昭和の名優・森繁久彌が演じ続けた“ベンゲットの他(た)ぁやん“を、演出・森新太郎×主演・佐々木蔵之介のタッグで蘇らせる!
オールキャスト&キービジュアル解禁!!
先般、PARCO劇場 オープニング・シリーズの発表で佐々木蔵之介主演として情報解禁された本作のオールキャストが決定、さらにキービジュアルが公開されました。
主人公の人力俥夫・他吉には、本作が舞台で関西弁を初披露することになる佐々木蔵之介。他吉がフィリピンから帰国以来、大阪の河童路地(がたろろじ)で何かと相談相手となる万年前座の噺家・〆団治役には、お笑いコンビNON STYLEの石田 明。他吉が思いを寄せる二人の女性を演じ分けるのは、元宝塚トップスターの壮一帆。他吉が一旗揚げようとフィリピンで働いている間、日本に残された妻・おつる役に、ナイロン100℃の松永玲子。他吉とおつるの娘・初枝役には、映画やテレビでの活躍も光る谷村美月。さらに初枝の娘で、他吉の孫娘にあたる君枝役には映画『ソロモンの偽証』で新人賞を総なめにし、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」でお茶の間の人気も獲得した藤野涼子。若手の活動弁士・橘玉堂役には、エアギター芸で一世を風靡し、昨今演劇での活躍も多くなったお笑いコンビダイノジの大地洋輔。キセル屋の亀役には劇団ラッパ屋の福本伸一、その妻役には、同じく劇団ラッパ屋の弘中麻紀、散髪屋の後家でおかみのおたか役には、映画「カメラを止めるな!」でゾンビチャンネルのプロデューサー役を演じ、一躍有名人の仲間入りを果たした遅咲き女優どんぐり、その息子の敬吉役にはNHK連続テレビ小説「まんぷく」の名木くん役を演じた注目の若手上川周作、他吉や〆団治が住む長屋の家主・笹原主人役には、ベテラン実力派俳優の陰山泰と、メインキャストはほぼ関西圏出身者で占め、当時の大阪の貧乏長屋を舞台にそこで生きる人間たちの力強くもせつない物語を臨場感たっぷりに紡ぎ出します。
舞台『佐渡島他吉の生涯』とはー
PARCO劇場オープニング・シリーズ第2弾として上演する本作『佐渡島他吉の生涯』は、昭和の名優・森繁久彌氏によって1961年に初演され、その後10回以上の再演を重ねた人情喜劇の名作です。坂口安吾らと共に無頼派の一人として知られ、今でもファンの多い作家の織田作之助の「わが町」を原作に、椎名龍治が脚本を担当し、主人公・他吉を演じた森繁久彌本人が潤色と演出を兼ねつつ創り上げられてきました。明治後期から第二次大戦終戦後の昭和21年まで、粗野で破天荒ではあるものの、家族思いでどこか憎めないバイタリティに溢れた人力俥夫“佐渡島他吉“の生涯を、当時のごみごみした大阪の裏路地を舞台に描いた名作喜劇。2016年に上演した『BENT』以来、4年越しの森新太郎と佐々木蔵之介のタッグで、この名作喜劇を現代に蘇らせます。
演出の森新太郎が織田作之助作品の愛読者であったことに加え、惑星ピスタチオ時代に関西の劇場で観客を笑わせ、沸かせていたコテコテの佐々木蔵之介をもう一度みてみたい、と森が熱望したことで、本企画がスタートいたしました。映像や舞台で洗練された役どころを演じることの多い佐々木としては珍しく、明治生まれの破天荒ながら情にも厚い他吉役。東京進出以来、初の関西弁を駆使した役どころにご期待ください!
【ストーリー】
一旗揚げようと妻子を日本に残してフィリピンのベンゲット州の道路工事に従事していた人夫の他吉(佐々木蔵之介)。通称“ベンゲットの他(た)ぁやん“は、そこに働く荒くれ共の中でも名うての暴れん坊だった。しかし、ある日現地の白人との喧嘩が元で日本に強制送還されることが決まる。その地を離れることに未練はなかった他吉だったが、そこで知り合い心を通わせていた”からゆきさん“の静子(壮一帆)との別れはつらかった。
しばらくして大阪のごみごみとした河童(がたろ)路地(ろじ)にある長屋の自宅へと戻った他吉。夫を待ち続けていた妻のおつる(松永玲子)と幼い娘の初枝は、他吉に会うなり音信不通のまま自分たちをほったらかした家長を責め立てる。これからは二人のために人力俥夫となって働くと宣言する他吉に大喜びしていた二人だったが、ほどなくして妻のおつるが病死してしまった。それでも、隣家の噺家〆団治(石田明)をはじめとする長屋の人々の支えも借りながら、残された一人娘のために俥夫としてしゃにむに働き続ける他吉。
やがて成長した娘の初枝(谷村美月)は近所に住む桶屋の息子の新太郎といい仲になり、新太郎は借金をしながらも新たなお店を構え、二人は夫婦となって切り盛りし始めた。他吉も娘夫婦の借金返済に一役買おうと、まだまだ体を責めて働き続ける。ところが新太郎と初枝の店は隣家の火事に巻き込まれてしまい……。
明治38年から昭和21年まで、大阪の河童路地の長屋に住む“他(た)ぁやん“の、人情味に溢れながらも波瀾万丈な生涯を、笑いと涙を織り交ぜて描く大作舞台。
<森新太郎コメント>
いつか佐々木蔵之介さんと喜劇が作りたかった、いつか織田作之助の描く逞しき人間ドラマに挑戦したかったーー
その両方が新しいPARCO劇場で叶うことになりました。
森繁久彌さんが紡いできた昭和の傑作に新しい息吹を吹き込めたらと思います。
<佐々木蔵之介コメント>
PARCO劇場オープニング・シリーズの作品に参加できることを、大変光栄に思います。
初めてPARCO劇場の舞台に立ったのは21年前。まだ20代でした。関西の劇団に在籍していた私にとって、劇場も渋谷の街も新鮮で刺激的でした。以来、沢山の作品とお客様と出逢える機会を頂きました。
2020年、あの頃と変わらぬ気持ちで、新しいPARCO劇場の舞台に立ちたいと思います。