幸せを問う音楽劇、Wキャストで待望の再演!
劇作家、演出家、俳優と多彩な活躍を続ける根本宗子と音楽ユニットのチャラン・ポ・ランタンがタッグを組んだ音楽劇『超、Maria』が再演される。今回は根本×ももの初演メンバーに加え、田村芽実×清水くるみの新たなペアを迎え、Wキャストでの上演となる。「2020年の初演では公演中にコロナ禍に突入。不安の中で仲間たちと舞台に立ち続け、作品以上の何かを共有した特別な座組でした。その後に無観客配信でも上演して、私の中では完結していて。でも、配信を見てくださった方などから『あの時、すごく支えになりました』というお声をいただく中で、もともと再演するよりも新作を、というタイプですが、この作品に関しては再演もありかも?とふんわり浮かんではいたんです。そんな時、田村芽実ちゃんから『どうしてもこの役を舞台でやりたい』と連絡をもらいました。ほかの誰かに演じてもらうことはアイデアになかったし、彼女の熱量に背中を押されて、再演を決めました」
本作は、近しい境遇の少女2人が意気投合し仲良くなるが、とある秘密に触れてしまったことで「わたしの不幸は誰かの幸せ」と気づき、幸せとは何か?という問いの答えを求めていく物語。初演の際は「女の子のための現代演劇」というコンセプトの中で制作されている。「当時は、お洒落なカフェに行くような感覚で演劇を見る女の子が増えている実感がありました。だから、ファッションやカルチャーの延長として『見に行くだけで気持ちが上がる』ような、視覚的にも内容的にもワクワクする作品を目指していました。ストーリーに関しては、ももさんが非常にストレートな方なので、彼女に合わせて、嫉妬心などの感情をあえてオブラートに包まずに書けたように思います。その直球さが、今の時代にはえぐり取るような快感や共感に繋がったのかもしれません。『女の子のための』という言葉をつけたのはシンプルに劇場に来る客層で当時一番増やしたかったのが若い女性層だったからです。作品自体は常に今を切り取っているようで普遍について考えているので根源的な少女性を描き、今でも作品の鮮度は落ちていないという自信があります」
チャラン・ポ・ランタン小春による音楽、東佳苗が手掛けた舞台装飾・衣裳に加え、カンカンバルカン楽団による生演奏が、作品独自の世界観を体現する。「小春ちゃんの作品読み取り能力が凄すぎるのと、脚本が完全ではない段階から、物語全体のダイナミクスを計算して曲順まで決めてくれたことが、成功の最大の理由だと思います。東佳苗ちゃんは同い年で、同じ時代を駆け抜けてきた戦友のような存在。彼女が持つ独自の美学や、私にはないセンスには強い憧れとリスペクトがありますし、絶大な信頼を寄せています。初演の時は、止まらずに走り抜けながら構築した『いい意味でバグっているような勢い』がありました。今は当時より冷静になりましたが、そのハチャメチャさを損なわないよう、直感を信じて新しい演出を施していきたいです」
公演では「超、ドレスアップDay」や「超、前説付きキャストと一緒に観劇Day」といった企画もあり、観客が一体となり賑々しく上演する。「夏ですし、客席の緊張感を和らげて、みんなで柔らかく楽しめる仕掛けを用意しました。ほかではなかなか見られない種類の演劇になっていると思うので、あまり構えすぎずに“え、何これ?”という勢いのまま劇場に来てください。あと、芽実ちゃんとくるみちゃんが出ている回は、小春ちゃんが生演奏しているのに、ももちゃんが出ていないんです。それって実は貴重な機会だと、最近気づきました(笑)。本当に楽曲が素晴らしい作品なので、作品と音楽、浴びに来てほしいです」
インタビュー・文/宮崎新之
プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:手土産、差し入れを選ぶ時はまず冷蔵庫があるかないかを聞きます。あるなら喉ごしのいいものとか舞台が終わった後に食べやすいものを選びます。あとは時期を考えます。公演が長期の場合、最後のほうだと差し入れもたくさんあると思うので、あえて手ぶらで行くことも考えます。なので、大事なのはタイミングと冷蔵庫があるか、ないかです。冷蔵庫があるなら「あんみつ」を持っていきます。
※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載

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【プロフィール】
根本宗子
■ネモト シュウコ
月刊「根本宗子」主宰。演出家、脚本家、俳優と幅広く活躍する。2025年は「ワイルド・グレイ」日本公演の演出・上演台本・訳詞を担ったほか、Netflixシリーズ「My Melody & Kuromi」の脚本を担当。
