10月5日(日)に開幕を控える音楽劇「MONDAYS」稽古場レポート到着!!

2025.09.19


ロングランヒットした映画作品が音楽劇として甦る!10月5日(日)に開幕を控える音楽劇「MONDAYS」稽古場レポート到着!!

来る10月5日(日)よりPARCO劇場を皮切りに、大阪・長野で上演されるPARCO PRODUCE 2025 音楽劇「MONDAYS/このタイムループ、まだまだ終わらない!?」。公演へ向けてキャスト・スタッフが一丸となって邁進する稽古場より、稽古の模様を収めた写真とレポートと、映画「MONDAYS」の監督・共同脚本:竹林亮氏、脚本:夏生さえり氏と、音楽劇「MONDAYS」の上演台本・演出:ウォーリー木下、作詞・作曲・音楽監督:三浦康嗣(□□□)よりコメントが届きました。

 

REPORT

このシーン、もう何度目? とタイムループの世界に引き込まれる新感覚の音楽劇

2022年の公開時、その面白さが口コミで広がると、80館を超える映画館でロングランヒットを記録した映画「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」(監督:竹林亮 脚本:夏生さえり・竹林亮 配給:パルコ 企画製作:CHOCOLATE Inc.)。舞台版「MONDAYS」は、薮宏太演じるプランナー村田を主軸にした、映画とは目線を変えたオリジナルストーリーが加わる音楽劇だ。9月初旬、たくさんの仕掛けや試みを詰め込んだ稽古場を訪れた。

広告代理店「Zコミュニケーション」のオフィス。演出のウォーリー木下の合図と共に、キャストたちがステージ上の自分のデスクに着いた。すでに役柄通り、オフィスで疲弊した姿に見えるから不思議だ。音楽劇『MONDAYS』は、月曜日から始まる一週間をタイムループするストーリー。

一幕前半、徹夜明けのオフィスで社員たちが目覚める。流れるような台詞の掛け合いと動きは一見すると普通の芝居なのだが、所々でウォーリーからのきっかけの合図や音、カウントが聞こえる。三浦康嗣(□□□)が手掛ける、膨大な日常音を取り入れた音楽と共に舞台が進んでいく。

なるほど音楽劇といっても一般的にイメージするものとは少し勝手が違うようだ。キャストらは常に音やカウントを感じながら台詞と動きを体に刻み込んでいく。

タイムループに気づき、そこから抜け気出そうと先陣を切る村田(薮宏太)と遠藤(平間壮一)は、会社の先輩後輩。スマートだが、なにかを抱えていそうな様子の村田と、人懐っこさを前面に出した遠藤、演じる二人にはすでにバディ感が生まれている。

仕事に邁進するプランナー吉川(南沢奈央)が、ロートーンで同僚に詰めよる様子も、忙し過ぎる職場あるあるだ。

ディレクターの平(岡田義徳)が、コーヒーをこぼして熱がる瞬間のシーンでは、岡田の提案でいくつかのタイミングが試された。コーヒーを拭く事務の神田川(大空ゆうひ)も、それにすかさず合わせにいくなど、舞台経験が多い役者たちの仕事っぷりが光る。

月曜日から火曜日に移るシーン。映画なら一瞬で切り替わる場面も、ここではデスクから会議室まで8カウントで移動する。こうしたシーンが舞台上で何度も繰り返されるのだから、やはり一筋縄ではいかない作品だ。

アイドルオタクのデザイナー森山(森田甘路)がオフィスを横切りながらトイレに駆け込むまでの身のこなしも楽しい。楽しいといえば永久部長(梶原善)の明るい声だ。「グッドモーニン、また徹夜、若いねー」と出社してくる場面の繰り返しが、タイムループしていることを印象づける。

ほかにも村田の婚約者ちさを演じる吉本実憂、オフィスにたびたび荷物を届けに来る配達員を演じる松尾敢太郎はそれぞれが複数のキャラクターを担うので要チェックポイントだ。

どうやってタイムループを抜け出すのか。そして、個性派ぞろいのキャストたちが劇中で奏でる歌唱(ラップ)のリズムと歌詞が、どのように物語に溶け込むのかも楽しみでならない。今は期待と想像を頭の中でループさせながら開幕を待とう。

 

取材・文:演劇ライター 栗原晶子
写真:カメラマン 田中亜紀

クリエイターコメント

竹林 亮 【映画「MONDAYS」 監督・共同脚本】
本当は映画で描きたかったけれど、描ききれなかった部分まで舞台では観られるそうで楽しみです。例えば、映画は吉川でしたが、舞台で主にストーリーを回して行くのは村田と遠藤の先輩後輩コンビ。あの二人がわちゃわちゃしている姿が見られるのがいいですね。村田の映画オタクっぷりがさらにあがっているのも嬉しい。僕自身、何度も観たくなることは確定しているので、劇場に週1で通います!


夏生さえり 【映画「MONDAYS」 脚本】

脚本を書いた当時、これ本当に映画に出来るの? と思いましたが、さらにこれが舞台になるなんて想像もしていませんでした。舞台では映画と違って、自分が気になるキャラクターの台詞や動きにフォーカスしながら観られるのが楽しみです。DVDや配信で映画を見るのとは違って、舞台は一時停止したり、巻き戻してみることが出来ません。1週目と2週目の違いが何だったかも確認したい。登場人物たちすべての動きが気になるのでとにかく目が足りないと感じると思います。


ウォーリー木下 【音楽劇「MONDAYS」 上演台本・演出】

この舞台は役者をすごく疲弊させるんだろうなと分かりながら作品づくりに入りました(笑)。演劇の稽古場はいつだって繰り返しタイムループしているようなもの。だからこそお客様にも生ものの魅力を存分に味わっていただける舞台になると確信しています。上演台本と演出を手掛けるにあたって映画「MONDAYS」に関する資料やインタビュー、ファンの方の考察も読み込みました。群像劇としての面白さを詰め込めたのは、映画の細かな設定があってこそ。今までに観たことがないような実験的な音楽劇になると思います。


三浦康嗣(□□□) 【音楽劇「MONDAYS」 作詞・作曲・音楽監督】

観たことのない音楽劇の誕生です。「MONDAYS」の音楽には、オフィスや日常で聞こえる音が何度もループして使われます。また、皆さんが歌うラップ曲では、キャラクターやストーリーを反映しながら、楽しく韻も踏んでいるのでぜひ歌詞にも注目して、何度でも音楽のループに気持ちよく嵌まりに来てください。

 

[あらすじ]

小さな広告代理店「Zコミュニケーション」。「チーム永久」のメンバーは、部長の永久(梶原 善)、事務の神田川(大空ゆうひ)、クリエイティブディレクターの平(岡田義徳)、デザイナーの森山(森田甘路)、プランナーの吉川(南沢奈央)、プランナー兼営業の村田(薮 宏太)、プランナー見習いの遠藤(平間壮一)の7人。遠藤と村田は 同い年だが、入社は2年村田が早く、遠藤は村田のインテリっぷりを敬愛している。

今週は地獄だ。
先輩の吉川が自分のキャリアアップ転職のためにとってきた案件(中身はしょうもなく、やる気は起きない)「味噌汁炭酸タブレット」のプレゼン資料作りの手伝いと、1ヶ月後に迫ったショッピングモールのクリスマスイベントの打ち合わせ(これはこれで毎年同じことをすればいいだけの大したことのない仕事)で時間に追われている。

あわただしく過ぎていく毎日、現実だと思っていたら実は月曜~日曜の1週間をタイムループしている地獄だった!!社員が巻き込み・巻き込まれしながら、チームで新しい月曜日を目指す。