三山ひろし特別公演 三山ひろし・立川志の春 インタビュー

左:立川志の春 右:三山ひろし

三山ひろしと立川志の春が新春公演で新たな挑戦


自身初となる明治座での座長公演をおこなう三山ひろし。第一部では立川志の春による新作落語をもとに、将棋の世界を生き抜いた伝説的な男の生き様を描く「阪田三吉物語」を上演する。

三山「ありがたいと思うと同時に責任をすごく感じております。明治座の1年を占う公演とお聞きして…大変、ビビっております(笑)。ただ、三吉はどことなく歌い手になろうと思って東京を目指していた自分に重なる気がしまして。人情味がありながらも、男同士のライバル、友情があって、感動しました。落語を聞いたとき、三吉さんのような男にならなければ、とも思いました」

志の春「私も進行という形ですが、舞台は初めての経験。いつも独りでやっているものですから(笑)、チームプレーで何かを作り上げていくことが楽しみです。三山さんが上京されるときのお話などを伺うと、本当にこの役がピッタリ。昭和の人情がある世界観は、演歌の世界と似ているところもあると思います。人の関係性が薄れてきている現代でライバルや師弟といったすごく濃いものが詰まっているお話なんです」

それぞれに歌手として、落語家としてのキャリアはありつつも、演技ではニューフェイス。どのように挑むのだろうか。

三山「歌うこともある意味、演じること。演劇の世界を勉強させていただくことで、自分の歌の世界がとても豊かになるんじゃないかと思っています。演劇から人の生き方を学ばせていただき、貪欲に吸収していきたいと思います」

志の春「落語ではいろいろな人物を演じる中で、どうやったらお客さんの頭の中に画として浮かぶかな、というのを考えながらやっています。その人物になりきらず、次に出てくる人物のことや、どこか客観的に見ている部分もある。でも、舞台では、その役になり切っている人が演じるわけですから、それがどのように形になっていくのかすごく楽しみです」


第二部では「三山ひろしオンステージ First Dream2020」と題したコンサートもおこなわれる。

三山「もうとにかく初夢を見ていただけるような、夢のような世界をお届けしたいです。今までやってきた演歌のコンサートとは、まったく違った雰囲気で、玉野和紀さんに演出や構成、振付をしていただいています。どちらかというと、ミュージカルテイストが入ったような感じになると思います。…踊っちゃう…可能性はあります(笑)」

志の春「実は、僕は演歌のコンサートに行ったことがないんです。初夢が3週間も続くなんて、まさに夢のようですね(笑)」

新春を新しい挑戦で迎える2人。公演に向けて、決意を胸に意気込む。

志の春「新しいことができるのが2020年だと思っているので個人的にも楽しみ。この物語は2020年の世の中にも、それぞれの方に刺さっていくメッセージがある。物語の一員になれることは光栄ですごく嬉しいことです。普段は個人プレーなので協調性をもって頑張りたいと思います」

三山「昨年は歌い手として11年目に入り、リスタートとして、海外公演など新しいことをやっていこうとした年でした。そこから、夢の舞台で初の座長公演で2020年をスタートできることは、とても大きなこと。皆様の記憶に残していただけるような作品にしなければと思っています」

 

インタビュー・文/宮崎新之
Photo/篠塚ようこ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
三山ひろし
■ミヤマ ヒロシ
’80年9月17日、高知県出身。’09年「人恋酒場」でデビュー。’15年に「お岩木山」が15万枚のヒットを記録し、紅白歌合戦初出場を果たした。

立川志の春
■タテカワ シノハル
’76年8月14日、大阪府出身。’02年10月に立川志の輔に入門。古典や新作にとどまらず、得意の英語を生かした落語も演じる。