舞台『黒百合』初日開幕コメント&舞台写真が到着!

2026.02.06

撮影:細野晋司

この度、世田谷パブリックシアターにて上演する舞台『黒百合』が開幕し、演出・キャストによる開幕コメントと舞台写真・トレーラーが到着した。

コメント

演出:杉原邦生
泉鏡花の言葉と出逢い、演出家として新しい感性が目醒めていくような、同時に、ずっと根っこにあったものが掘り起こされていくような、不思議な感覚で稽古をしてきました。そして公演初日、その両者が渾然一体となって現れた舞台を観て、興奮しました。まさにキャスト・スタッフの総力戦。演劇のエネルギーを十二分に体感していただけるはずです。ぜひ劇場にお越しください。ご来場をお待ちしております!

木村達成(千破矢滝太郎役)
ようやく初日を迎えることができました。
本当に皆様のお力があって、出来上がった作品のような気がします。
すばらしい物語の中に、自分達の欲望がつまったこの『黒百合』を是非劇場でごらんになってください。
自分にとって大切なモノがみつかるかもしれませんよ。

土居志央梨(勇美子役)
この物語は若者たちの青春であり成長物語であり、私たち生きものの命を見つめた作品です。
世田谷パブリックシアターの最高の空間でお客様と繋がって、心と身体を躍動させて、千秋楽まで黒百合の世界を冒険したいと思います!

岡本夏美(雪役)
私が雪という役に出逢えたのは、雪が黒百合をとりにいく運命のように、導かれたもののような気がします。
雪が1人の女性として成長していく姿を、皆様に観劇していただくことで、やっと完成する雪、そして「黒百合」。
たくさんの方にご観劇頂けることを楽しみにしております!
雪と共に”黒百合”を探しに、人生を冒険しましょう!

白石隼也(若山拓役)
今と比べれば、人々に選択の自由を与えられていない少し前のお話。だからこそ、きっと溢れていた彼等の様々な渇欲が、舞台上に大きなエネルギーを持って立ち上がりました。
世田谷パブリックシアターでお待ちしております!

白石加代子(荒物屋の婆さん役)
初日の幕が開き、鏡花の物語が舞台の上で静かに息を始めました。一夜を終えて感じるのは、言葉が人の身体をかりて生きる、その不思議な力です。客席から届くまなざしや呼吸に支えられ、物語は思いがけない表情を見せてくれました。ここから日々、舞台は変わっていきます。どうぞ劇場で、『黒百合』の夢が咲き続ける瞬間を、最後までお見届けになってください。

舞台写真

撮影:細野晋司

トレーラー

ものがたり

明治後期、越中・立山。県知事の令嬢・勇美子(土居志央梨)は、屋敷に出入りする花売り娘・雪(岡本夏美)に、仙人か神しか見たことがないという幻の花「黒百合」を採ってくるよう命じる。黒百合は、足を踏み入れるだけで暴風雨が起こると恐れられる「魔所」の滝のそばに咲くとされていた。盲目の恋人・拓(白石隼也)の治療費を得るため、雪はその危険な依頼を受ける。
一方、浅草で孤児として育った滝太郎(木村達成)は、突然現れた男に華族の血を引くと告げられ、富山の子爵家・千破矢家へ迎えられ、侠気ある青年に成長するが、生まれつきの手癖の悪さは直らず、盗賊としての裏の顔を抱えていた。
ある日、県知事邸で雪を目にした滝太郎は心を奪われ、彼女を狙う男たちを懲らしめるうち、自らも黒百合採りに挑む決意を固める。幼少期から滝太郎を知る盗人・お兼(村岡希美)から「お前の盗みはゴミを漁る犬のよう」と言われ、誰も成し得ないものを盗みたいという衝動が芽生えていたのだ。
雪は献身的に尽くされる拓は甘えることを恐れ、敢えて彼女を突き放してしまう。彼もまた、胸の内に秘めた事情を抱えている。隣家の荒物屋の婆さん(白石加代子)は、そんな二人を優しく見守り続けていた。
滝太郎が“大盗賊”へと成長してゆく軌跡を縦軸に、滝太郎・雪・拓の三角関係、さらに勇美子が手元で愛でるモウセンゴケ(食虫植物)の内に広がる、夢とも現実ともつかない異界が重なり合う。冒険譚、恋愛譚、怪異譚……数多の物語が交錯しながら、鏡花文学ならではの幻想的な人間模様が浮かび上がる。