『CLUB SEVEN ZERO II』玉野和紀・吉野圭吾・東山義久・西村直人・大山真志インタビュー

2003年から始まった玉野和紀による究極のエンターテインメント・ショー『CLUB SEVEN』が2年ぶりに上演される。今回のタイトルは『CLUB SEVEN ZEROⅡ』。前作『ZERO』で6年ぶりに集った伝説(レジェンド)メンバー(玉野和紀、吉野圭吾、東山義久、西村直人)が再び集い、今回もまたソング&ダンス・芝居・タップ・ミュージカル・スケッチと、あらゆる要素を取り入れた“怒涛のジェットコースター大娯楽エンターテインメント”を披露する。

2幕冒頭のミニミュージカルや、芝居・ダンスを交え、息をもつかぬ展開で歌い上げる「五十音ヒットメドレー」も必見の本作。今回のメンバーは、脚本・構成・演出・振付・出演の玉野、そして吉野、東山、西村に加え、10th stage!(’15年上演)ぶり2度目の出演となる大山真志、初出演の女性メンバー・北翔海莉と沙央くらま。男性メンバー5人に話を聞いた。


――『ZEROⅡ』はどんなステージになりそうですか?

玉野「前作の『ZERO』(’17年)は、もともと『CLUB SEVEN』は男性5人女性2人から始まったことを踏まえ『そこに立ち返って、しんどくみんなでやろうぜ!』というものでした。それをやって『もうこれで…!』と思ったら、今回も『ZERO』になってしまい(笑)。再び『原点に立ち返って少人数でがんばろう、おじさんたち』という感じです(笑)」


――今回は20代の大山真志さんも入られますが。

玉野「そうですね。真志はちゃんといい感じに太ってくれて」

一同「(笑)」

大山「いやいや…!」

玉野「キャラクター的にものすごく助かっております。ただ真志は『ALTAR BOYZ 2019』(玉野が演出を手掛けるミュージカル作品/大山は<Team GOLD>に出演)を一緒にやっていますが、若いけど、このメンバーの中に入っても引けを取らないでいけるだろうと思います。考え方も大人だし、返しもうまい」

大山「ありがとうございます! 素直に嬉しいです。このメンバーの中に参加させていただけることは本当にしあわせなことだなと思っています」


――女性陣のおふたり(北翔海莉・沙央くらま)は初出演ですが。

玉野「この作品、宝塚歌劇団出身の方はいつも男役の方と娘役の方で出ていただいていたんですが、今回初めて二人とも男役。なので公演チラシも表面は男装、裏面は女性の姿でやってもらっています。舞台でも男女の両方の姿が見られるような雰囲気でやれたらなと思ってます」


――構成は『ZERO』を踏襲されるのですか?

玉野「構成的には同じです。オープニングあって、スケッチ(コントのようなもの)があって、ダンスがあって、歌があって。二幕はミニミュージカルと“五十音ヒットメドレー”になります。2バージョンあるのですが、スケッチが変わります」

西村「そうだったんだ。まだ何やるか聞いてないんですよ(笑)」

玉野「スケッチは今までやってきたものの進化版と全く新しいニューバージョンも考えているのですが、これ言えないんですよね。言っちゃうとつまらなくなるから」

東山「(レジェンドメンバーの)4人は前回も一緒ですが、残る3人は違うメンバーなので。『CLUB SEVEN』のいいところは“その人”からインスピレーションを受けてミックスアップしていくところですし。お三方からもらうもので違う風になっていくんじゃないかなと思います」


――今回『ZEROⅡ』としてなにか挑戦したいことや特に力を入れたいことはありますか?

西村「最近はおじさん役が多いので、ちょっといい男の役をやりたいです! 以上です!」

吉野「おばあさん役を極めたいと思います! いろんなおばあさんをやりたい。おばあさんで何をどこまでできるかに挑戦します。」

玉野「挑戦したいこと……どうだろう。やれることはやってきましたからね。どんどん貯金ができているというか、いろんなキャラクターがみんなの中で確立して、貯まってる感じですよね。新たにっていうと…。ちょっと考えてみます」

西村「いつまでに考えていただけるのでしょうか?」

一同「(笑)」

玉野「今日の終わりぐらいまでに(笑)」

東山「7人しかいないので、皆さんの年齢、体力的なことを考えて、3時間以内に必ず終わらせたい!」

一同「(爆笑)」

玉野「既にちょっと超しそうなんだよね」

東山「ええ! ほんとダメですって」

吉野「キュッてやりましょ! キュッって」

東山「休憩なしで1時間半とか」

一同「(笑)」

大山「半分じゃないですか!(笑)」

東山「“五十音ヒットメドレー”も50曲でいいと思うんですよ。80曲とかやるから」

玉野「五十音はもうできてるよ」

東山「ちなみに何曲……」

玉野「今のところ78曲」

大山「1人11曲くらいってことですか?」

玉野「いや、1人50曲くらいは出てる。後半はずっと出るし」

西村「ありがとうございます!」

一同「(笑)」


――大山さんは挑戦したいことはありますか?

大山「僕は、とにかくがんばりたいです。こんなキャラの濃い方々の中で、ついていくことに精一杯になると思うので(笑)」


――『ZERO』のときには「集大成だけど始まり」という言葉も出ていましたが、前回やられてどうでしたか?

玉野「やっぱりね、この4人(玉野・吉野・東山・西村)は16年前から一緒にやっているので。安心なんです。みんなで“『CLUB SEVEN』とは何か”をつくってきたからこそ、1言って10わかってくれるメンバーなのでね。やりやすかったです。やっぱりみんな年齢も上がって、ポジションも上がって、若い人たちと一緒にやるとどうしても格差が出てきちゃうようになって。でも『CLUB SEVEN』って、全員が主役もアンサンブルもできるっていうものなのでね。“そこにもう一度立ち返って”という思いで『ZERO』をやったんですよ」


――レジェンドメンバーの皆さんが揃ってどう思われましたか?

西村「それぞれのポジションが決まっているし、『この人こうするだろうな』っていうのが、話さなくてもわかるので。それを受けて『じゃあ自分はこうしよう』というのも、あまり考えずともできる。“認める”というのはとうに過ぎて、不安もないし気負わなくてもいいメンバーだなって。そういうことを前回やって思いました。新メンバーが入るともちろん流れも変わるんですけど、この4人がいれば、出口はお客さんが喜んでくれる方向にいける。やっててやっぱり楽しいですし、家族みたいな感じですね」

吉野「『CLUB SEVEN』をやるとたくさん刺激ももらえるし、新たな引き出しができる。そして、みんなのすごさを改めて感じます。忘れていた感覚を思い出したりもします。なんせ必死ですから。だから成長しますよね」

玉野「やっぱりみんなだんだん舞台上でのポジションとか役とか決まってくるじゃないですか。でも『CLUB SEVEN』はそれを一回壊すのでね。自分のキャラに合う合わないじゃなくて、新しい役をふられたとき、どうするのかっていうところでもがいて、それでみんな引き出しが増えていくんだろうなと思います。 “show must go on”といいますか、なんでもどうにかするっていうところ。その一生懸命さが『CLUB SEVEN』の良さだと思います」

東山「このメンバーで最初にやったのが2nd stage!(’04 年)ですからね。安心だし、ショーも安定するし、見てて楽しいですし。僕も別の場所ではリーダーとか言われたり、引っ張っていかなきゃいけない立場にあったりするのですが、ここに帰ってくると、皆さんそういうことも関係なくカッコつけずに全部さらけ出しているので(笑)。僕も裸で一緒に温泉入ってもいいんだなって。隠すものがないし、気負わなくていい。それこそ原点に立ち返ることになりますよね。『CLUB SEVEN』で、僕はこういうことができるんだ、やっていいんだって培ったことがすごく多いので。自分を新しく試せるのも楽しいです。本番より稽古場のほうが楽しかったりしますよ(笑)」


――稽古場、すごそうですね。いわゆる“ムチャブリ”もあるってことですから。

大山「(不安な顔で)怖いっすよ」

玉野「真志は1回一緒にやってるから」

東山「え、まだ1回しかやってないんだっけ!?」

大山「1回だけです」

吉野「すごく出てる感じがする」

西村「するよね」

大山「今回2回目の出演ですが、出演させて頂けるのはすごく嬉しいです!」

玉野「太ったからね」

一同「(笑)」

 

ヘアメイク/福島久美子 後藤満紀子
インタビュー・文/中川實穂