ヨーロッパ企画第44回公演「インターネ島エクスプローラー」│上田誠&金丸慎太郎&金子大地 インタビュー

“伝説の島・インターネ島”を巡り、冒険に次ぐ冒険が繰り広げられる!

上田誠率いるヨーロッパ企画の新作本公演がいよいよ開幕!今回は“未踏の島”を巡る冒険に次ぐ冒険が繰り広げられる王道コメディとなる。どんな作品になりそうか、上田と、昨年正式に劇団員となった金丸慎太郎、今作が初参加のゲスト、金子大地に語ってもらった。

上田 今回は、金丸くんの入団記念でもあるから彼を座長に据えて、旅好きなイメージがあるので冒険モノにしてみました。

金丸 僕は10年以上、10本近く客演で出ていたことになります。劇団員になったことで今回は脚本会議にも参加し、こういう領域にも関われるんや!という喜びがありました。

上田 金子くんは、僕が脚本を書いた『魔法のリノベ』というドラマで演じていた久保寺という役が、突き抜けて素晴らしくて。すっかり惚れ込んでしまい、今回お声がけしました。

金子 僕らの世代ならみんな憧れている歴史ある劇団に、しかも本公演でご縁をいただけるとは!キター!と喜びつつも驚きました。

金丸 劇団公演だと稽古期間も含めると4カ月にわたって、ご一緒するんですからね。

上田 しかも僕ら、京都で稽古するので。

金子 だから僕、稽古中はウィークリーマンションを借りて京都に住んでいるんです。

取材時は稽古突入から約2週間が経った時点で、瞬発力や発想力が試される即興のエチュードの稽古が日々繰り返しおこなわれているとか。

金子 そもそも自分がどういう役かも決まっていませんでしたし、台本もない状態での稽古ってなかなかない経験で、最初はビビってました。でも初日にエチュードをやってみたらとても楽しくて。最近では、いろいろなことを積極的に試せるようになりました。

金丸 マジで最初から金子くんはめちゃくちゃパワフルで、エチュード初めてだなんて嘘やろ?ってくらいに上手で面白かったなあ。

“インターネ島”を物語の舞台にして、二人の役柄はどんな設定になっているのだろうか。

上田 地球上には未踏の地などないくらいにほぼすべてがネットワーク上で捕捉されている時代のお話で。とあるきっかけでイースター島よりさらに東にある伝説の島の存在を知った自称冒険家を金丸くんに、彼の大学時代の同級生で同じ冒険部だった超エリートを金子くんに演じてもらいます。互いに反発していた二人が、なぜか島の探検中に出会うわけです。

金子 僕の役としては金丸さんを振り回しつつ、お互いバチバチに切磋琢磨していけたらいいなと思っています。

金丸 登場人物は金子くん含め、みんな冒険家。僕は中でも特に“冒険にうるさい冒険家”なので、その矜持みたいなものが滲み出るように表現できれば、と思っています。

金子 僕は、経験したことないくらいの大きな笑い声というものを早く聞きたいです。

金丸 ホント、ヨーロッパ企画のお客さんたちの笑い声の大きさにはぶっ飛ぶと思う!

上田 金子くんは“惚てってるズ”でコントもやられているから、心強いですよ。今回の公演は最新作にして自信作になりそうです。

金子 演劇を初めて観る方にも、もってこいの作品ですし、まるで遊園地のアトラクションに乗る感覚で楽しんでもらえるはずです。

金丸 ヨーロッパ企画ってちょっとレジェンドみたいに思われているかもしれませんが、でも決して安定を狙わずに、上田さんがやろうとすることは常にソリッドで意欲に満ちた作品ばかり。今回も情熱的で革新的な作品になると思いますから、ぜひとも劇場へ!

インタビュー&文/田中里津子
Photo/岡田晃奈

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

上田誠
■ウエダ マコト
ヨーロッパ企画代表。本公演の脚本・演出を担当。外部の舞台や映画、テレビドラマの脚本、番組の企画構成も手掛ける。

金丸慎太郎
■カナマル シンタロウ
数多くの舞台出演を経て、2024年末にヨーロッパ企画に入団。舞台のみならずバラエティー番組などにも出演する。

金子大地
■カネコ ダイチ
テレビドラマや映画、舞台に数多く出演。2026年公開の映画『教場 Requiem』『万事快調』に出演予定。