「銀幕の果てに」は1994 年に発表された、つかこうへいの長編小説である。
秩父山中にあるという設定の大東映画撮影所を舞台にして、映画界の裏側を描きながら繰り広げられる告発サスペンスの物語である。
伝説の女優「玲子」のまわりに起きた奇っ怪なエピソードや撮影所に隣接する原子力発電所の意味、燃料棒の中に浮かび上がるハサミの謎、荒唐無稽な設定と、どこからどこまでが撮影している映画の内容なのか、どれが現実でどれが物語なのかが錯綜する…。
この小説は、1989 年に発表された戯曲「今日子」をベースに着想し、現実と虚構が行き交う「つか版マトリックス」とも言えるバーチャルな世界を描いたSFサスペンスの物語である。
果たして伝説の女優「玲子」は存在したのか?そして撮影中の映画「火の鳥」は完成するのか?
2019 年春のつかこうへい復活祭VOL.2 として女優版のバックステージ秘話とも呼べるこの小説を戯曲化し、紀伊國屋ホールにて上演する。
幻の女優「玲子」を、昨年「LADY OUT LAW!」で鮮烈なテロリストを演じた矢島舞美 が、17 歳から60 歳までの女優の人生を演じる。
玲子を追い、撮影所の謎を解く「村雨」に、「熱海殺人事件」の木村伝兵衛で3年連続紀伊國屋ホール主演を果たした味方良介。
玲子に虐げられ女優としての限界に悩む脇役女優「凉子」に、つかこうへい作品への参加は、昨年の「熱海殺人事件」に続き、二作目となる、木﨑ゆりあ。
謎の脚本家には、もはやお笑い芸人の枠を超え、演劇作品への出演のみならず、演出も手がけている、お笑いコンビ「NON STYLE」の石田明。
劇中で全ての人物に光をあてていく照明家に、映画「怒り」で2016 年度日本アカデミー新人賞に輝き、現在、日本テレビ連続ドラマ「3年A組」で活躍する佐久本宝。
加えて、つか作品にはお馴染み、北区つかこうへい劇団出身、影マイクの貴公子、久保田創。
さらに、劇団4ドル50セントのリーダー、岡田帆乃佳が初のつか作品にチャレンジする。
そして、この壮大な作品を完成させようと目論む奇才の映画監督「牛沢」に、EXILEのエンターテイナー松本利夫 が挑む。
全面改定新作とも言える告発サスペンス物語「銀幕の果てに」にご期待ください。
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つかこうへい