村田沙耶香・松井 周 共同原案 inseparable「変半身(かわりみ)」開幕 舞台写真・コメント到着

2019.12.02

inseparable『変半身(かわりみ)』が11/29 (金) 、東京芸術劇場 シアターイーストにて開幕した。本作は、マイノリティーの居心地の悪さと、まもなく訪れそうな未来をユーモアたっぷりに描く芥川賞作家・村田沙耶香と、社会的価値観の崩壊をニヒリズムたっぷりに描き、人工知能や先端医療を題材にした演劇や小説を発表してきた岸田戯曲賞作家・松井周が共同で原案を開発した演劇作品である。

開幕に際し、原案・脚本・演出を担う松井 周とキャストの安蘭けいからコメントが寄せられた。


【コメント】

■原案・脚本・演出:松井 周
人間って複雑だなと思います。と同時に、誰でも同じような単純さもありますよね。ならば、あらゆる複雑さを経た上で、豊かな単純さをシェアしたい!そんな思いでつくりました。誰かを大味な枠にはめてつつくような、貧しい単純さをベースにして人間を語ることから解き放たれたくて、俳優とスタッフと共に丹念に「千久世島」を構築してみました。もとは村田沙耶香さんと生み出した小さな妄想がここまで大きくなったかと思うと、感慨深いものがあります。どうぞ存分に味わってください。■出演:安蘭けい
松井さんとは、「レインマン」以来になりますが、ご一緒させていただくのをとても楽しみにしていました。今回の作品も、稽古場はとても和やかに進んでいて、摩訶不思議な世界観にいつの間にかどっぷりはまっています。私の演じる丸和玲香は、少し怖い上司といった感じの役ですが、きっと笑っていただけるような色々な演出があり、私自身もとても楽しんでいるので、ぜひこの中毒性のある世界観を体験しに劇場へお越しください。【あらすじ】

近未来。東洋のガラパゴスと呼ばれている千久世島という離島は、かつてない賑わいを見せていた。国産みの神話に登場する島であると同時に、その島で発掘される「レアゲノム」という化石由来のDNAがヒトや動物の遺伝子組換えに必要なものとして注目を集めているからだ。その島に住む男は、奇祭で弟を失う。ところがある日、弟は蘇り、まるで別人のように男の前に現れる。弟の存在は島の住民を狂わせていく。そしてそれは、島の存亡を揺るがす事態に発展していく…。©引地信彦