『劇団朱雀 復活公演』早乙女太⼀ インタビュー

早乙女太一が二代目座長として奮闘する劇団朱雀復活公演

 

舞台だけにとどまらず近年は映像作品や声優など活躍の場を広げる早乙女太一がこのたび二代目座長となり、劇団朱雀をこの冬、5年ぶりに復活させる。早乙女によると、以前やっていた大衆演劇のスタイルはそのままに、今回ならではの企みとして新作の芝居を準備中だという。

早乙女「自分が正式に二代目座長としておこなう初めての公演になります。これまでの朱雀の公演でやってきたことや、根本的な大衆演劇のスタイルで、以前からのお客さんに懐かしいと思っていただけるものは残しつつ、元々の土台をレベルアップさせることができればいいなと思っています。自分が座長になったからといって思いっきりスタイルを変えるということではなく、今までのものはちゃんと引き継いでいくつもりです。その中での一番大きな挑戦は、新たに書き下ろしていただく脚本を上演するということ。それを大衆演劇ならではの作品として、作り上げたい」


その新作の脚本は、中島かずき、横内謙介、中屋敷法仁という早乙女とゆかりの深い3人の脚本家に執筆を依頼。中島と横内には基本的にそれぞれの特長を活かした時代劇を、中屋敷にはその二人とは一味違う感触の作品になるようにお願いしているとか。それとは別に、早乙女自身が脚本に名を連ねているのも気になるところだが。

早乙女「僕の場合はゼロから脚本を書くわけではなく、昔から劇団にあった外題をアレンジして、そこにオリジナルを足すという作業になると思います。生み出す苦労みたいなものはないかもしれませんが、新たなものを作っていきたいとは思っています」


1部は女形をメインにした舞踊ショーで、2部が脚本家による新作、または早乙女がアレンジした芝居を日替わり上演、3部は歌あり踊りあり殺陣ありの盛りだくさんな舞踊ショーで締めくくるという、サービス精神満点の三部構成となる予定。

早乙女「劇団公演では、自分たちができることプラス他の公演ではやれないことも詰め込んでいるので、朱雀でしか観られないものになると思います。東京・大阪・札幌公演では、脚本家の方々に新作を書いていただくので、しっかり稽古を重ねて作り上げていきますが、岐阜公演に関しては大衆演劇の劇場でやることもあって、毎日、お芝居も、踊りも変えるという本来の「大衆演劇」のスタイルに完全に戻しておこないます。ここではその場で作り上げていくという、アドリブ満載の大衆演劇でしか味わえない楽しさもあるし、それが一番他の公演では味わえない難しさでもあります。朱雀を観に来てくださっていた方たちは、きっちり作り上げられたものよりもその瞬間に生まれる感じをむしろ楽しんでいたと思うので。一回勝負の体当たりの感じも残しつつ、稽古したものも活かしつつ、新たなものにしたいですね」


今回は木村了が初参加するほか、大阪・札幌公演にはゴールデンボンバーの喜矢武豊も出演するなど、早乙女との共演経験、交友関係のある、息の合った客演陣が顔を揃える。さらに父、母、弟、妹との家族共演も久しぶりに実現。弟・早乙女友貴との超ハイスピードの殺陣が目撃できるのは、この公演ならではの貴重な見どころだ。大衆演劇初体験でも、まったく心配ないと早乙女は太鼓判を押す。

早乙女「心構えなんて何もいりません。とにかく気軽な気持ちで観に来てほしいです。全然かしこまった舞台ではありませんので、お祭りにでも来て、いろいろな出店を歩きながら見て回るような気分で、楽しんでいただきたいと思っています」

 

インタビュー・文/田中里津子

 

※構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
早乙女太⼀
■サオトメ タイチ ’91年、福岡県出身。劇団朱雀の二代目として4歳から舞台に立つ。舞台の他にも映画やテレビドラマなど映像作品にも出演多数。