとは思えぬほど疲れを見せることのない迫力のステージが繰り広げられた。その通し稽古の後には囲み取材会が開かれ、堂本光一のほかにライバル役の内博貴と劇場オーナー役の植草克秀が登場。2月3月の東京・帝国劇場、9月の大阪・梅田芸術劇場に続く最終公演地となる博多座公演への思いなどを語ってくれた。

 

博多公演は皆が心待ちにしていたようだが?―

堂本「大阪公演も、もちろん楽しみにやってきたんですけど、そのときから『博多に行くのが楽しみだね』っていう話を内(博貴)としていました。博多は、何を食べても美味しいんですよねぇ」

と堂本が語れば、堂本のライバル役として博多座への登場は3度目となる内博貴も

内「一年ぶりの博多ということもありますが、博多公演の楽しみの中には、もちろんご飯が!というのがありますねぇ」

と語った。

博多は“食”で彼らの胃袋をもしっかりとつかんでいるようだが、そんな彼らが食べるメニューについて質問がおよぶと―

 

堂本「メニューは・・・って、言わない!って言ってるじゃないですか(笑)! 言ったらそういう店に行けなくなっちゃうんです。だから言わないようにしてるんですよ~」

 

と、どうしても秘密にしておきたい領域の様子。続いては、オーナー役を急遽務めることとなった少年隊・植草克秀の話に。

 

9月17日の大阪公演当日、今年のオーナー役を演じていた女優・前田美波里が劇場へ向かう途中のスロープで転倒し左肩を骨折。当日は昼・夜公演をこなしたものの、ドクターストップがかかり翌日の夜公演には、4年前にオーナー役を演じた少年隊の植草克秀が代役として引き継ぐことに。そんなピンチをどう切り抜けたのだろうか?

 

堂本「美波里さんのことがあって、誰にオーナー役をやっていただこうか?という話になった時、この状況で出来るのは『植草さんしかいない!』という話になったんです。もちろん今までも先輩の偉大さは感じては来ていましたけど」

 

植草「あぁ(照れ気味に)…ありがとう(笑)」

 

堂本「先輩の懐の大きさと偉大さをすごく感じましたね。以前SHOCKへは劇場オーナー役で出て頂いていたとはいえ、その頃とは演出も台詞も多々違うところがあるので、それを数時間で頭に入れ込んで頂いて、翌日ステージに立っていただくという。。。僕なら嫌ですねぇ(笑)。それを植草さんはバシっとやってくださったんです!」

 

植草「あの時は、ジャニーさんからいきなり電話があって、『You、出ちゃいなよ』って言うんで、『何が?』って聞いたら、『SHOCK出ちゃいなよ』って言うんです。だから『なんの話?』って返したら、『ちょっと大変なんだよ。行っちゃいなよ』って言われて、なんのことが訳が分からず(笑)」

 

そんな社長からの代役の連絡を受けた時、植草自身はどこにいたのか?予定などはなかったのかが気になるところだが―

 

植草「東京にいました。予定?ありましたよぅ!」

 

堂本「そう。あったんですよねぇ?(笑)」

 

植草「どこに行くつもりだったかは・・・言いませんけどっ(笑)。全部キャンセルですよ」

 

と、実は海外に行く予定があったことが判明。それをキャンセルし、大阪へと向かうことになったという。

 

植草「行っちゃってたら、いなかったんですよ?」

 

堂本「でもほんっとに!それで行っちゃってたら、(植草さん)いないんですよね。そうなると…僕らとしても、SHOCKをもしかしたら中止してたかもしれないですね。だから、ほんっとに植草さん、“様・様”なんですよ」

 

植草「その日は、たまたまいたんですよ。偶然なんですから。それで、代役の話があってすぐに台本をもらって、歌も頭に入れて。なんとかやりましたよ!『Show must go on』ですよ!!」

 

堂本「その日が夜公演だけだったので、その前の4時間くらいですが、植草さんの立ち位置とかもあるので、皆で集まってそのシーンを作っていきました。歌の場面も美波里さんのキーを変えずに」

 

植草「キー高いんですよねぇ。でも、なんとか頑張ってますけどね(笑)」

 

と、事務所の先輩・植草が偶然にも日本にいてくれたことで、公演中止を回避できたという奇跡が起きていた。『Endless SHOCK』という作品が、何かに守られているかのようにさえ思えるエピソードだった。

 

そして話は博多座初日前日の話題に―

堂本「今日が初日なので、昨日はリハーサルも早めに終われたこともあって、アンサンブルも含めて全員でご飯に行こうということになったんです。でも、だいたい今までだと、そんな時に植草さんは来ないんですが、昨日は来てくださって、すっごく楽しくお話も出来て、うれしかったんです」

 

植草「俺も楽しかったよ~。話は・・・いろんな話をしましたね。昔の話とか。あとは・・・(笑)、まぁ二人で盛り上がる話もして。内もいましたけども、男同士の話っていろいろあるじゃないですか、盛り上がる話…あるじゃないですか!そんな話もして楽しかったんです」

 

堂本「もしかしたら大阪公演では、やっぱりなんていうんだろう・・・、僕としては”代役”という言い方をしたくないんですけど、植草さんに遠慮がもしかしたらあったのかな?と思ったんですね。だけど昨日そうやって食事に行って、皆と一緒に楽しくしてくださっていたので、それを見てすごく良かった~って思いましたね」

 

植草「仲はいいんですよ?(笑)。あ、でも内は俺が来ることになって『イヤだ』って言ったらしいですよ?『えー!』とか言って(笑)」

 

内「いやいや、(全力で)言ってないっすよ!言ってない!言ってない!」

 

堂本「でも、鳥肌立ってたよなぁ?」

 

内「鳥肌は立ってました(笑)! かっちゃんさん来るんですか!?って。その時は光一君から聞いたんですよ。ビバさん(美波里さん)がケガをされたのは知っていたんですが、そこまでのケガとは知らなかったんです。それで、光一君が僕の楽屋に来て、『植草さん来るよ』って。なんのことか分からなかったんですよ」

 

堂本「そうそう、スパッツだけで上半身裸でいて(笑)」

 

内「なんのことですか光一君・・・何言うてるんですかっ。。。そしたら、『植草さんがオーナーやるよ!』って。うわ~帰って来るんだぁ植草さん!って。4年前、僕が初めてSHOCKに出た時に植草さんがオーナー役で一緒に共演していたので、懐かしい思い出を思いだして、いろんな意味で鳥肌が立ちましたね」

 

と最後には、3年ぶりの共演とは思えぬ三人の軽妙なやり取りが自然と飛び出す場面も。その和気藹々とした空気感が短期間で出来上がっている姿に、植草の途中参加が嘘のようにさえ感じさせられる。そして、『“代役”という言葉は使いたくない』と堂本自身が語ったように、誰の代わりもいないがピンチには皆で皆をフォローをできる結束力が、15年という歴史を積んできたこの舞台には備わっていることも、『Endless SHOCK』の魅力の1つでもあるのだろうと感じずにはいられなかった。

 

そして最後に、座長・堂本光一より博多座公演への豊富が語られた ―

堂本「ここに、本来であれば美波里さんがいて、ステージに立っていたはずなんですけども。美波里さんの思いは、絶対にステージにのせながらやらせていただきますし、植草さんの大きな懐に飛び込んで迷いなくやらせていただいております。これから本番初日を迎えるわけですけど、本当に博多の劇場も街も素敵なので、楽しみにしていました。今回4回目のSHOCKも、お客様にステージから何かを届けることができればいいなと思っております。来られる方は楽しみにしていて欲しいなと思います。よろしくお願いします!」

 

15年という節目の年に起きたピンチを見事に跳ね除けたSHOCKのカンパニーはより強い絆を結んで、博多座へと乗り込んで来た。このカンパニーの底力を千穐楽まで見届けたい。