小劇場空間でしかありえない芸術創造を!岸谷五朗による新たな演劇プロジェクトが始動
俳優として演劇の世界に足を踏み入れてから早40年となる岸谷五朗。舞台のみならず映像の世界でも多岐にわたる作品に出演し、自身が主宰・作・演出を手掛ける「地球ゴージャス」は2024年公演で30周年を迎えるなど、岸谷は俳優・作り手として常に走り続けている。
トップランナーとして様々な活動し続ける岸谷は心の奥底にずっと「地球ゴージャス」の今があるのは、小劇場での創作活動を経て、大劇場へステップアップできたからこそ、という想いを持ち続けていた。そんな小劇場への熱い思い、そして「地球ゴージャス」とは違った表現を生み出すべく、年代を超えて最高に価値のあるものを創り出すという意味を込めて“PRIME VINsTAGE”と題し、新たな作品作りに挑む。
旗揚げ公演となる『ジャコメッティのように』では、岸谷が長く心を惹かれてきた芸術家アルベルト・ジャコメッティの生涯と彼を取り巻く人間模様をモチーフにオリジナル作品を上演。果てなき探究に取り憑かれた「芸術家」と彼を愛し支える「妻」、その狂気と魅力に呑み込まれていく「友人」。三人の奇妙で魅力的な関係は、芸術、愛、そして“生きることの意味”を観客に問いかける。ジャコメッティの精神に導かれながら描かれる、可笑しくも切なく、美しい人間讃歌が俳優たちの息遣いまでも感じる濃密な劇場空間で立ち上がる。
渡部豪太、純名里沙、岸谷五朗が繰り広げる天才じゃない、凡人たちの物語
すべての作品を完成させなかった未完の天才芸術家アルベルト・ジャコメッティとその妻、そしてその友。3人の強い絆と危うい関係性は、現代を生きる芸術家にも強い影響を与えている。が、現代の芸術家と妻、その友人たちは、そんなカッコ良く思い通りには何事も進まなくて……。
出演は、俳優として、映像・舞台作品で数多くの作品に出演し、2015年から約10年にわたって放映された教養・旅番組「ふるカフェ系 ハルさんの休日」では様々な地域の人々との交流を通して古民家カフェの魅力を届ける番組に出演するなど、幅広いジャンルで活躍する渡部豪太。
宝塚歌劇団トップ娘役として活躍し、在団中にNHK朝の連続テレビ小説「ぴあの」のヒロインを務め、香港映画「夜間飛行」において第38回金馬奨(台湾)ベストオリジナルフィルムソング賞を受賞するなど、高い演技力と歌唱力を誇り、三年ぶりの舞台出演となる純名里沙。
さらに、舞踏カンパニー“大駱駝艦”から小田直哉、石井エリカ、そして岸谷五朗と個性豊かな顔触れが揃った。
渡部は2023年の音楽劇『歌うシャイロック』以来3年ぶり、そして純名は地球ゴージャスの第三弾、第四弾公演に出演し26年ぶりに岸谷と共演となる。
岸谷が熱い信頼を置く強力な共演者と共に、“PRIME VINsTAGE”企画が始動する。
イントロダクション
1950年代、パリ・モンパルナス。
哲学者・矢内原伊作は、彫刻家アルベルト・ジャコメッティと出会う。
描いては壊し、完成を拒み続けるジャコメッティとその狂気のような創作を、静かに強く支える妻・アネット。
やがて矢内原は危うくもつくしい二人の世界へ呑み込まれていくー。
一方、現代の日本。
芸術家を名乗る幸一郎は、弟の幸三、妻の道子を巻き込みながら、ジャコメッティの思想に取り憑かれたように創作に没頭していた。しかし、現実はそう簡単にはいかない。
時代を超えて交差していく二つの物語。
「人生」に違いはない。誰もが“死ぬまでの道”を歩いている。
迷い、壊れ、愛し、他者にかき乱されながら、それでも人は自分だけの“生きる意味”を探し続ける。
果たして、彼らが最後に見つけるものとはー。
ジャコメッティの精神に導かれるながら描かれる、可笑しくも切なく、美しい人間讃歌。
コメント
【作・演出・出演】岸谷五朗(きしたに・ごろう)
20代、我武者羅に演劇にTRY していた10年間。そこには小劇場があった。しかし、今思えば、その小劇場演劇活動は、一人でも多くのお客様に観劇してもらう為、大劇場への「足掛かり」、「ステップ」だったことは間違いない。
現に、100席ほどの六本木アトリエフォンテーヌで上演した作品は十数年の時を経て、1,000席を超える日生劇場で再演を果たしている。
貴重な小劇場の「時」があったからこそ、主宰する「地球ゴージャス」は常に新たな大劇場への常連へと進化できた。
今想う、小劇場への感謝の気持ち。
どこか心の片隅に、「蔑ろ」にしてしまった小劇場への「後ろめたさ」みたいなものがずっと存在し、じっくり対峙し、向き合ってこられなかった、大切にできなかった、急速に進んでしまったあの時代への「悔しさ」のような想いが募っていた。私を育ててくれた最高の空間で、「足掛かり」や「ステップ」ではなく、小劇場空間でしかありえない芸術創造をじっくり腰を据え、吟味し構築していく。
演劇生活40年を超えた今だからこそ生み出せると信じて、あえて小劇場に「TRY」したい!
近年、日本でも優れた小劇場作品が生まれ、海外でも評価されている。新たな小劇場ブームの到来!観客に小劇場演劇の素晴らしさを届け、自らも新たな演劇創造にまみれたい!
そんな挑戦、チャレンジこそが“PRIME VINsTAGE”なのである!今こそ、小劇場が「熱い」!
【出演】渡部豪太
三年前に岸谷さんと舞台でご一緒させて頂いた時に感じたのは、周りを包み込む温かさと芝居に対するストイックな愛でした。今回脚本を読ませて頂いて、やはり岸谷さんは太陽のようだと思いました。戯曲が圧倒的に温かいのです。そして膨大なセリフ量…、ストイック!新たなプロジェクトの第一弾に、「豪太に」と言って頂けたのは本当に嬉しいです。役者のまばたきする音すら聞こえてくるような小劇場という空間は小細工が一切通用しない。私にとっても大きな挑戦です。また芸術家ジャコメッティという人は芸術の核心に近づこうとした人物。演劇に真摯に取り組む先輩岸谷さんの背中を見ながら、私もこの作品にまっすぐ向き合い演劇の深淵に近づきたいと思っています。
【出演】純名里沙
宝塚歌劇団を退団してまだ2〜3年のころ、岸谷五朗さん、寺脇康文さん率いる地球ゴージャスの公演に2年続けて出演させていただきました。
この度、光栄にも久しぶりにお声がけいただき、1作目はヒロイン、2作目は全く違う役柄を当て書きくださった岸谷さんの懐の深さに想いを馳せる中、一生懸命に汗を流した稽古場や、ピンと張り詰めた本番の切ないほどの感動が、すぐにまざまざと蘇ってまいりました。
今、岸谷さんの小劇場に懸ける純粋な想いを伺いながら、その熱量のもとで再びお稽古ができる幸せに打ち震えています。並々ならぬ覚悟を持たれての“PRIME VINsTAGE”旗揚げ公演。その一員として選んでいただけたことに心から感謝申し上げます。岸谷さんの厳しくも温かい演出によって、今の私がどんな表情をお見せできるのか。岸谷さん、渡部豪太さんと切磋琢磨できる日々が待ち遠しく、心底楽しみでなりません。緊張と弛緩が織りなす本番、息遣いすら聞こえる小劇場でお待ちしております!
