東京夜光「ユスリカ」開幕レポート

2019.08.29

川名幸宏主宰、東京夜光『ユスリカ』開幕!

 

川名幸宏が主宰する東京夜光の本公演『ユスリカ』が8/28に下北沢 小劇場楽園にて開幕した。
本作は、川名幸宏が妹の結婚式から着想を得て書き始めた、苛立ち合う姉妹と二人を取り巻く人々の物語。
美知(東澤有香)の元に、10年間口をきいていない不仲の姉・沙知(砂田桃子)が突然現れ、余命宣告を受けたことを理由に、美知が婚約者・大志(寺内淳志)と暮らす部屋で強引に同居をし始める。沙知の大胆な行いは、妹だけでなく大志の兄・隼人(中西良介)やその妻・明香(吉田多希)の生活をも翻弄していく。
美知らの父親を草野峻平、母親を笹本志穂が、実年齢との垣根を越えて熱演。姉たちの行動に戸惑いつつも家族を思いやる弟を藤家矢麻刀、沙知の恋人を丸山港都が演じる。

物語のテーマの一つにもなっているバタフライエフェクトとは、蝶々の羽ばたきが海を越えて嵐になることだ。二人の姉妹の苛立ちや嫉妬、欲望が周囲の人々を巻き込みもたらす嵐のような混沌から、終末へと向かう怒涛の展開は必見。
今作は9/1(日)まで下北沢 小劇場楽園にて上演。

 

<作・演出:川名幸宏 コメント>

東京夜光「ユスリカ」が開幕しました。
大嫌いな妹の結婚式で感動して普通に泣いてしまった経験をもとにつくり始めたはずなのですが、初日が開けて、お客様の反響に少し驚いていると言いますか、姉妹の、そして家族の、苛立ちの生々しさ、嫌悪感、やり切れなさ、圧迫感や、どうにもスパッと割り切れないまとわりつく繋がりとも言えない繋がり、つまり、しんどいお芝居のようです。
キャスト、スタッフの皆さんと、じっとりと、丁寧に積み重ねてきた甲斐がありました。
苛立ちの中に、何か希望を見つけていただけたら嬉しいです。
蒸し暑さの気だるさと合間って、夏にぴったりな「ユスリカ」、ぜひしんどくなりにいらしてください。