3月30日(金)東京・紀伊國屋ホールにて「火花 -Ghost of the Novelist-」が開幕した。又吉直樹の初純文学作品「火花」。単行本・文庫本の売上げは累計部数300 万部超え、そして【第153 回芥川賞】を芸人として初めて受賞するという快挙を達成し、社会現象をも巻き起こした、この超話題作が、2016年のドラマ化、2017 年の映画化に続き、満を持しての舞台化。舞台版は観月ありさと又吉直樹が本人役で出演するといった斬新さでも話題を呼んでいる。
<あらすじ>
ステージに立ち、語り始めた「火花」の原作者又吉。そこに女優観月ありさが現れ又吉を抱き締める。
又吉を愛しているという観月はその愛と引き換えに「火花」を私に下さいと言う。
「作者」観月によって語られる火花の物語は小説の世界をなぞりつつ、歪めつつ、又吉の原作世界の核心をあぶり出してゆく。
スパークス徳永は祭りの営業で出会った神谷に心酔し、弟子入りを志願する。
行動を共にする中で、神谷が転がり込んでいる家で一人の女性・真樹に出会う。
真樹は女優が演じている。自分こそが真樹であり、これは自分が見届けた一部始終なのだと女優はいう。
交流を深めるにつれ、徳永の神谷に対する憧れや嫉妬が渦巻いていく。
好調だったスパークスも解散。 やがて破綻を迎える。 同時に破綻する観月の物語世界。
観月は又吉に問う「なぜこの小説を書いたのか?」 物語にはまだ続きがあった。
小説の世界と「作者」の世界は交錯し、同時にクライマックスを迎える。
観月ありさ&又吉直樹からコメントが届きました!
〈観月ありさコメント〉
私は原作には登場しない「観月ありさ役」を演じるのですが、小説の火花を朗読しながらストーリーテラーのように進行しつつも、観月ありさ役をやったり、神谷君(石田明さん)の恋人役をやったりと忙しく、切り替えが難しかったです。又吉さんとは普段も交流が多いので、正直照れてしまいます。コメディ要素が多い舞台で、芸人さんたちの前で笑いを取るのが難しいのですが、そんなときは笑いのバロメーターとして又吉君の笑い方を確認しています。肩の力を抜いて楽しんでいただきたいです。
<又吉直樹コメント>
――ゲネプロを終えての率直な感想を一言お願いします。
そうですね、稽古で長い時間かけてやってきたんで、それがようやく形になって。どちらかというと、緊張感はあるんですけど、今は楽しみになってますね。
――ゲネプロを楽しんで演れたという感じですか?
あの~……、他の演者にもたぶんこの声が聞こえてしまってるんでアレなんですけど(笑)、僕だけが特に緊張してたみたいなゲネになったかなとは思うんですけど、でもみんなの芝居を見ていていい意味で引っ張られるというか、「なるほど、こういう話なんや」っていうのがさっきのでなんか、わかりましたね。稽古で何回も通してきたんですけど、なんか「あぁ~……!」みたいな。いろいろ、つながりました。
――間に合いましたね(笑)!
ギリギリ、間に合いました。
――これから初日の公演を迎えるわけですが、最後にメッセージをお願いします。
やっぱり舞台はその場その場といいますか、一回一回違いますし、1回目と2回目も違いますし、日によっても全然違いますから、その時しか見れないものなんで、ぜひ。特にそういう、舞台の「その場でしか見られへん」っていうものと、今回のお芝居のお話自体がすごく相性いいと思うんで、ぜひ、足を運んでいただきたいなと思います。火花を読んだことない方も、読まれた方にも楽しんでいただけると思います。よろしくお願いします。
【ゲネプロ写真はコチラ】
その後、大阪・松下IMPホールで5/9(水) ~ 5/12(土)まで上演する。
小説、ドラマ、映画と違うストーリーの新しい「火花」をぜひ劇場でお楽しみいただきたい。
撮影・文/ローチケ演劇部員(川)