『人形の家 Part2』永作博美 vs 山崎一、那須凜、梅沢昌代の言葉のタイマン勝負、開幕間近!!

2019.08.05

8/9(金)~紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにてアメリカの新進気鋭の劇作家ルーカス・ナスによるイプセンの「人形の家」の“その後”を描いた大胆不敵な新作戯曲の日本初演がいよいよ幕を開けます。

イプセンの「人形の家」は、ノラが社会の中での役割を強要され、自分自身でいることが許されない古びた生活に決別し、家を出るシーンで終わります。この因習を破るかのような衝撃的な結末で、「人形の家」は作品としての名声を得ることになり、140年以上に渡り、終わりのない物語として観客の記憶に残り続けてきました。

本作は、「人形の家」のノラが家を飛び出した15年後という設定で描かれ、混沌とした現代社会の中での女性の生き方、現代の家族のあり方を鋭くつきつけました。
ノラが15年の時を経て帰って来た理由とは何だったのか…。

開幕を間近に控え、劇場入り目前の濃密で熱い稽古の様子が届きました。

本作の演出を務めるのは、「第26回読売演劇大賞」大賞及び最優秀演出家賞に輝いた栗山民也。
稽古場では稽古用照明の中、栗山が緻密に演出をつけている最中。

主人公ノラ役は栗山民也演出の「頭痛肩こり樋口一葉」以来、3年振りの舞台出演となる永作博美。
相手役には夫・トルヴァルを近年自ら作演出など意欲的な舞台活動が評価される山崎一が、乳母アンネ・マリーには、近年の栗山演出作品への出演も多い梅沢昌代、娘役には、青年座劇場ラスト公演「砂塵のニケ」のヒロインを見事に演じた期待の若手女優、那須凜と実力派キャストが揃い、ノラ演じる永作を会話でとことん追い詰める緊張感漂う稽古を繰り広げており、本番への期待感が大いに高まりました。

本作は二人芝居が連続する斬新な構成も見どころ、各シーンともサスペンスタッチのセリフの応酬に、「人形の家」を知っている人も知らない人も引き込まれること必至!どうぞご期待ください!!

 

【STORY】
◆ヘンリク・イプセンの「人形の家」とは?
結婚して3人の子供に恵まれ、何不自由なく暮らしているお嬢様育ちのノラと裕福な弁護士のトルヴァル。
ある日、過去にやむにやまれず借用証書の偽造をしていたノラの秘密が夫トルヴァルの部下にバレてしまい脅迫を受けることに。ノラは秘密を隠し通すことが出来なくなり、トルヴァルは初めてノラに対して激怒する。
この事件をきっかけに、ノラは「自分が可愛いだけのお人形でいることが結婚だったのか?」という疑問を抱き、ひとりの人間として自立するためにはこの家を出るしかないと決意する。

◆ルーカス・ナス作「人形の家 Part2」STORY
15年ぶりに家に帰ってきたノラ。乳母は驚きながらも歓迎し、夫との和解を勧める。
しかしノラの目的は別にあった。実はこの15年の間に、ノラは女流作家として成功を収めていた。本名を伏せ自身の経験を綴った作品は、多くの女性の共感と反響を呼んだ。しかしある女性読者の夫に、ノラの「未婚の 女流作家」という立場が偽りであるという事実を掴まれ、世間に公表すると脅迫されていた。
ノラは、この危機を回避するために夫との離婚を成立させるべく家に戻ってきたのだった。

 

撮影/尾嶝 太