ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 風 Produced by TBS 山内圭哉 インタビュー

東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京で絶賛上演中の、劇団☆新感線『髑髏城の七人』。“花・鳥・風・月”とそれぞれのシーズンごとにキャストはもちろん、脚本・演出も大幅に変更して上演を続けているが、9/15(金)から開幕する第3弾“Season風”で<兵庫>に扮するのは山内圭哉だ。これまでの兵庫のキャラクターとは、ガラッと印象の違うコスチュームで撮影に臨んだビジュアル撮影終了後、山内に話を聞いた。


――山内さんは新感線の公演に出られるのはこれが4作目ということですが。

山内「そうですね、新感線には過去3回出ています。『The Vampire Strikes Rock(1998年)』『IZO(2008年)』、『蛮幽鬼(2009年)』。それと『鉈切り丸(2013年)』もありますけど。」

 

――では、いのうえひでのり演出作品ということでは5作目なんですね。
山内「そもそも僕が所属していたのは関西小劇場界でも、おまめの劇団みたいやったんでね。特別に快楽主義的な集団というか。昔から新感線もやってることはハチャメチャやったけど、ストイックな先輩方が揃っていたんで、いのうえさんとご一緒する時はいまだに緊張するんですよ。古田(新太)さんには劇団に入ってすぐの頃から可愛がってもうてお酒もよく一緒に呑んだりしていたんですけど。それでもやっぱり新感線に出させていただくというのは、僕にとっては以前からハードルが高かったですね。出るからにはちょっと、身体を鍛えておかなあかんな、めんどくさいなあーみたいな(笑)。」

 

――ふだんは鍛えたりはしないけど。
山内「そんなことせえへん。いかにラクに生きていくかしか、考えてないですから。」

 

――新感線に出る場合は、別なんですね。
山内「はい。なにしろ圧倒的にオモロい先輩がいてたんで。体力的にも演劇のスキル的にもすごいし、一緒に飲んでてもオモロい人ばかりやったんで、その場に行くとなるとどうしてもいまだに緊張するんです。だから今日も撮影がどうとか、この扮装がうんぬんより、いのうえさんが来はったら「あっ、どうも、おはようございます!」ってなるんですよね。でもやっぱり新感線の現場といえば、この年季の入ったチームワークと心地いい緊張感がいつもあるので、ああ懐かしいなというか、またこの人たちと一緒にお仕事ができんねんなと改めてうれしくもなりました。これはいつもそうなんですけど、またスポンジみたいになって吸収するだけ吸収しようと思っていますよ。こっちが何かを持っていこうというよりかは、みなさんのいろいろなものを吸収させていただきたい。もう、先輩後輩というのは永遠に縮まらないですからね。」

――では、他の現場での山内さんとは、ここの現場では違う。
山内「そうですね。といっても、それで遠慮とかしていたら怒らはる人らなんで。」

 

――遠慮はしない。
山内「もちろん、それはしないです。「オモロなくなったなあ」って言われたらもうアウトですから。だからこそ何年かに一回、こうしていのうえさんたちとやらせていただくのが楽しいんです。久しぶりだと、前よりもちょっと、いのうえさんが言うてはることをうまくやれたりするとすごくうれしいですし。いのうえさんて親分肌の人なので、僕らもなんとかして応えたいなという気になるんですよ。」

 

――今回の“Season風”のカンパニーの印象はいかがですか。
山内「ひゃー!という感じです(笑)。まず、生瀬さんとまたやれるのがうれしいですねえ。『鉈切り丸』の時に初めてご一緒させてもらったんですが、いのうえさんの演出と生瀬さんの相性がすごくいいということを稽古の時点から思っていて。いのうえさんの演出を受けるのはあの時が初だったはずなんですけど、いのうえさんがやってほしいことを生瀬さんはすぐに全部パッ、パッとやれるので、なんだか花火大会を見ているような感じでした。稽古場で、バンバン花火が上がるなあーって思いながら見てました。あの時の稽古は面白かったなあ、(渡辺)いっけいさんもおったりとかして。それぞれまったく別のタイプの役者なんだけれども、昔からよく知っていて、当時はしのぎを削り合っていた人たちが落ち着いた年齢になって再会して、改めてバンバンお互いの手の内を出していくというのがね。」

 

――生瀬さんは新感線の公演に出るのは今回が初めてですし。
山内「そうですよね。今回は劇団員さんとしては(橋本)じゅんさんがいてはるので、じゅんさんと生瀬さんとが一緒に出るのって、どうなるんやろってワクワクします。だって関西小劇場の人間としては、ちょっと夢のコラボ的なところがありますよ、これは。」

 

――そこに山内さんも加わるわけで。
山内「だから本当に大変なんです(笑)。ま、とにかくがんばりますよ!

 

インタビュー・文/田中里津子
Photo /村上宗一郎

 

【プロフィール】
山内圭哉
■ヤマウチタカヤ 1971年10月31日生まれ。大阪府出身。92年に劇団リリパット・アーミーに参加、99年に退団後はフリーの俳優として活躍。01年に後藤ひろひと、川下大洋と結成した演劇集団「Piper」に加入しているほか、近年では「新ロイヤル大衆舎」を結成し精力的に活動中。また「人々」「hate77」のバンドメンバーとしても、ジャンルを越えて活動中。ドラマ『民王』『奇跡の人』連続テレビ小説『あさが来た』、映画『花戦さ』、舞台『陥没』など、各ジャンルの話題作に多数出演。劇団☆新感線には今回4作目の出演となる。