川畑泰史・小野坂昌也presentsボイコメ!~声優と新喜劇の朗読ライブ~|川畑泰史&小野坂昌也 インタビュー

吉本新喜劇×人気声優が生み出す
予測不能な化学反応に注目

吉本新喜劇と人気声優のコラボによる『朗読劇ボイコメ』が12月に開催される。出演のみならず脚本も手がける新喜劇の川畑泰史と、今回が同シリーズ3度目の出演となる小野坂昌也は息ぴったりだ。

「最初は、とにかく稽古をしないことにカルチャーショックを受けましたよ」と小野坂が笑えば「世の中の人は全員稽古が嫌いやと思ってた。小野坂さんに怒られて目が覚めました。この前の公演では前日に稽古したんですよ!」と川畑。それにすかさず「前日でええわけあるかい!」と艶のある声でツッコむ小野坂。

このシリーズを通じ、人気声優たちが役のままアドリブに対応して自由に演じる姿に感銘を受けてきたという川畑。中でも小野坂が初めて『ボイコメ』に出演した第2回公演で、川畑は明確に「負けた」と感じたという。「声優さんならではの、声にいろんな表情を乗せて表現するという面ではそら敵いません。でも、笑いの部分では絶対負けへんと思ってたんです。そしたら、小野坂さんバチバチに笑いをとりはって」

そんな小野坂の存在が『ボイコメ』継続の大きな足がかりになったのではないかと川畑が真面目に語れば、小野坂が「でも僕より緑川光くんが出演した回の方が、盛況だったらしいじゃない?その回はさぞかし気持ちよかったんでしょうなあ(笑)」とまぜっ返し、川畑がタジタジになる場面も。

川畑はちょうど、12月の新作台本の執筆真っ最中だという。「これまではよくある吉本新喜劇のシチュエーションを題材にとっていました。で、今回は声優さんのファンの方にももっと喜んでいただこうと思って、ちょっとゲームの世界に転生するような。異世界転生をテーマにしようと思っています」

そう語る川畑の構想に「大阪のおっさんが考える異世界転生ですから。もうそれだけで笑えてくるでしょう?僕、読むだけで『これなんやねん!』と笑ってしまうと思います」と小野坂。新作について語る中で、小野坂が「演者が客席に降りて行って歩き回るような演出は?」と提案すると「それはいい!ちょうど今、歩いているシーンをどうしようかと悩んでたところやったんです。そうしましょう。今、完成しました!」と大喜び。
さらに「こんなふうに、お客さんからもやってほしいことがあればぜひ知りたい。本番に入れ込みます!」とアドリブ宣言も。小野坂が「客席を歩いた時に後ろの席にお客さんがいなかったら寂しいので、ぜひとも来てください!」と語気を強めた。

インタビュー&文/釣木文恵
Photo/中田智章

※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布

【プロフィール】

川畑泰史
■カワバタ ヤスシ
1991年に吉本新喜劇に入団。2007年に座長に就任し、新喜劇の台本を500本以上手掛ける。2024年から朗読劇「ボイコメ」の脚本を手掛ける。

小野坂昌也
■オノサカ マサヤ
声優として「テニスの王子様」シリーズ桃城武など人気キャラクターを演じるほか、ナレーター、ラジオパーソナリティと幅広く活躍。