市村正親・松雪泰子・本田響矢・豊原功補が登壇!音楽劇『エノケン』囲み取材レポート

2025.10.11

戦前・戦中・戦後……と、昭和の日本をとびきりの笑いで照らしつづけ、“エノケン”の愛称で親しまれた榎本健一。
人生のすべてを喜劇に捧げ、「日本の喜劇王」と謳われたエノケン。そして、彼を愛し、支えつづけた、家族や仲間、ライバルたち……。
音楽劇『エノケン』では、歌って踊って芝居で笑わせ泣かせる、現代最高のエンタテイナー市村正親が、満を持して榎本健一を熱演する。
今回は10月6日に公開されたの囲み取材の模様をお伝えする。

登壇者コメント

市村正親(榎本健一 役)

エノケンを演じます、市村正親です。
年齢に負けないように、パワフルにエノケンを演じております。

―見せ場はどんなところでしょうか?

もう、出ずっぱりなんで全部見せ場ですね(笑)。
普通エノケンって言うと、舞台上の話はみんな映画とかで知ってると思うんですけども、彼の私生活や、稽古だとか、その根底にある部分はあんまり知られていないので、それがまあ、今回又吉さんがしっかり書いてくださったんで、その部分をしっかりと演じていきたいなっていう風に思っております。

松雪泰子(花島喜世子・榎本よしゑ 役)

喜世子とよしゑの二人を演じさせていただきます松雪泰子です。
(二役なので)早着替えといった、物理的な大変さもありますが(笑)、そういったところの表現を楽しんでいただければと思います。
また、ノンストップでエノケンさんを見続ける中で、時間が変わっていく、演劇の面白さを感じながら、とにかく駆け抜けてまいりたいです。

本田響矢(榎本えい一・田島太一 役)

※榎本えい一の「えい」は「かねへん(金)」に「英」とが正式表記。

エノケンさんの息子の、榎本えい一と劇団の田島太一の二役を演じさせていただきます、本田響矢です。僕自身は、7年ぶりの舞台で、1ヶ月稽古を重ねて、とてもたくさん学ばせていただいたので、全力で東京と地方を含めて、約2カ月間全力で頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
見せ場は、やっぱりえい一としては、(演技を)重ねる中で、本当に家族のことが大好きだなあっていうのをすごく感じたので、その家族の絆というか、家族との紡いでいた時間みたいなものを、ぜひ楽しんでいただけたらなと思います。
そして、田島は本当に全力で、エノケンさんのもとで生きていますので、舞台冒頭のシーンなんかをぜひ楽しんで見ていただきたいです。

豊原功補(菊谷榮 役)

豊原功補です。菊谷榮という、エノケンさんの座付き作家を演じさせていただきます。歌など、舞台の方も盛りだくさんになっておりますので、ぜひ、楽しんでいただけたらと思っております。
なにより、市村さんが本当にちょっと大変そうといいますか、心配になるぐらい出ずっぱりなので(笑)、できる限り面白い舞台になるように支えていければと思っています。

あらすじ

一九五二年、エノケンこと四十八歳の榎本健一(市村正親)は地方公演の舞台に立っていた。
「洒落男」「エノケンの月光値千金」「東京節」……十八番のエノケン・ソングで観客を大いに沸かせ、舞台狭しと駆け回ったその右足を激痛が襲う。
終演後、薄暗い舞台上で痛みに耐えるエノケンを探して、息子・榎本えい一(本田響矢)がやってくる。
父を慕ってやまないえい一を相手に、エノケンの思い出話に花が咲く―—
遡ること二十年以上前。
浅草でエノケンが結成した劇団「新カジノ・フォーリー」には、妻で花形女優の花島喜世子(松雪泰子)、座付作家の菊田一夫(小松利昌)、劇団員の田島太一(本田響矢・二役)らが集っていた。
絵描きから座付作家に転じた菊谷榮(豊原功補)は、今やエノケンにとって欠かせない朋友だ。
エノケンの師匠・柳田貞一(三上市朗)、エノケンのライバル・ロッパこと古川緑波(斉藤淳)など、賑やかな顔ぶれが浅草の劇場街を盛り上げていた。
一方、エノケンの芸をこよなく愛する芸者のあい子(本名・よしゑ 松雪泰子・二役)も、エノケンたちと行動を共にするようになる。家では喜世子が、息子のえい一と共に夫の遅い帰りを待っていた。
時代がきな臭さを増す中、日毎に厳しくなる当局の目をかわしながら、エノケンたちは自分たちが信じる喜劇を上演し続ける。だが一九三七年、日中戦争が勃発。菊谷は戦地に召集され、命を落とす。
そして終戦から七年。喜劇俳優として最大の武器である足を病魔に冒されたエノケンは、喜世子とえい一の励ましを受けて、血の滲むようなリハビリの末に復活を遂げる。その後も度重なる過酷な試練に見舞われながら、何度絶望の淵に落とされても、エノケンは喜劇俳優であることを決して諦めようとはしなかった──。
※本作はフィクションです。一部史実とは異なる箇所が含まれます。

音楽劇『エノケン』は10月7日(火)から10月26日(日)まで日比谷シアタークリエ(東京)にて上演される。
その他、大阪・佐賀・愛知・川越公演も予定。
詳細は公式HPから